ブラックボックス 音声分析捜査のレビュー・感想・評価
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展開と描写がスリリングで面白かったけどね
主人公の並外れた聴覚で事件を解決する話…のはずが、その能力が原因で捜査は迷走する。結局、隠蔽された原本が出てきて解決するのだが、原本を開ける時、司法当局が立ち会って無かったっけ?隠蔽や改竄ができるのかな。
友人のセキュリティー会社が最終的に悪者になってたけど、航空機メーカー、審査機関それぞれ悪いよな、というところが曖昧だった。
それにしても、スキャンダルを起こす側に描かれた航空業界の協力を取り付けて、映画を完成出来たのは凄い。日本だとスポンサーを敵に回す内容は作れないのかな…「警察の闇」みたいなのばっかりで食傷気味。
音にフォーカスした緊迫感ある画作りと、主人公の厄介な人間関係に加え、精神の不安定さも相まって終始スリリングに鑑賞することができた。過去の失敗と役に立たないジャーナリストは蛇足だったかな、描くならも少し突っ込んだ設定が欲しかった。あと主人公は几帳面で内向的っぽいのにやたら行動力があって…正義感で片付けるには無理があるかな。
"なんとも焦(じれ)ったい…"な映画
航空機墜落事故にまつわる汚職事件を題材としたサスペンス作品。ブラック・ボックスに残された音声を、"音声分析官"が解析し、事故の原因を解明しようと奔走します。
どうせドンデン返しがあるのだろうと思って見ているのですが、なかなか真相へと到達しません(笑)…2時間程度の映画なんですが、観ていて途中で息切れするかと思いました(笑)
自分を信じて真相解明へと突き進む音声分析官の主人公なんですが、人の信頼やら嫁やら、人生で大切なものをこれでもかと失います…そして、あのラストは…正にborn to be…なんちゃらを地で行くような人生でございました(笑)
まぁ、なにかと焦ったい展開の多い作品なんですが、最後は、こんな事で飛行機って落ちるんだと…飛行機嫌いの方にとっては、心臓に悪い作品でした(笑)
サスペンス好きな方には、この冬、見逃せない作品だと思います…オススメ!笑
ハリウッド映画と違いエンタメ性は少なめ
勝手にワンシュチュエーション映画と思っていたが、違いました。
というわけなので音にまつわる話かと思いきや、そんなにそこは深掘りするわけではなく、話は進んでいきます。
おおまかなストーリーは分かりますが、なんか細かいところが雑だがなんだかよく分からないとこらがしばしば………。
オチも弱くてなんか肩透かしでした。
シャンテでのマニアック公開で十分ですな。
ハラハラドキドキして観てた
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落し、乗客乗務員316人全員が死亡した。事故機のフライトレコーダー、(ブラックボックス)を開いた航空事故調査局の音声分析官ポロックが、調査中に行方不明になった。ポロックの調査を引き継がされたマチューは、コックピットに男が侵入した、と記者会見でテロの可能性が高い事を発表し、乗客にイスラム過激派と思われる男がいたことが判明したことで、マチューの分析は高く評価された。ポロックに代わる責任者としてさらなる調査を続けるマチューは、被害者の一人が夫に残した事故直前の留守電を聞いた。しかし、その音がブラックボックスに残された音と時間差がある事が判りマチューは裏に隠されてた事実に気づき・・・という話。
あまり観ないタイプの話でずっとドキドキしながら観てた。
こういう便宜を図る事というのは事の重大さはともかく、多かれ少なかれ有るんだろうなと思う。ブラックボックスの分析というあまり題材として取り上げられないテーマで勉強になった。
いい感じで進んでいたのに
2022年劇場鑑賞24本目。
政治的な暗喩でブラックボックスっていっているのかと思ったら本当に飛行機で使われているブラックボックスの音声記録から事故の真実を暴くという内容でした。
本当に小さな音や日時の違いに気づいて、妨害にも負けず真実に向かっていくのは面白かったのに、なんで最後あんな急展開のやっつけラストになったのか残念です。
