ブラックボックス 音声分析捜査のレビュー・感想・評価
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音声で真相に迫るサスペンスかと思いきや意外と身につまされる心理サスペンスでした
音声だけで真相に迫るサスペンスかと思いきやさにあらず、主人公に聴こえている音は実は幻聴ではないのかという疑心暗鬼にまで踏み込んでその波紋が人間関係も破壊する様までも冷徹に見つめる心理サスペンスとの二本立て。次から次へと湧き上がる疑問符がぶら下がってるエビデンスの連なりが導く意外にも程がある真相の向こうに広がる光景はハッピーエンドと呼ぶには余りにも痛々しく、複雑な思いに駆られます。
JAL123便
多分多くの人が視聴したであろうJAL123便の墜落までのボイスレコーダー、あの音声を最初に視聴した時のあまりの臨場感に圧倒されてしばらく動けなくなるような感覚、この映画はその体験がオーバーラップします。音だけで緊張感を高める演出も秀逸。もう1回観たいと思った映画でした。
静かなる良作!見逃さないで
普通にスルーしそうになってた作品。高評価なのと皆さんのレビューが良かったので鑑賞。
音を聞き分ける、分析する才能を持つ男が主人公で“音”で解き明かすミステリーサスペンス。見ようか迷ってる人は是非見てほしい。
派手な盛り上がりなどはなく、終始シリアスで難しいストーリーが淡々と続いていきます。複雑に絡まった幾つもの糸を一つずつ紐解き全てクリアになったのに、爽快感とはかけ離れた気持ちになってしまうのはきっと終わり方に原因があるからだ。
最後だけなんだかスッキリしない。。個人的には登場人物たちにもう少し救いが欲しかったけど、敢えてのストーリーなんだろう。
だけど巨大企業の闇や航空業界のことについて少しばかり知ることができたから私としては良かった!
たまたまでは…?
面白くはあるのだけど、あれだけ周りが見えなくなるほどのめり込んで、犯罪も辞さず、ってやられちゃうと真相にたどり着いたのはたまたまでは?と、思わせられちゃう…
また主要登場人物の距離が近すぎて作り物っぽく思えてしまった…
恐い。
実際あれってできるんですかね?パソコンで操縦システム乗っ取るって。可能なら大変ですよ。飛行機乗るの恐くなってしまう。
本当なら航空会社はパソコンの機内持ち込み禁止しないと。
どんな仕事でも集中力は大事ですがあの仕事は並の集中力では務まらないな。
正義が勝つ!とは限らないのか…
始まって初めて知った全編フランス語だという事実。予定外のことに字幕見なきゃならずちょっと疲れた💦
ブラックボックスって飛行機事故の時にしか聞かないものだけど、あんな風に厳重にシールされて守られてるのね。でもそれにアクセスできる人が悪に手を染めたら一溜りもない😅
「仕事のできる」分析官と「やりすぎな」狂人の境目はぼんやり。このぼやぼや境目のせいで犯人に仕立てられちゃった『リチャード・ジュエル』を思い出した。この作品はまた違った展開でかなりハラハラさせられて、最後まで楽しめた(*´ω`*)
正義は勝つ🙌✨
素直に面白かった。
お金の誘惑に負けて、沈んでいった人を何人も見てきたが、あらためて人間は欲望に弱い動物だと、自分に言い聞かせることができた。
更に大きなモノにはまかれてしまうのは、日本だけではないとホッとした反面、自分の価値観における正しいことを貫きとおすことの大変さを痛感した。
とても勉強になった作品でした‼️
どれだけ自分の耳を信じられるか
タイトルの通り、音声分析捜査官の話。
初めて知った世界で取り込まれ、新鮮な気持ちで見ることができました。
話も目ならぬ耳が離せない展開でテンポもよく、楽しめました。
ミステリーだけれども、どれだけ自分と自分の耳を信じ続けられるかどうか、そんなことが問われている作品で、どことなく勇気づけられました。
現代社会への問題提起
最後まで気が抜けない、緊迫感のある社会派映画です。
他人信じるということは、儚いことで、たとえ愛していても時に私利私欲により裏切られることもあります。
また、信念とは聞こえはいいものの、側からみれば、気が狂ってしまったようにうるつことも。
それでも、マチューは自分を信じ、上司もマチューを信じ、ただ音声からの事実を伝えることにこだわり、責務を全うしよう奔走した社会派映画です。
機械化が進み、人がいらなくなる時代が進んでる中、機械に操られることなく、欲に溺れることのない社会を望むことに一石を投じた映画ではないでしょうか。
素晴らしい映画にもかかわらず、上映館が少ないことが本当に残念です。
ぜひ、映画館で観ていただきたい映画です。
謎解きのギミックが秀逸
航空機墜落事故の調査官が、事故原因とその影に見える陰謀に挑むサスペンススリラー。
タイトルにもなったブラックボックスに録音された音声通話だけでなく、ドライブレコーダーなどのギミックも中々巧妙で、まるで主人公の調査官になったつもりで、あれこれと推理しながら一緒に謎とを解いたような気にさせる実に面白いシナリオ。
こいつが悪い奴だろっ!ってのは、容易に解ったのだけど、その他怪しい奴もチラホラ出てくるので、早々とネタバレにならないところもナイスですね!
