鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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なんというか水木しげるさすがだよ、あいかわらずディストピアって感じ...
なんというか水木しげるさすがだよ、あいかわらずディストピアって感じだったな。
鬼太郎の誕生というからもう少しほのぼのしてたの想像してたな。まぁいつも通り鬼太郎そこそこ優しかったな。毎回忠告して助けられれば結構人間も助けてる印象強いし。鬼太郎のアニメそんなみてないからマジでいろいろ初見だったな。ダークといってもありのまま愚かな人間を描いてるって感じだな。鬼太郎というから妖怪を想像してたけど今回のは妖怪というより“人間が持つ元来の力と呪い”って感じだったな。
しかし妖怪も人間の心から生まれたというのであれば妖怪でもあながち間違いでもないだろうがね。なるほど、調べたら「人間の悪行や善も妖怪の一種」だそうだ。では今回のも妖怪だな。
人間の愚かさや、怖がりなところをうまく描いた素晴らしい作品だったな。人間のみがすることができる“希望“をここまで詳しく具体的に表現しているのはすごいよ。特に沙代なんて愚かにも希望的観測を妄信し、勝手に裏切られたと叫び狂骨を操って大虐殺だからな。メンヘラかよ。
とにかく見る価値あったよ、2回目行きたいな。水木カッコよかったし長田のビジュ好きだよ。さすがに性格は好きではなかったけどな。
これが初のレビューだ。勝手に調べて自己完結してるよ。それをレビューに含めていいのかわからなかったがとりあえず入れといた。
ハマる人がいるのわかる
まともな人間がほぼ出てこない。あまり子供と一緒に見に行くタイプのアニメ映画じゃないかな、子供には少し難しそうだし噛み砕いて説明しづらい。大人向け。
性根が腐った人間ばかり出てくるけど、皆加害者でありながら被害者でもある。時貞以外は。トキちゃんが不憫すぎる…。
最終的に悪人には罰が下った形だけど、救われる余地のある人間も巻き込まれているように感じてちょっと悲しい。孝三と克典は生き残っても良かったんじゃないかな〜…でもまぁ生き残ってもしょうがないか。
鬼太郎にわかが流行りに乗って見に行ってもちゃんと楽しめたし、作画もちょっと独特だけどそれがこの作品にはあっててすごく良かった。せっかくだしアニメの鬼太郎も見てみようかな、と思える作品でした。
金田一のつもりで観に行ったらコナンだった
SNS等で話題沸騰だったのでかなり期待して観に行きました。
グイグイ引き込まれ最後まで退屈させない展開。もう終わり?!と思ったくらいには面白かったです。
ただちょっと期待しすぎちゃったかも…。「みんな観て!」「また観ちゃいました」「入場者特典瞬殺」こんな感想たちを読んでから行ったのでかなり期待してしまったのですね。
閉鎖的な変わった村で起こる怪事件がベースなので謎が謎を呼び最後はひっくり返って意外なところに真相が…みたいな金田一みたいな濃厚なミステリーに妖怪要素が絡んでくるのかなぁ〜相当面白そうだぞ!と勝手に期待してしまいました。
そしていざ観賞。面白かったです。面白かったけどミステリー要素は結構ストレート。途中で展開が予想できてその通りでした。どんでん返しもなくちょっと物足りない。
でもアクションが予想以上にすごかったです。というか鬼太郎にアクション要素は求めたことがなかったのでびっくりしました。鬼太郎の父、強いんだな…。
ということで金田一みたいなミステリーを求めて観に行ったら映画版コナンのような壮大なアクションが観られました。
鬼太郎の父はかなりかっこいいです。主人公の水木との絡みもたくさん。そういうのを求める方にはおすすめ。
私みたいにミステリー要素というかストーリーの斬新さを求めて行くのはまあ…そこまでは…。
あと個人的に気になったのはねずみ男。鬼太郎家族と二代に渡って親交があるようで。長生きして人間界にもほどよく関わってて、彼目線の鬼太郎の世界を観てみたい気がします。
前日寝不足につき評価不能(映像的なコメントのみ記録用)
全く頭に入ってこなかった
映像的にはレイアウトがよくて、
キャラデザがもっと内容に沿った多少おどろおどろしい感じでも良かったかも?