やや人を選ぶが今週では対抗作には入りそう。
今年23本目(合計296本目/今月23本目)。
多くの方が書かれている通り「ブラックボックス」の原題「Boite noire」はダブルネーミングではないかな…と思います。
最初こそ飛行機事項が起きてその音声分析がどうこうという話がメインですが、後半はうってかわって「そもそも今解析しているデータそのものが正しくない(=本物ではない)のでは?」という展開になります。
最初に「あぁ、この人犯人かなぁ…」と思っても実はそれはハズレで、後半60%か70%くらいまで見ないとわからないし、仮に「犯人」が誰かということがわかっても、「どうやって仕組んだのか」という「How」の部分(すなわち、Whoの部分とHowの部分)を両方揃えられるのはかなりの後半、残り10分くらいじゃないかなと思います。
専門用語は少なめですが「シルクロード~」とは別の意味で物理などの知識をこっそり要求する(あれば有利程度、の扱い)ところがあります。また、「答え合わせ」の「答え」となる部分に先に気がつくかどうかは、まさかこういう職業の方って日本にもいるとは思うのですが超マイナーかと思うところ、ある程度、理学部よりも工学部系の知識が要求されるんじゃないかな…と思います。
多くの方が書かれている通り、評価はうーん、難しいですね。その問題点って結局「主人が短気過ぎる」とかというところだと思うのですが、それはそれでひとつあるとしても、このような「特異な職業」では起こりうる話だし、誰かを殴ったりはしませんので(アクションシーンなるものは大半存在しない。せいぜい、カーチェイスくらい)、そこはあまり心配はないところです。
日本では実際に過去に大きな事故を経験しているからこそ、航空機の安全ということは今では厳しすぎるほど確保されていますが(そして、島国である日本ではこれを各国にも求めていかないと、外に出ることも怖くてできない)、日本で同じような出来事が(=この事件の「真事情」というもの)起きないことを祈るばかりです。
※ 広い意味ではIT技術にも属しますが、IT技術の中でも、車や航空機のプログラミングやセキュリティというのは、「パソコンのパワーを無制限に使える」一般的な議論と異なり、「その車や飛行機に搭載されている最低限のシステムの上に載せていく」という特異な分野です(組込みシステム、といったりする)。
採点は、下記がきになったところです。
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(減点0.3) この映画はフランス映画です。よって話されているのもフランス語だし、解析しているパソコンなども大半はフランス語で出ます(コマンドなども)。一方でごく一部だけですが英語を話しているところもあります。
問題はこのフランス語の部分で、やはり特に端末の表記や各種の機械のラベル等の表記で訳しきれていないところがあります。普通であれば、「ある程度想定がつく」範囲なので減点対象幅も0.2(これのみでは4.5にならない)なのですが、「身近な題材ではない」ということは確実に言えるので(日本でも飛行機の中の公開なんていうのは、年に数回くらいしかやっていないし、ましてこのご時世なので、大半中止されていそう)、そこは0.1加算しました。とはいえ、ストーリーが丁寧なので「何がどうであろうがあまり関係なし」です(英語の知識があればかなり有利です。結局、上記に書いたようにシステム等、汎用的に「どの国でも使われうるもの」は、英語だからで、実際に英語のコマンドを叩いているシーンもあります。
(減点なし/他事考慮) あの…。大阪ステーションシネマさん…。いや、そりゃ、誰が見ようと自由だと思うけど、朝の10時からビール買って入られた方、もう中では寝言は言うし、突然謎の発言をするし、前の座席はキックするし、もうどうにもならなかったです…(多少の声程度は許容しますが、この映画は本質的に「音」がメインになるので)。
しかも、座席が取られていない(一応、全席解放ですが、みんな気を使って1マス開けるようにしているに過ぎない)からといって、大量の私物を開いた席(=私の左側)に置いたり、そこからレモンケーキか何かの匂いがしたりとか…。