最後の懲らしめ方は流石に既視感が強くて、もう一捻りあったらなぁ…
あと、ラストに鍵を握る主人公の嫁さんなんだけど、物語の展開上イマイチ夫婦間の絆が弱い気がして…
サスペンスとしては良くできた良作でした。
フランスだとこういう奴も受け入れられるのか・・・
プロットを俯瞰で観ても今一つなのだが、演出や役者の芝居がとんでもなく良い。
序盤、主人公のナルシスト丸出しなうえヒガミっぽくて微妙に嫌な奴かと疑わざるを得ない感じからの、中盤の狂気をはらんだ目的のためなら手段を選ばず周りや家族にどれほど迷惑をかけようと自分の我を通そうというヤバイ性格の描き方がとても面白かったです。
学生時代からそれほど友人がいるわけでもなく職場では煙たがられているのに、なぜか奥さんだけにはとても愛されているーフランス航空事故調査局の分析官である主人公だが、とても分析官向きとはいえないその性格ながら、持ち前の思い込みの強さと周囲の誘導などで転がるように話が展開していく様も面白い。
コンピュータの暴走がエヴァの暴走みたいに表現されているのが若干気持ち悪い。もういい加減こういうコンピューターリテラシーのない表現は見る側を馬鹿にし過ぎかと感じてしまう。
だが、何と言っても一番の謎はこの奥さんが主人公のような奴と結婚したところにあります。
展開が小気味良い!
対立構造は大企業の民、癒着や圧力の官に翻弄される正義感の強い主人公の王道パターンなのでしょうが、幾重にも張られた伏線とその回収がとても気持ちよかった。
特に主人公の過去の思い込み調査が今回の調査の際に「オオカミ少年」扱いされ、本人もわけが分からなくなるあたりは見ている方も思考がグルグルして、正解探しにのめり込んでしまいました。
とても良い作品でした!
マチューはよく頑張った
邦題から、聴覚に優れた音声分析官が能力を発揮して原因特定の難しい事故を暴いてみせるヒーロー物かと思っていたが、流石にフランス映画である。主人公だからといって運がよかったり思わぬ助けがあったりせず、しかも一筋縄ではいかないストーリーに仕上がっている。
日本では経団連に入っている大企業と政治家や官僚(政官財)の癒着は、連綿と続いている。役所には許認可制度という法律の後ろ盾があって、いわゆる職務権限なのだが、役人はそれを利用する。つまり賄賂を受け取ったり、天下り先を用意させたりして、許認可を甘くするのだ。許認可は所管の大臣名で実施されるから、大臣にもそれなりの利益がある。
日本国憲法には「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と書かれているから、一部の大企業を優遇するのは憲法違反であることは明白だ。当事者である政官財の人間たちは、それを承知の上で悪事を働く。万が一バレそうになっても、情報を隠せば追及を免れる。黒塗り文書である。または公文書の改竄である。企業はまだしも、政治家と官僚は税金で生活している訳だから、罪は深い。
すべての情報を開示すれば不正は起きにくい。それがわかっていても情報はなかなか公開されない。ソ連のミハイル・ゴルバチョフが、政治改革である「ペレストロイカ」のひとつとして唱えたのが「グラスノスチ」である。情報公開だ。密室政治だから不正が起こり、腐敗する。つねに情報を公開し続けることで、正しい政治が維持されるという趣旨である。青年の主張みたいな純粋な理念だが、これが長続きしなかった。政治は人間が行なう。人間は生物(なまもの)で、常に腐敗に向かうのだ。
フランスも例外ではないようである。哲学が高校の必修科目になっているから、大抵のフランス人は、哲学的、論理学的に考える訓練が出来ている。客観的で巨視的な見方ができるはずなのだ。それでも腐敗が起きる。情報が隠され、あるいは改竄される。
主人公マチューは孤独である。同じ官である妻は、政官財のサークルの真ん中にいる。友人は財であり、やはりサークルの真ん中にいる。自分がアウトローになってしまえば、妻の立場も友人の立場も危うい。しかし一方では理不尽に死んだ300名の乗客乗員がいる。不正を正さなければ、もっと多くの死者が出るだろう。
中盤以降はとてもスリリングな展開で目が離せない。細身で戦闘力ゼロのマチューに感情移入して、政官財のトライアングルの強大さに恐怖を覚える。しかし民間から寄せられる情報もある。徐々に事実が見えてきた。マチューには勇気がある。それにコンピュータと通信に関するスキルがある。300名の無念を晴らせるかもしれない。