(でも内容を伝えたくてあえてキャラデザを馴染みのある今風のものにして、広い世代に見てもらおう知ってもらおうとしたならあり)
最後の漫画のような描写の方がテイストが合っていた。
またもう一度、この映画のために映画館に足を運ぶことはないと思うが、配信された際には、良いコンディションでまた見たい。
それまでシリーズを見た事がないので、見てみたいと思った。
ゲゲゲの話としては普通に面白いが、、、
鬼太郎の親父の話。11月からのロングラン上映、とのことでどんなもんか、観てみました。救いにないダークファンタジーで、普通にゲゲゲのお話。妖怪ってところだけはファンタジーですが、他はリアリティを損ねない作りが良いですね。
例えば主人公が勤める帝国「血液銀行」というのは聞き慣れないですが、戦後には本当にあった会社。いわゆる売血を仲立ちする会社で、実は1990年まで存在。作中では幽霊の血をMという血液製剤にしており、ちゃんと呼応しています。
ただ、ストーリーは「八つ墓村」と「Fate stay night/Heavn’s Feel」ですね。もっと、犬神家や桜の方を掘り下げたら面白いのに、金田一を掘り下げた感じで、イマイチな展開でした。
幸せになってくれ
なんか…昔墓場鬼太郎の漫画を文庫サイズで読んだな…くらいの知識。目玉の親父は鬼太郎の左目なんだ、だから鬼太郎は前髪で隠してるんだ、と子供の頃に思っていたくらいなので、本当によく分かっていない。墓場を読んで違うんだ!そりゃ(父さんって呼んでるし)そうか!というくらいのレベル。無知です。
なんだかいいらしいぞ、とネットの情報をかいつまんで仕入れた結果、気になって観に行きました。
これだけ観ても楽しめる内容で、面白かったなぁと思います。序盤に出てくる謎(例えば球体とか)の種明かしがラストにくる構成がとても好きです。
戦闘シーンも格好良かったですね〜!ゆるい線が、むしろ動きの速さを物語っていて見入りました。
子供が犠牲になるのは本当に辛いので、二人の最期は悲しかったなぁ。
鬼太郎のお母さんが猫娘に似てるなぁと思ったのは気のせいなんだろうか。
スーパーウルトラハッピーエンドが観たい…
鬼太郎の育ての親が水木さんっていうのは乙ですなぁと思った。
期待値下に大振れ
公式YouTubeの「墓場鬼太郎」一話視聴済み
先にTwitterで情報を得てしまっていたので期待値10/10くらいで行ったら6/10ぐらいの見応えでした…。
toco先生の可愛くてかっこいいキャラデザ、互いを思いやるバディもの、タバコ間接キス、お風呂シーン、着替えシーンなど確かに(腐女子的に)ウキウキとはしました笑
映像も綺麗です。強いて言うならグロめのジブリかな?早いシーンはやや目が滑るのですが、演出としてわざとだと思います。
ストーリーは敵味方善悪のはっきりした勧善懲悪もの。捻られたりしていないので脳死で見れます。(ストーリーとか考えなくても平気)
背景や昭和の雰囲気の描き込み、声優さん、エロい水木と父要素で売れてる気がします。
実際toco先生のデザインは本当に素敵です。かっこよくて可愛くてどこかセクシーで、たまらない雰囲気があります。水木の耳が欠けている、肩から胸にあるアザなど本当にセクシーです。めちゃくちゃエロい。
あと個人的すぎてほんっとうにどうでもいいのですが、母子家庭なので父親が愛してくれている鬼太郎が本当羨ましかったです笑私の父ははカスとしか言いようのないので…。
このストーリーを楽しめた、感動したという人は育ちがいいんだろうなとも思いました。(どうでもいい)
グロも冒頭の予告(サンクスギビングかな?)の方が遥かにキツいので、全然でした。絵でも苦手なタイプは気をつけた方がいいかな?というレベル。(私は絵なら平気。写真、文字グロは苦手)
こんなえぐ怖アニメ初めて観た
何も救われないえぐさがいい。
沙代が出てきた時めちゃくちゃ可愛いキャラクターで身なりも他のキャラより高価な感じがしたので絶対こいつが妖怪やんって思ってたら予想の遥か上をいかれた。
想像以上に重たい内容…がラストで希望が…
ラスボスが吐き気を催すほどのクソ野郎ですが、そちらの方が人間で、まともに見える方が幽霊といういつもの構図です。
が、このクソ野郎っぷりがぶっちぎっていて、想像以上に重たい内容となっていました。
