クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
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冷戦期のこの時代は 4分で核シェルターに避難する なんて会話がある...
冷戦期のこの時代は
4分で核シェルターに避難する
なんて会話があるほど
緊迫した状況だったんですね
ソ連高官ペンコフスキーからの
情報提供がなければ
核戦争を防げなかったかもしれない
最愛の家族や多くの人を救うために
命賭けで行動し耐え抜いた
ウィンとペンコフスキー
2人の勇気と友情に胸が熱くなった
吊り橋を歩いたセールスマン
前半の軽快とも見えた緊迫感が、後半一気に重苦しい空気に変わってしまう。平和には、大きく悲惨な代償が必要とされるのだと言う感傷。
そしてシネマは、そこをよくテーマに取り上げるが、実際、何十億分の1かの奇跡に、世界は委ねられることもあるのだと言う悟り。この次の一瞬に、別のクーリエがしくじれば、世界が変わってしまうかも知れない。
当たり前だが、ロシア軍情報部の軍人と英国のセールスマンの決心は、天地ほどの隔たりがあった。
ニニッゼ演じる情報部高官は、その評価も分かれているようですが、核戦争の危機を誰よりも目の当たりにして、情勢に後押しされて腹を括った。「我がロシア軍」はもうヤバい。彼の情報の抜き取りや受け渡しは割にシンプルで、フィクション化=形式化されていたように思えましたが、クーリエと言うレシーバーを得て膨張した軍人の熱情は、静かだが迫力そのもの。
時折り見せる笑みが、命を捨てる覚悟を決めた武士のようだった。
一方のカンバーバッチ演じる腕っこきセールスマンは、要するにCIAとMI6に騙された男がでかいセールスの一つをこなすつもりで、情報の受け口になって、現代史の大役を果たしてしまったのですね。無論、ニニッゼの男気に呑まれた結果ではありますが。
それでキューバ危機を乗り越えられたと認識すれば、やはり世界の裏側の動きに、何も関われなくても、震えなさいと言うことになる。
飄々と淡々と役割をこなしながら、少しずつことの重大さに気づき、いや俺が渡っているのは鉄橋であって、絶対に吊り橋じゃないよなと、腹の中で静かに言い聞かせているようなカンバーバッチ。
その、時に落ち着かず、時に思い詰めた表情が秀逸だったと思います。
一発の銃声もないエスピオナージの本道
こんなに見応えのあるスパイ映画を観たのは、久しぶりです。60年代の冷戦下の空気感を再現し、銃撃戦もなくナイフすら閃かず、音楽や照明を効果的に使いながら、終始緊迫感あふれるタッチでグイグイ話が展開します。米ソの核戦争を回避させた、平凡な人々の非凡な活躍を決してヒーロー的に描くのではなく、友人のために危険に身をさらす主人公の心意気にジーンときました。カンバーバッチが上手いのは言うに及ばす、ロシア人将校役のニニッゼも魅力的な名演でした。
リアルなスパイ映画は退屈しがち
スパイというと007シリーズやミッションインポッシブルシリーズを想像してしまうが、実際はあんなに派手ではないのだろう。地味に情報を集め、目立たぬように生活し、細心の注意を払って本国に報告するんじゃないか。
本作は、キューバ危機前に核戦争の可能性が高まっていた時期の米ソのスパイを描いた物語。しかも実話ベース。だから序盤から中盤にかけてはかなり地味な展開。正直退屈で少し寝てしまった時間もある。
ところが後半、そんな眠気は吹っ飛んでしまった。カンバーバッチの俳優魂をこれでもか!と見せつけられたからだ。この肉体改造はすごい。それだけで観た価値はあったと思う。1.0は点数がプラスになった。
この手のリアル系スパイ映画って、退屈なんだけど男の友情物語としていい話になりがちだから侮れない。あまりおススメできるものではないけれど。
傑作
久しぶりに心を揺さぶられる映画を観ました。
アメリカ、ロシア、イギリスそれぞれのお国柄を登場人物に落とし込んでいるのも良かった。
カンバーバッチの役作り、、いやーすごい。
スパイ映画としても、友情ものとしても、家族ものとしてもみられる素晴らしい作品。
もっと注文されるべき映画ですね。
素晴らしい脚本
史実を元にした映画のわりにとてもよく出来ている。
ノンフィクション系は淡々と進んでカタルシスもないまま終わるというイメージがあって苦手だが、これは違う。
演出、編集かなり良い。
脚色はあるだろうが男たちの友情(絆)がメインに描かれていて、感情移入しやすい。
時代は広島と長崎に原爆が落とされてから20年経っていないくらいの頃の話。
米ソ間で再び核戦争勃発の危機がある中で
命をかけて奔走する二人の男の物語。
最後にバレエ団を観劇するシーンで、涙するウィンが印象的。
これから起こりうる運命に対してどうか抗ってくれと願わざるを得ない。
ラストシーンではスパイ行為という重大な反逆罪を犯したペンコフスキーにも救いがあった。
二人の男たちの深い友情に胸打たれます。
もっと注目されて良い作品!