しかし政官財には実力行使の部隊がある。非合法だが、事実を隠蔽して情報を改竄すれば合法になるのだ。つまりは合法である。それでも非力なマチューは、巨大な敵に立ち向かう。マチューはよく頑張った。腐った生物(なまもの)は冷蔵庫から出して廃棄しなければならない。そして新鮮な生物(いきもの)と交代させるのだ。
形が無いものを共有する難しさ。
特に期待して無かったけど最近見た映画の中で一番緊張したし振り回されて面白かった。
優秀過ぎるが故にチームから外され、またそれ故にどっぷり事件の深みにはまった男と、可愛い妻のはなし。
音って形が無いから共通認識しづらい物で、ある人にはAと聞こえるけどある人にはBと聞こえたりする。人によって聴覚の能力も違いがあるし、思い込みで無いものが聞こえてくる事もある、、空耳アワーだ。
主人公も自問自答しながら答えを探して行く。
小さなどんでん返しが次々起こる、何度これで終わると思った事か。視覚や聴覚にフォーカスする映画は観客を集中させるから、外れ少ないね。
ちょっと分からなかったのは最後の方の車、、あれなぜ事故ったんだろうか?スピード出しすぎ?なにか仕掛けられた?
これは久々の本格サスペンスだ!
これはおもしろい!
銃撃も、格闘も、殺人もない、本格サスペンス!
航空機の墜落事故によるブラックボックスの解析を進めるうちに、主人公マチューが迷路のような謎にはまり、翻弄されていく。
もはや、マチューの妄想か…と思われたところで、事態は急展開をみせるが…。
おすすめ度100%!ぜひ劇場でご覧ください!
スッキリしない内容
最初に言っておきますが、まあまあ面白かったです。
なのですが、、、こういうスッキリしない展開はどうなのでしょうか?
サスペンスの真相に偶発的な要素が入ると焦点がぼやけてしまうし、行方不明になっている人がいて、そのことは話の流れの中で結構重要な要素のはずなのに、なぜか皆んな忘れたようになってるし、何より主人公のラストがあのパターンだと、カタルシスが半減してしまう。
なんか、スッキリしない映画だったわ。
マチュー役の方はちゃんとBEAに出入りして役作りをして本作にのぞま...
マチュー役の方はちゃんとBEAに出入りして役作りをして本作にのぞまれたそうです ビジュアルは鈴木松美さんみたいだと思ったのは私だけか…航空事故調査があんなに忙しそうで、ブラックボックスを開けるのがまるで検死みたいなのが意外でした 神経質で天才肌の方のようで 音のプロなので音を全て拾ってしまうのか日常生活音に溢れている場所なんかはとても辛そうでした 普通の人なら無意識に聞きたいのだけ聞くんですけどね
冒頭でテロであっさり解決か、と思ったら二転三転してスリリングな展開へ なぜいつも真実を暴く人はえらい目に遭うんでしょうかね?最初からアレがあれば、なんてこと無く解決していたんですね 追手が諦めたのでホッとしていたら、あのやり方!怖〜いと思いました 上司の方も多分…
真相が見えそうで見えない
これぞミステリーって感じだね。最初は、誰でもわかるミスディレクション。イスラム過激派のテロだったら話が終わってしまう。ここからが本番。二重三重にミスリードされ、真相が見えそうで見えない。マチューが真相にたどり着くまでもドキドキだけど、たどり着いた後にも、もう一波乱が。心臓バクバクMAX。
マチューは、音声分析にかけては神の耳を持っている。プロペラやエンジンの音を周波数レベルで聴き分けることができる。謙虚だったらいいんだけど、傲岸不遜で、協調性がない。
こういうエンジニアいるんだよね。一緒に仕事したくない。当然、マチューの同僚も快く思っていない。
なので、マチューには感情移入することはないんだけど、この作品、音へのこだわりがすごい。ボイスレコーダーに残された明瞭な音、かすかに聞こえる周囲の音、分析システムを通じてマチューの鼓膜に到達する音の波を体験できる。音響施設がいい劇場で鑑賞しないともったいない。
ボイスレコーダーだけでなく、ドライブレコーダーも真相への手がかりとなる。音と映像をふんだんに使い、よく練られたミステリーで、とても満足な一作でございました。
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