主人公の名前がミズキだったので、当然作者に重ねて見ていましたが、ラストシーンで、人間の所業から生まれた鬼太郎を育てようと決めて抱きかかえる姿が描写されたのは、なるほど!と唸りました。
ミズキが鬼太郎を殺さずに育てようとするところに、かすかな希望が仄めいて、それまでの胸糞悪さを少しだけ溶かしてくれました。
鬼太郎映画ってこんないい作品だった
絵綺麗だった鬼太郎の父の声聞いて一瞬で分かりました。無惨の声でした。中盤辺りで鬼太郎の父が奮闘している シーンであんなに強いんだなと思いました。かっこいいと思っちゃいました。
ダークな昭和史
鬼太郎については深い知識はなく、本作の評判を聞いてふらっと鑑賞。現実の戦後を絡めたダークさや主人公?とオヤジのバディ感など、確かに評判通り、普通の大人向け映画として面白く見られた。しかし鬼太郎の過去作・変遷や水木しげる先生についてもう少し知識があればもっともっと楽しめたに違いない、引き出しの多い作品。
いろいろ盛り込みながらまとまってる
色々な要素を盛り込みながら、まとまっていて面白かったです。
金田一耕助シリーズのように、戦後の地方で起きるサスペンス、オカルト要素、バトルアクション、弱者の犠牲の上での反映への批判など盛り盛りの割に2時間以内と見やすいです。
最後、水木は記憶がなかったのに、ゲゲ郎とその妻のところに行ったのはなぜなんでしょう?そこがよくわからなかったな。あとで考察サイト見回ってみます。
大人向けと子ども向けのさじ加減に少し混乱。
冒頭あたり昭和で因習村で不気味な雰囲気、作画はとても良かった!
戦争体験者の水木と、人間でない幽霊族・ゲゲ郎のバディ感も良かった。
エンディングの鬼太郎の誕生に結びつけるところも、切ないカランコロンのテーマも良かった。
…のだけど途中の派手なバトルシーンや終盤のやや過剰な悪役のリアクションで雰囲気が少し子ども向けアニメっぽくなってしまっていてもったいない!!と観終わって思ってしまった。
そう、冒頭の雰囲気や色んな良い要素が多かっただけに世界観というか、温度差に個人的モヤモヤが残った感じ。
内容もエグい部分があるわけだし、もっと大人向けに振り切って引き算な感じで描いてくれれば世界観が混乱することなく楽しめたのに…!と惜しい気持ちが大きい。
とはいえ、基本的には楽しく観た。
感想見てるとオタクの性癖に刺さる要素が多いみたいだけどそれもわかる。
イケボまみれの犬神家
犬神家+八つ墓村な世界観をベースに進む、イケボまみれの妖怪奇譚。
こういう昭和の土着の因習みたいなものが根強く残っている世界観は素敵で、画もなかなか不気味なので印象的。
冒頭の血液銀行の社長室のカットなんかは特に劇的で、実写じゃ表現できないおぞましさ。
鬼太郎が好きな人にはたまらない空気感だったんじゃないか。
ストーリーは大まかに言えば、村の因習に立ち向かう二人の奇妙な協力関係だけど、そこにヒロインが噛んできたり、謎の殺人が続いたりで、面白い要素はたくさんある。
もっとも、多くのキャラクターがなぜか主人公にだけは甘く寛容なので、彼が自由に村を動き回れる理由や価値付けが欲しかった。
あとゲゲ郎については、行動原理が一貫していて分かりやすい分、もう一捻りあっても面白かったんじゃないか。(子供向け映画と考えればこのぐらいが丁度いいと思うけど、明らかに子供向けじゃない物語も入ってるので)
ラストはまあ、皆殺しエンドなので、鬼太郎誕生の暗さがより際立つ感じで印象的。原作知らない人には少々説明不足だけど、考えれば大体分かるのでそんなに気にならず。ただ、ヒロイン死亡後の主人公の立ち直りの早さは、さすがにちょっと許容できなかったけれども…。
そんなんで、総合的には楽しめたけれど、鬼太郎というよりは横溝正史だったので、あの雰囲気が好きな人ならより面白いと思う。
ただ、映像の美しさや不気味さ以外で、何かがすごく印象に残ったかというとそうでもなく、結局はイケボまみれの犬神家を見た感覚が近かった。声優さんの演技はみんなさすがだったし、特に主演二人はばっちりハマってたと思う。
あと、露骨なメッセージ性は不要かなと思ったけれど、子供向け映画と考えるなら、あったほうがいいのかも。その点も含めて、どの層がターゲットなのか分からない作品だった。
