「誰かかっこいいタイトルを付けてあげて!な一作。」ウィズアウト・リモース yuiさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かかっこいいタイトルを付けてあげて!な一作。
殺しも厭わないけど家族も大事、という頼れる男、マイケル・B・ジョーダンのアクションを堪能するという面では、実に安定した作品。クリアで入念な音響のお陰で、銃撃戦の迫力も十分。一方で敵役も彼らが巡らせる陰謀も、どっかで見たことがあるような気がして少し新鮮さに欠けるけど、「そこはトム・クランシーだし!」で押し切っちゃってます。捉えようによっては大義のために個人を犠牲にするという、大国主義的な価値観を主人公が肯定しているように見えるので、そこにモヤる人もいるかも。
最終盤の展開で、「ジャック・ライアン」シリーズへの繋がりを見せており、本作自体がスピンオフ作品であるにもかかわらず、今後いくらでもジョーダン版ジョン・クラークシリーズが作れそうな予感。
サスペンス・アクション映画として十分な内容なのに、邦題は内容がつかみにくく、それが理由で鑑賞を敬遠する人がいるなら実にもったいですね(原題通りなんだけど)。ただ本作自体が、元々のジョン・クラークの複雑な人間性を大幅に省略して、復讐に燃える男という描写に割り切っているという、ちょっとB級映画的な香りがあるので、まぁ仕方ないかな。原作の『容赦なく』が映画タイトルとして地味なんであれば、『俺は手加減しないぜ!』とかの候補が…、やっぱダメか…。
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