劇場公開日 2023年11月17日

「横溝正史の小説を彷彿」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5横溝正史の小説を彷彿

2023年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ゲゲ鬼太と言えば、昭和の頃をチャンガチャンガ生きて来た各位にはお馴染みの人気漫画作品で、アニメも何期と続いて長年親しまれてきました。自分もそのチャンガチャンガ生きてた部類ですので、それなりに過去作の記憶はありますが、猫娘が今風のキャラになった以降のゲゲゲは全くの未視聴です。

付いて行けるかなと思いましたが、内容は昨今のゲゲゲを知らずとも昭和のゲゲゲを知っていれば、或いはシリーズのどの時代でもつまみ食い程度に知っていれば充分理解できます。もっともPG12と言う訳で、子供達にあまり良い影響を与えなさげなシーンもあったりして、TVシリーズ以上のグロはチョロっとあります。あと胸糞が1つ2つ。。。

★は3.5としましたがかなり厳しい評価です。マァ3.75〜3.8くらい?その一番のマイナス理由は『既視感』にあります。
ソレを1つづつ指摘するとネタバレになるので止めますが、表題の表現でお察しいただければ。要は奇々怪々な事件も蓋を開ければ人間の仕業だったのが金田一耕助シリーズ、そこに実際に妖怪や幽霊が介在してるのがゲゲゲという感じでしょうか。

キャラデザインには賛否ある様ですが個人的には全く問題はありませんでしたし、中の人も良好、そしてストーリーも胸糞からの龍賀一族の末路・報われなかった孫娘に至っても、あんなカンジで正解かなと思いました。そう言えば自分も何かを期待して東京にホイホイ出たものの、何も掴めず残せず近年とうとう都堕ちしたもので。東京タワーなんぞ大したモンじゃありませんでしたしね。
ただ太平洋戦争で付き物の旧日本兵のカス描写は、当時の日本兵が徹頭徹尾あんな感じだったと今の人達に誤解されそうなのがチョッと心配かなと。

他には、ヒ◯◯ンまがいの薬物についての種明かしが、チョッと唐突な気がしなくもありません。もうちょっと間にいくつか描写を挟んで伏線を踏ませて引っ張った方が良いのでは?とも思いましたが、尺の都合もあったのでしょうか。
もうひとつ、ラスボスがイヤに小者描写だったのが気になりました。色んな擦った揉んだであの展開になった訳ですが、まァロリ狒々爺ィなんて小者以外の何物でもないのでアレで良いと言えなくもないですが。ならばせめて長田幻治がもうチョッとしぶとければ‥‥

そんな訳で全体的には良作だと思いますが、個人的には後もう一つ何かが欲しい感じの残る惜しい作品だったと思います。

【11月25日追記】何か物足りない、てのの幾つかが判明しました。まず実の父親が元々の姿から目玉オバケになってしまった経緯を具体的に表現した方が良かった?(実際に描写ありましたっけ?記憶にないw)もう一つは、全体をもっとオドロオドロしく、難なら気色の悪い描写にしても良かったかも知れません。昭和期のアニメはワリとエグかった印象なので‥‥

Geso_de_Nyoro