「トム・クランシー詐欺」ウィズアウト・リモース odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
トム・クランシー詐欺
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タイトルのWithout Remorseは「情け容赦無し」ということしょうか。見どころはマイケル・B・ジョーダンと戦闘シーンの迫力でしょう。
トム・クランシーのウィズアウト・リモースとあるが原作と同じなのは主人公の名前くらいで全く別の創作物でした。もっとも、原作はベトナム戦争の時代背景なので脚本は書き直さざるを得なかったのでしょう、任された脚本のテイラー・シェリダンはテレビ俳優時代の説明過剰なセリフ回しにアレルギーをもっていたので全てが端的です、ただ陰謀を絡めたサスペンスではネタが尽きていますのでせめて伏線の張り方など一工夫はしてほしかった。
シリアでの人質救出作戦でロシアの傭兵を殺したネービーシールズの隊員が帰国後次々に襲撃されロシアの報復テロと判明、復讐にロシアに乗り込むが待っていたのは罠だった。ターゲットが自爆するのも意味不明。
こんな小競り合い程度で米ソが開戦するほど馬鹿ではないのは誰の目にも明らか。また陰謀の言い訳が軍需産業の陰をちらつかせながら国を纏めるには大敵が必要というのも一面真理ですが今どきカビの生えた話。
身重の妻を殺された兵士のリベンジアクションだけではスケール不足と思ったのでしょう、とってつけたような国家陰謀論を無理やり被せた感じです。さんざんCIAを疑わせる演出で唐突に黒幕暴露も端折りすぎ。エンドロールで主人公がクラークに名前をかえてCIAに加わるところだけは原作との辻褄あわせ。
せっかくマイケル・B・ジョーダンを起用して硬派な戦闘アクション満載なのに土台のプロットが安直だと嘘くさい作り話になってしまう残念な典型例に思えました・・。
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