「惜しい作品」ウィズアウト・リモース ヒックス伍長さんの映画レビュー(感想・評価)
惜しい作品
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監督にステファノ・ソッリマ、脚本にテイラー・シェリダンと言えば、名作「ボーダーライン:ソルジャーズデイ」が記憶に新しいが、そのコンビが手掛ける作品の主演がマイケル・B・ジョーダンで、しかも特殊部隊物とくれば期待せずにはいられないはず。
現在トム・クランシーということで、一定のクオリティは保証されたようなものだったはずだが、結論から言えば非常に物足らなさを感じる、実に惜しい作品だだと思う。
どうやら、特殊部隊員の復讐劇はプロットによほどのどんでん返しを盛り込まないと、展開が読めてしまうという難点があり、国家の陰謀物もだいぶ飽きられつつある気がする。
また、そもそも国家の陰謀のわりに登場人物が少な過ぎる点や、肝心の銃撃戦や戦闘シーンも室内が多いため、こじんまりした印象を受ける。
反対に水中でのシーンなどこだわっている場面もあるが、全体的に低予算の感じは否めない。
妻を殺された特殊部隊員のジョーダンが、怒りに任せて敵のロシア人関係者を倒す、というのが作品の推進力のはずなんだが、当の本人は簡単に捕まるし、見つけた妻殺しの犯人は自爆して死ぬし、最後に黒幕を捕まえても、「まあ、だと思ってました」みたいなオチなのであまりにもカタルシスがないのが本作の問題点だと思う。
実にもったいない。
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