劇場公開日 2023年11月17日

「ああ、なんて愚かな」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ああ、なんて愚かな

2023年11月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

いやぁ、喰らったなぁ...。「ゲゲゲの鬼太郎」は昔少し見たことがあるくらいで、つい最近まで放送されていた新作アニメは全くもって知らず知識は無いに等しいのだけど、自分でも驚くほどハマってしまった。話はシンプルなのに、なんでこんなにも面白いんだろう。世界観とビジュアルに酔いしれ、気づいたら虜になっている。ぐぬぬ、これはやられた...。

こんなにも作画神がかっていたっけ。
かつての目玉親父、鬼太郎の父ことゲゲロウがカッコよすぎる。本気で惚れた。関さんの話し方といい、冷静で不気味な佇まいといい、目玉親父からは想像もできないセクシーなキャラでとにかく魅力的だった。日本が世界に誇れるアニメは沢山あるけど、アクションにおいて本作に勝るものは何一つないとそう言っていいと思う。それくらい、本作のアクションシーンは凄まじく、手に汗握るほど大興奮してしまった。もしかしたら、この世で1番好きな絵のタッチかもしれない。

ストーリーはまんま犬神家の一族。
つい最近公開され、未だに興行収入を伸ばし続けている「ミステリと言う勿れ」とほぼ同様。幾度となく描かれてきた、結局1番怖いのは人間だ、という不動のテーマ。本作はそのありがちなストーリーに真っ向勝負を仕掛け、ホラー要素も十分に持ち合わせながら、鬼太郎誕生の物語・エピソード0として見事な形で描ききった傑作だ。主人公を水木という名にし、(恐らく)作者が体験した出来事を語っているような作風であることも、また興味がそそられる。生誕100周年を記念して、この話を制作するのも相当なセンスのお持ちで。こりゃ1本やられました。

妖怪が沢山出てくるわけでも無いし、エピソード0だから鬼太郎の出演シーンもほぼない。設定は一緒だけど、何から何までまるっきり違う。なのに、前のめりになっちゃうほど見入ってしまう。初代アニメが放送されていたのなんて相当前なのに、未だに新作アニメが作られる本シリーズ。ゲゲゲの鬼太郎が持つポテンシャルの高さに驚かされると同時に、また1人、鬼太郎ファンが増えてしまいました。こりゃもう1回見るの確定だな...。

サプライズ