アニメで時間をかけてやってほしかった
母がアニメ1~2期&墓場時代のファンで、私自身も幼い頃からゲゲゲの鬼太郎は身近な作品だと感じています。
SNSでの話題性が凄く、2次創作もかなりの数出ており物凄く期待値が高かった中で、友人に誘われて鑑賞しました。
特典とパンフレットが売り切れとのことで(鑑賞した日の午後に特典増刷と聞き崩れ落ちました笑)残念に思いつつも、エヴァQのキャラデザ担当の方が今作のキャラデザをしていたのもあり、ビジュアルの良いバディの様々な面が見られるのを楽しみにしていました。
冒頭からアニメ6期の鬼太郎と猫娘、それを追う廃刊寸前の雑誌記者が出てきて、目玉おやじが謎の島を見ながら懐古する形でストーリーが進みます。
昭和の高度経済成長期に差し掛かった辺りの日本で、血液銀行勤めの水木が秘薬の謎を探りに来た因習蔓延る村が本作の舞台となります。
…ここだけでもかなりよくあるミステリー物の印象が強いです。
この後、水木は移動の列車内で出会った謎の白髪の男(=ゲゲ郎)と村で再開し、村の異常さと妖怪の存在を余すことなく知り、双方の利害が一致しバディを組んで本作の怪奇や黒幕に対峙する…のですが、序盤から最後までかなり色々な場面の説明が端折られて展開が急なところが多く、どこに感情を置けばいいのか迷子になりました。
(劇場パンフレットや特典の内容を見ることができていれば、もう少し展開に納得できていたのかもしれません)
悪そうな見た目の人間はみんなバタバタ退場していき、作中唯一の美女もぶっ壊れて退場します。
ゲゲ郎は(他の方もレビューに書いていましたが)中級ボスまでは難なくあしらうのですが、パワーアップした狂骨となると手に負えないらしく軽やかにやられます。
水木は感情が不安定で、(元々の人を軽んじる性格は置いておいても)物凄く苦しんだり立ち直れないほど悲しんだかと思えば次のシーンではもう立ち直ります。
モブはもちろん重要人物も女子ども関係無しに皆退場するので、(本作はハッピーエンドという感想が多いですが)個人的にはハピエンでもバトエンでもないかなと感じました。
特に残念な点を上げるとすると(全体的なストーリーの端折りすぎな所は勿論なのですが)、終盤の黒幕の風貌と、桜の泉の淵で倒れた水木の後方で黒幕と話すゲゲ郎のシーンは、対比がどこかギャグ物を見ている風に感じてシリアスなシーンなのに話が入ってこなかったです…
ゲゲ郎がご先祖パワーに圧倒されるシーンも、(勿論ご都合主義なのは念頭に置いても)一歩間違えると展開に置いて行かれているように見えてシュールでした。
全体的なストーリーは金田一耕助シリーズをベースに、退場シーンは地獄少女を加え、そこにゲゲゲの鬼太郎要素で蓋をして、呪術廻戦とFateでアクションする感じでした。
水木しげる先生の生誕100周年の記念制作なので仕方のないことですが、もし放映時期が呪術0よりも前であればチラつかなかったんだろうなぁと…
2次創作の盛り上がり通りビジュアルと声優、それを取り巻く因習村という設定は確かにとっつきやすく、それ目的で観る場合は期待通りだと思います。
ただ、一部の過剰な盛り上がり方とは違い、そこまで(というより話題になるような箇所以外には)サービス(?)カット等があるわけではないので、初見時は期待値を上げないほうが楽しめると思います。
SNSでおすすめされているような過去関連回を履修してから…というのもそこまで気にしなくて大丈夫です。むしろ鬼太郎を知らない方は本作を見てからおすすめ回を見る方が整理がつくと思います。
ねずみ男は終始お調子者で安定しているので今作の最重要癒し枠です。出てくれてありがとう…
シナリオ面はありきたり設定に落とし込んでしまっているので、これをもっと丁寧にもう少し尺をかければきっと面白かっただろうな〜と惜しいものを見た気分でいっぱいです。アニメで時間をもう少しかける等してやってほしかった…
鬼太郎誕生という題名通り、エンドロール中〜後に鬼太郎が誕生したところで物語の99%が終わります。冒頭の記者が残り1%です。
あのタイミングで終劇→劇場が明るくなるとは思わず、少しびっくりしました笑
