劇場公開日 2021年6月25日

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「新しい文字を生み出す過程の困難と情熱」王の願い ハングルの始まり Mikotanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新しい文字を生み出す過程の困難と情熱

2021年6月26日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

反対勢力に苦しめられながらもあきらめず、それまでにない新しい文字、ハングルを完成させた世宗大王。その王をソンガンホが演じるとあって、これは観ねばと思ったのがきっかけだったが、それ以上に見ごたえがあり素晴らしかった。

身を削りながらも、民にも分かりやすい文字を創りたい、もっと誰もが知識を得られる世の中にしたい、という王の熱い想いが、この新しい文字ハングルを生み出せたのだということを、この映画の王と僧侶たち、家臣や儒学者との関係性を通じて知ることができ、とても感慨深かった。

特に王と共に力を尽くした海印寺(ヘインサ)の僧侶たちや、王の意思を汲みとって陰ながら文字創造を支える王妃が心に残る。

本編とは違うところでも、お付きの女官と若い僧侶とのやり取りも微笑ましく楽しめた。

映像も美しく落ち着いた色調で、壮大な歴史を感じさせてくれる。撮影の舞台となった浮石寺(フソクサ)は映画のことを知らなかった2年前に一度訪れているが、この映画を観てまた新たな気持ちで行ってみたいと思った。

Mikotan