「僕はどこにいる?思い出せないのに、なんでこんなに悲しいんだ?」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
僕はどこにいる?思い出せないのに、なんでこんなに悲しいんだ?
鬼太郎の生まれるときの、目玉のオヤジの物語。
てか、漫画ですでに、目玉のオヤジがその姿になってしまう経緯が描かれたものはあって、それとはちょっとスジが違っている。生まれてくる鬼太郎への愛はどちらも同等にあるが、映画の中のオヤジ(まだ鬼太郎は生まれてきていないので、ゲゲ太郎と呼ばれているが)は随分とニヒルで義侠心が強い。おまけに、記者水木とのバディ感がいい。たしかにこれは支持されるなと思った。
なによりも、霊的なものへのリスペクトを感じた。怖いだけじゃなくて、畏れ敬うものである存在への。やはり彼らは願うのだろうな、忘れないで、と。唯物主義中心の近現代、幽霊や妖怪を、まやかしだ嘘だと片づけてしまっているが、自分の先祖を含めた異界へのリスペクトは、持つべきだよな。そう改めて思わせる映画。
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