ちょっと映画館側もノーマナー観客対応をちゃんとして欲しいところです。
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操縦席の会話などはクラウド上に保存すればいいのに・・・雲の上だけに。
このタイトルのブラックボックス(boite noire)が本来の意味と、もう一つの闇の部分を持っているに違いない。それだけ優れたサスペンス。一般人には計り知れない謎の部分を秘めているのも勉強になった。
先輩分析官のポロックと若い分析官のマチューとのやり取りで始まる序盤から緊張感が高まってくる。コンピュータで波形の一部を切り取ったり、周波数の違いを人間の耳で判断する特殊な能力。50Hzの違いがわかるのか?とか・・・でもピアノの調律師はもっと繊細だけどね。この分析官は純粋な特定音を見つけるために無駄なノイズを除去するのがメインなのだ。
気になってしまったのはエンジンを切ってあっても撮影しているドラレコ。ポロックの車に傷つけちゃったのが解明の糸口とはなるんだけど、いつかは常時撮影のものを取り付けたいな~などと思った次第です。あとはGPSの精巧さと疑ってかかるという根性ですね。
主人公の性格がおとなしいもんだからストーリーも淡々と進む感じはあったけど、綺麗な妻との愛が壊れるんじゃないかとヒヤヒヤさせられた。航空大学校には様々なスペシャリストを養成する部門があることも勉強になりましたよ。みんなパイロットになりたかったのね・・・
航空事故調査が好きな方には
あまり向いていないかな。
見えていなかったこと、聞こえてたのに気づかなかったこと、に気づくとかいう話ではないので、航空事故調査のすごいところがなんかなく………
事故原因も荒唐無稽もいいとこなので、わたしはがっかりしました。
ただ、もちろん人によるとは思います。
追記
事故原因そのものというよりは、描写があんまりだったのでがっかりしました、というふうに変更しておきます。
ハッキングに使われたPCがああいうふうに壊れる理由をずっと考えていますがいまだに理解できないで悩んでいます。たまたまあのタイミングでああいうふうに壊れた、がいちばんありそうな話なんですが。
良質なミステリー
飛行機事故の真相を限られた証拠から辿る本作は、ブラックボックスに残されたボイスデータの解析という地味な調査手法がメインなので絵的な華やかさがほとんど無いにも関わらず、主人公のプロフェッショナルさや先の読めない展開にドキドキしながら観ることができました。
僅かな証拠や痕跡から真実が明らかになっていくミステリー要素がしっかりしているので、ミステリー好きには楽しめる作品だと思いますし、暴走気味ではあるけれど繊細な仕事ぶりの主人公には好感が持てます。
全体的には楽しめたのですが、音声解析シーンで何度も何度も同じボイスデータを流したり、一つ一つの演出がクドくてテンポが悪いのが残念。90分尺くらいに纏めてくれたらもっと面白くなりそう。
多少の不満はあるけれど、緻密で良質なミステリー映画でした。観て良かったです。
不死鳥
ブラックボックスの解析により、旅客機の墜落事故の調査をすると共に、それに纏わる隠謀に巻き込まれる事故調査局員の話。
乗客乗員316人が死亡した新型旅客機アトリアン800型の音声解析から外された主人公だったが、調査を担当していた上司が失踪し、引き継ぐことになり展開していくストーリー。
超有能だけど超融通が利かない主人公が、事なかれ主義な上司や周囲に抑えつけられながら、信念を貫き真実を追おうとする話だけど、途中から、そうするしか道は無くなっていく感じは、なかなかスリリングだし、明らかにおかしいことをわかっている観客側には良い意味でもどかしさを感じさせてくれる。
ブラックボックスの音声と亡くなった乗客が墜落時に残した留守電に残した音声の違いとか、登場人物の見せ方から、かなり早い段階で半分は読めてしまうけど、音声解析のシーンは勿論、その他にも音がキーになるシーンが多々あって、都度集中して耳を澄まして確認したくなるし引き込まれる上手いつくりだなと感じたし、ストーリーとしてもなかなか面白かった。
