「大人向けのゲゲゲ」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 ミーさんの映画レビュー(感想・評価)
大人向けのゲゲゲ
まず、こんな作品を作ってくださった制作スタッフの方々に感謝します。本当に映像が美しく、ストーリー共に魅入られました。
日本のアニメはやはり素晴らしい。
本作、ゲゲゲは大人向けに仕上がっていると思う。小さなお子様と一緒にと考えておられた親御さまには不評かもしれない。
冒頭から、最初思い出したのが「犬神家の一族」をはじめとする横溝正史の世界観だった。
気味悪いトンネルに、福岡県の心霊スポット
である旧犬鳴トンネルを思い出した。
そしてやはり胸糞悪い輩が、世界が登場するのは想像に難くない。まさに生きてる人間が一番怖い。私も人間ではあるが。
しかし、それを凌駕するのが、ゲゲ郎の真摯な愛だ。水木とのバディだ。
ゲゲ郎を演じるのが、映画館の宣伝で声を聴いて関俊彦さんと知ったときから、もともと観に行く予定だったが、更に楽しみだった。
最近では「鬼滅」の鬼舞辻無惨を演じておられるが、「YAWARA!」の松田記者や「仮面ライダー電王」のモモタロスみたいな熱血キャラから冷血な役まで幅広い声優さんだ。
静かな穏やかな、けれど燃えるような愛を持ったゲゲ郎を俊彦さんは見事に演じておられた。
関俊彦さん、素晴らしかった!!!
私の涙腺は、ゲゲ郎が妻を探すところあたりから崩壊してしまったのはいうまでもない。
「俺の相棒」のセリフで、鼻水と涙がダラダラになった。
ゲゲ郎と妻がもう一度一緒に暮らせなかったのが
本当に悔しくて切なくて。
目玉親父が鬼太郎と一緒にラストに出てきたのがちょっとだけほっこりさせてくれた。
親父はもうお茶碗風呂で、ゆっくり幸せに鬼太郎と過ごしてほしい。
鬼太郎は、親父を守り、時に人間に反吐が出そうになるかもしれないが、悪い妖怪とも戦って、
チャンチャンコ柄の蒲鉾にならないように頑張ってもらいたい。
幸せな明日を、未来を我が子に生きてほしくて戦ったゲゲ郎。
水木しげる先生が生きておられたら、今の世界の紛争をどう思っておられるだろうと思う。
もう一回は足を運んで、若き日の親父に会いに行きたいと思う。