映像の綺麗さや、ゲゲ郎や味方する妖怪たちの惹かれるキャラクター性はとても良く、そして今作の勢いで鬼太郎関連の盛り上がりは勿論、深大寺の鬼太郎茶屋も物凄い盛り上がりを見せており、元々鬼太郎が好きだったので年末に盛況ぶりを感じられてそこも良かったです。
私も久々に深大寺に行きたくなりました。
佐平翁ならぬ、時貞翁
墓場鬼太郎の内容を含んだ映画ということで見に行ったら、めちゃくちゃ横溝正史的な世界に描かれていて、笑ってしまった。
当主の死後、弁護士らしき男が遺言書を読み上げるシーンなんて、まさに犬神家の一族そのもの。
舞台になっている村も湖があったり、屋敷もそれとなく犬神チックというw
さらに、近親○○的な要素も、横溝正史が描いた田舎の閉鎖的世界そのもの。
でも、その中に、確実に妖怪というものが絡んでいて、そこは確実に鬼太郎の世界だった。
ただ、作画のパースやカットの繋がりなど、微妙なとこもあったので、その辺はいただけなかったので、ちょっと低めの点数になってしまいました。
エンディングに原作の話を持ってくるのはいいけど、最後に原作の話をそのまま持ってきても、本編の話と繋がっていないので、違和感が出てくるのも、マイナス要素にしました。
水木と目玉の親父のバディは発明
水木と目玉の親父のバディは発明だと思いました。特に作者本人からディティールを頂戴した水木の薄暗いリアリティと好漢ぶりは、この映画を支えていると言っても過言ではありません
演出、カットも冴えており、観客を画面に集中させる事が出来ています。しかし中盤以降、因習村の解決編があまりにも力業で興を削いでしまったのと、水木が活躍しているとは言い難い(おおむね超常の力で解決されてしまう)のが気になりました。因習村が神秘のベールに包まれている間は面白かったですね
またリアリティラインや演出の温度感の不統一が気になります。「墓場鬼太郎と日朝鬼太郎の両取り」を目指してどっちつかずになったような感じです。ホラー演出が効果的だったのも主に中盤まで、ストーリーが日曜の朝番組テイストになってからはいつもの鬼太郎です。お話の上では特に重要ではありませんでしたが、8等身の猫娘は(その存在を知っていたにも関わらず)登場する度に笑ってしまいました
【※長文愚痴】圧巻の映像美と声優の演技、そしてチープなテーマと悪役にお説教
大前提として、私はもともと『妖怪がひたすら被害者という立場を通して現代人の物質主義やエゴに物申す』というスタンスの鬼太郎アニメがそこまで好きではないタイプの子どもでした。今でも鬼太郎ほとんど興味ない人間です。
が、あまりにも評判がいいのと、PV映像がめちゃくちゃカッコいいので面白そうと思って見に行きました。
PVどおり映像はホントよかったです。特に莫大な手間とお金かけたであろうアクションシーンは圧巻の一言だし、声優さんも素晴らしい。一番好きだったのは沙代を演じた声優さん、可愛らしい声だけど今時の萌え系アニメのアイドル声優とは厚みが違うなあと感じました。
ただ、ストーリーのほうは…、PG12と言うことで、もう少し大人の鑑賞にも耐えうる深みや骨太さがあるのかと思いましたが、結局悪くて醜いのは全部人間なんです、人外の存在はあくまで被害者なんです!っていう、もう鬼太郎じゃなくても百万遍は見た食傷気味のパターンで、アニメとか漫画見なくなって久しかったけどマジで今でもコレやっちゃうのか、とちょっと鼻白むくらいでした。
この手の批判や説教はテレビアニメの鬼太郎の中でも子どもの頃何度も見せられたものですが、じゃあふわふわな感情論以外で、具体的にどうすんの?っていう答えは一度も見た覚えがないんですよね…出てたら教えて下さい。ただダメだエゴだと批判と精神論的な解決案繰り返すだけなら子どもでも出来ると思うので。
そして色んな創作物で腐るほど見たやつ、巨悪の象徴にして世界でも類を見ない圧倒的謎技術を誇る旧日本軍。そいつらがヤバいお薬作って、それで生産したジャンキーを駒に、日清日露戦争を勝っちゃってます。チョロい戦争ですね。
横溝でも確かそんな話ありましたが、たかがジャンキー使った程度で強国に勝てちゃいました、その後の世界大戦もいいとこまで行けちゃいましたとか、そんなガバガバでボロボロなツッコミどころしかないネタ昭和ならともかく、この令和でも真面目に大々的にやってるのがまず驚きです。猫娘とかめちゃくちゃ今風に寄せてるのに、そういう穴だらけのとこは一切アップデートしないんだ…