ということで、せめてそういうシーンでは客席でガサガサバリバリはご遠慮頂きたいと切に願います。
音に取り付かれた男が導き出した答えは正解なのか?それとも妄想なのか……
天才が故に孤立してしまうことは現実社会においてもも、映画やドラマにおいてもよくあること。そんな人物がここぞというときに能力を発揮し、ヒーローになりえるのだが、同時にひとつ間違えば最悪の結末をむかえることもある。
はじめは飛行機墜落の原因は、イスラム過激派のテロという回答を導き出したマチューではあったが、音に取り付かれ、何度も何度も聴き続けているうちに、新たな疑惑や、内部から隠蔽されているような気配も感じられようになっていく。
新たな発見や疑念から、意見を二転、三転させるマチューだが、結論によっては航空会社の身内のミスを世間に公表することになりかねない。
それがマチューの妄想である可能性もあるため、動き回られること自体が迷惑で仕方がない。テロの仕業としてしまった方が、いろいろと都合の良い身内の航空関係者からは煙たがられ、友人や恋人からも妄想にとらわれた男を見るような目で見られてしまう。
ジェイク・ギレンホール主演でリメイクもされた映画『ギルティ』のように、主人公の想像力の暴走によるミスという可能性もあって、観ている側も、この主人公の妄想ではないかという疑念を抱くようになってしまう。そして実際に分析ミスをした過去もある。
真実は何なのか、そしてマチューの推理は本当に正しいのか……何を信じたらいいのかわからなくなってくる疑惑が疑惑をよぶ、二重構造のループ。
ついには、ネタを持っているからと近づき、マチューもそれを理由としたジャーナリストにまて見限られ、会社では担当も外されてしまう。
自分のキャリアや恋人との関係を捨ててまで、音を探求するマチューは、天才なのか、それとも奇人なのか…….とにかく最後までわからない!!
耳で楽しむ体感型サスペンス
「音だけで真実を暴く」というストーリーは『THE GUILTY ギルティ』のようなイメージをしていたが、音の解析には限界がありその点についてはあまり進展がない。それ以外の要素も組み合わせて真相に迫っていくスリラー。
ただ音にはこだわった作り込みで、耳にイヤホンをはめ込む音やノイズキャンセリングの質感も再現されていて、映画館はもちろんASMRのようにヘッドフォンでも楽しみたい映画。
思い込みの激しい主人公に振り回され推理が行ったり来たりするので、それを楽しめないと少し中弛みを感じるかも。
クライマックスは衝撃的だけど、推理が入り組んでいっただけに若干オチが弱かったかなという印象。
イカロスの神話の教訓には唸らされた。
「太陽に向かって飛んだイカロスは蝋の翼が溶け、海へ落ちて死んだ」この教訓は「人間の傲慢さやテクノロジーの批判ではなく、蝋よりも丈夫な羽を作ろうという科学の進歩への挑戦」。
テーマが良い分、尻すぼみな展開が肩透かし
ギリギリ惜しい。非常にスリリングで音も際立っているのに、肝心の内容が弱く写ってしまった。活かしきれなかったのが勿体ない。
舞台は航空事故調査局。アルプスでの墜落事故に残ったブラックボックスから事件の糸口を探るが、そこには不可解な点が多く残っていて…。よく“実録ミステリー”的なバラエティで観る切り口でありながら、映画音響によって作られる刺激はゾクゾクする。事件の謎を解き明かすために音を疑い、睨みつけながらヒントを探る。その過程はすごく良いが、要素も多くて散漫としている。
そして何より、主人公の先入観が強く疑われてしまうため、キャラの強みが損なわれている。何を信じてこちらも観ていいのか分からなくなる。サスペンス的な要素を含んでいるので多くは語れないが、オチとしては弱くて整合性が取れてないと感じた。
凄くアプローチが良いだけに惜しいと感じた。とはいえ、包まれるような音響のもとで真実のために疑い続ける。それを追体験できるのが醍醐味と言える。そういう緊迫感が好きな人にはオススメ。
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