劇場公開日 2021年6月25日

  • 予告編を見る

「中国に配慮しないといけない時代」王の願い ハングルの始まり kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0中国に配慮しないといけない時代

2021年7月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

本作の舞台は世宗大王の時代の朝鮮。「世宗大王 星を追う者たち」という映画では天体観測器や暦を作って、中国からの圧力に怯えた臣下の反感を買う流れだったが、本作では独自の文字を作ろうとして臣下の反感を買う。中国に怯える臣下に気をつかって大変だったんだね、世宗は。
ハングルについては子音と母音の組み合わせでできているということ、そしてその読み方について一通りの知識はあった。でもそんな程度でも十分に楽しめた。音に合わせて文字を考えていく過程、様々な形を書き出し候補とする中、あーこれになっていくのねとか、そこに棒を加えることで文字が成立した!とかの楽しみは味わえた。
文字を作ろうと努力する困難だけでなく、王と僧、王と后、弟子の僧と侍女といった人間関係もうまく描けていて全体としての印象は悪くない。ただし、終わり方はあっさりしているので大きな感動とはならなかったのは残念。文字は作るだけでなく普及させないと意味がない。その困難さについてもう少し説明があっても良かった気がする。

kenshuchu