しかも敗戦直後の急激な復興もそのおクスリの影響とかいう、当時の過酷な状況下で働き抜いたであろう人々への冒涜とも取れる描写は、真面目に閉口しました。
とにかくそのへんの全ては戦争(というか日本政府と旧日本軍)が悪なんです!と言いたいがための設定なので、薄いし、説得力なんてないと感じます。
戦争批判の部分なんて、何か軍隊時代の水木の上官が『玉砕って言っちゃったから俺以外は玉砕しなきゃだし…』みたいな信じられないアホだったり、壮絶な後輩イビリする先輩がいて、それらをして水木は「俺は戦争の理不尽さ悲惨さを知ったんだ!」みたいな感じにもなってますが。確かに上司ガチャハズレは理不尽だしご愁傷様としか。でもガチャに外れたのも上司がアホなのも戦争とは別の理不尽さだと思う…いじめ問題も別に軍隊や戦時下に限った話でも全然ないし。その辺の問題を戦争と完全に混同しているのがかなりチグハグに思えます。やり尽くされて来た語り口ではありますが。
あと「戦争は全部それを煽って食い物にしてる黒幕の仕業で、一企業の勤め人だけど俺そういうの全部見えてるし分かってます!」みたいにもなってる。
それを、何か説得力のある具体的なエピソードで魅せてくれるわけでもなく、ほぼ全部セリフでズラズラ言ってるだけなので余計に寒いし薄っぺらいです。
そして戦争の悲惨さを訴える割に、日本側の醜悪さだけはギャグレベルにまで誇張して執拗に描くくせに、爆薬ぶっ放して人間粉々にしてくる敵の事には一切触れないし見えてこないの何なんですかね…それこそ幽霊や妖怪じみてるんですが
アクションはとにかく素晴らしいですが、それを向ける悪の存在が、ガバガバ設定の旧日本軍や巨大企業に象徴される、単純かつ申し訳ないですが幼稚で古臭い二元論や戦争観を下敷きにしたものなのでシラけました。
戦争云々置いといても、悪役は全部自分の悪事ベラベラ喋って調子乗る系だし、これで人間のエゴや醜さが描かれてますって言うなら、それ水戸黄門見て人間の複雑さが描かれてる!って言うようなもんでは…
小学生くらいまでならエンターテイメントとしてアリでも、PG12…一応大人も見るものでこの悪役、この悪の描かれ方はない…。
最後はお約束の、「豊かになっても相変わらず人の心は貧しい」みたいなお説教で締めくくってますが。そういうお説教を贅を尽くした劇場用アニメーションで流せて、それに対して10億単位の金を現代の観客が落とせるのも、あの戦争を戦い抜き、そして戦後身を粉にして働き復興してきた名も無い人々がいればこそで。そこに何の感謝もなく、ただ上から目線で愚かだった、身勝手だったとしか言えない、感じられないのなら、確かに心は貧しいかもねと思いました。
そういう意味では、メッセージ性が強く心に残る映画ではあります。
人を選ぶ作品。自分は選ばれなかった側らしい。
序盤から中盤にかけては金田一耕助のトリックと謎解きを、妖怪ホラーとアクションに置き換えましたという感じ
それはそれで悪くはないと思うけど、「これこそ水木ワールド」と言われると首をかしげてしまう
全体的に妖怪ではなく生きた人間の愛憎劇が中心に据えられていて、妖怪要素がほとんど舞台装置扱いになっているからだろうか
どっちかというと横溝正史感が強い
物語中盤の対人アクションが秀逸だったために終盤に差し掛かって以降の、妖怪が本格的に動くようになってからのアクション部分が大雑把に見えてしまうのもモヤモヤポイント
一番致命的だったのは主人公の心理を追えなかったこと
世間ズレしている風を醸し出している割に沙代やゲゲ郎に入れ込むようになる過程が曖昧で、ひねくれてるのかチョロいのか分からない
ヒロインの悲劇に慟哭したかと思えば次のシーンでは「それはそれとして」みたいにむくっと起き上がってくるから、それはどういう感情なの……って混乱してしまって感情移入できない
そういった「場面作り」ありきで、場面に合わせてキャラクターが動かされているような不連続性が終始目の端に引っかかってしまって、自分には没入感を得ることができなかった
背景美術の美麗さや中盤での対人アクションは大変秀逸だったように思うのでその分の星はつけておくけれども、たぶん自分にはこの作品を楽しめる素地がなかったのだと思う
全162件中、61~80件目を表示