「音声分析官」ブラックボックス 音声分析捜査 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
音声分析官
飛行機墜落事故の原因を探る音声分析官の試行錯誤がミステリアスに描かれる。
非常に面白かったです。
主人公の音声分析官の性格が偏執的で頑固。
思い込んだら頑なに突っ走る。
だから、この人どっかで必ず、事故る、との確信を感じつつ観ているのも、
スリリングでした。
航空機関係者や航空機を取り巻く問題にも切り込んでいて、
中々社会派で見応えある映画でした。
ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落した。
乗員・乗客316人全員の死亡が確認される。
航空事故調査局の音声分析官マチュー(ピエール・ニネ)は、
天才と一目置かれる程優秀だが、反面思い込みの強い性格。
事故の原因を回収されたブラックボックス(ボイスレコーダー)から、
原因を解析するのが音声分析官の仕事だ。
墜落の数分前からの機長や副操縦士の声、ノイズ、
ブラックボックスの声をひとつひとつ掘り下げて行く。
テロか?
操縦ミスか?
航空機の欠陥か?
はたまた陰謀か?
マチューがボイスレコーダーにある疑問を持つ。
それは乗客の家族から提供された犠牲者のスマホに録音された爆発時刻と
ボイスレコーダーの航空機爆発時刻に誤差が数分あったのだ。
そしてマチューの直属の上司ポロックが忽然と姿を消す。
ミスリードされ・・・結末をみると、当然なのだが、
最初は観客に知らされない。
だからマチューの心の動きそして何より重要な、
ブラックボックス(ボイスレコーダー)の会話そしてノイズや、座席表と、
そこに座る人々が(時にマチューの想像が)
再現映像になるなど、とても面白い。
この映画は墜落現場から回収されるブラックボックスの形や中味が、
詳しく写されているのも興味深い。
墜落の衝撃に耐える頑強さ、その内部の小さい録音テープ。
普段見ることが出来ないものだから、墜落事故の原因解明の
それが意外と小さいことにも驚いた。
マチューの独断行動は妻を傷つけ、家庭は崩壊。
マチューも遂に職場を更迭される。
映画のエンディングとしては白黒がハッキリしていて、
とてもスッキリするのですが、
現実に○○を交換する・・・そんなことは可能だろうか?
それに○○を交換して、改ざんすることに意味がありますか?
素人考えだけれど、非常に困難なミッションですね。
(かなり不可能に近い・・・だから映画の評価も、とても面白いけれど、
やっぱりこれは不可能!!)
映画を面白くする・・・そのためにはとても有効でしたが、
何故、原因を闇に葬る必要があったのか?
この改ざんには意味がない・・・素人目にはそう思えた。
《参考資料》
日本で1999年7月に起きた、
「全日空機61便ハイジャック事件」について簡単に書かせて
いただきます。
シュミレーションゲームで飛行機操縦をしていた男が、
全日空機をハイジャック。
機長を殺害して自ら操縦。
機内で取り押さえられるまでの数分間、犯人が操縦桿を握る、
高度200メートルで飛行をしたときもあった。
墜落は免れたが震え上がった事件でした。
「レイボーブリッジの下をくぐってみたかった」と供述。
まだ現在よりアナログな時代だったが、
予想外のことが起こった例でした。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。…ただ、公開時に観ているため、細かいところが思い出せませんw
面白かったという記憶はありますが、やはり矛盾点がありましたかね。また、観てみます。