「クーリエ最高機密の運び屋」鑑賞
冷戦時のキューバ危機の舞台裏で繰り広げられた
事実を基に描かれたスパイサスペンス映画
世界のみんなのために!よりも
1番身近な人のために!人は命をかけて動ける。
そんな思いを体感させてもらえました。
そして、なによりカンバーバッチの演技力、役者根性の圧巻さ!すごかったです。
コマーシャルとかあまりしてないせいか
上映ランキングにも入ってきてないけど、、
とっても魅了される映画でした。
本当に怖いのはお化けや幽霊ではなく、人権を蹂躙する独裁監視国家。
フルシチョフといえば、東西の雪解けとか、米ソのホットラインとか、ソフトなイメージを抱きがちだったけど、それは昭和の義務教育の印象操作か。
とにかく、スパイに同情心は禁物だ。運び屋なんて、どんなに煽られても素人がなってはいけなかった。
しかし、配役はバッチリだった。機転のきくビジネスマンであったばかりにCIA に白羽の矢を立てられたウィン役のベネディクト・カンババッチもはまり役だった(タイトルバック近辺で実物の本人が出ていた。実際、頭の回転が良く人当たりの良さそうな紳士だった)一方、ソ連側のスパイ役ペンコフスキーを演じたメラーブ・ニニッゼという人、とてもフレンドリーで好きになってしまった。
当時の女性のファッションの再現も楽しめた。女性は職場でも家庭でもスカートで女性らしく、奥様同士の会話は表面上優しくも、水面下ではちょっと意地悪な腹の探り合い、、、
日常と剃刀
シビレマスご用心。
「007」の前でも後でもセットで楽しんで頂きたい。この手の、静かにじわっときて、気が付けばフルスロットルなスパイ映画大好きです。勿論、ヒーロースパイなやつも好きですけれども。
事実ベースと言う事ならば、毛色も結果も色味が違うけれど「バリー・シール」とセットにすれば、陰陽みたいに楽しめます。
夫婦間の妙な緊張感が良いエッセンスになっていて、最後まで「どうする??どうなる??」が止まらないしナイスなオマケもある、良い作品でした。
水面下で起こる緊張感
2021年劇場鑑賞23本目 佳作 59点
本当に珍しく劇場で観た洋画作品。
8.9月だと他にもオールドやモンタナの目撃者、ペクトゥサンなども観る予定でしたが、今もなぜか観ておらずそれもそのはずで、やはり私には洋画が肌に合わず、今作の次はよっぽどひかれたテーマでないとないなあと思ってしまった。
テーマは非常に面白かったですし、実話ベースで進んでいき後半に差し掛かる前らへんは少し退屈で珍しくうとうとしましたが、ラストは素晴らしい演技と展開には見応えありました。
割と日本でもプッシュされていた洋画だったと思うので、気になる方は是非。
我々のような人間から、世界は変わるのかも。
「4分間、つながらない電話をかけ続けるのか?」とは、見事な誘い文句だ。民間人でありながら、その任務の重大さに押しつぶされそうになっても貫く責任感。相手との間に奇妙にも友情が芽生えてくるのは、お互いへの信頼感が深まったがゆえだろう。
この成り行きはどうなるのか、とヒヤヒヤし、カンバーバッチの変わり様に息をのむ。それほどの任務なのだと視覚的に訴えてくるようだ。そしてそれだけの覚悟を負えるほどの友情なのだと。
現実問題、彼らのミッションがなかったら、キューバ危機は現実として核戦争に発展してのだろうか。今、平和な(と一見見えるだけかもしれないけど)米ロ関係を見るにつけ、こんな緊張状態はもう遠い過去なのだなとしみじみ思う。
激やせ
タイトルの「クーリエ」、宅配便のことですね。日本では、小規模なバイク便や、逆に国際的な業者(FedExとか)の意味で耳にすることが多い。英語圏では、犯罪行為に関連した運び屋の意味でも使われるらしい。
というわけで、本来はただのセールスマンのはずの主人公が、モスクワからロンドンへ機密情報を運ぶ定期便になっちゃったお話。
一部のシーンのために10キロ減量したらしい、主演のカンバーバッチ。太ってたならともかく、元からスリムな人が10キロ落とすって、かなりきついはず。実際、健康を心配したくなるやせ方してた。すげーな。
それだけ真摯に撮影にのぞんだってことでしょう。ぜひとも、激やせっぷりを見て驚いてください。
冷戦時代はこのジャンルの宝庫
東西冷戦の最中に盛んに作られたスパイ物のハードボイルドタイプの香り。例えば「寒い国から帰ったスパイ」(マーティン・リット監督 ジョン・ル・カレ原作 1965年)など。娯楽に振った代表が007シリーズだ。ソ連側の情報源ペンコフスキーを演じたメラーブ・ニニッゼがいい。第三の男のハリー・ライムを思わせる人なつっこい風貌だ。アベル・コジェニオウスキの音楽もいい。ニーノ・ロータを連想させる哀愁ゆたかな、60-70年代の映画音楽の王道メロディに酔う。
緊張感と言うよりも泣ける映画
いや~面白かったな・・・
前評判は、「凄い緊張感」なんて言葉が多かったので、硬派なスパイ映画、クリントイーストウッドの「ファイヤーフォックス」のような臨場感がある映画なのかと思って見たんですが・・・
緊張感があると言うよりも、泣ける映画でした・・・・
本作品、実話なので大変にびっくりしています。こんなお話が有ったんですね。
劇中の中で、国の政治家同士は仲が悪くても、一般の人には関係が無く、意外にこう言う人が平和を作る的な台詞が有るのですが、このシーンだけでも感動です。
結局、現代でも当てはめられるのですが、普通に生活し、普通に家族を持って、普通に人生を楽しんでいる人達は、どの国の人も平和を願っているのモノで、一部の野心があり過ぎる奴の為に、色々な人が迷惑な思いをしたり、苦痛な思いをしたり・・・・
韓国映画の「工作 黒金星と呼ばれた男」のように、国の方針により避けられているけど、異国の人で有っても想いはひとつ・・・その友情と言うか・・・・その想いに感動したな・・・・
アレックスは英雄だよ、当時のソビエトは、アレックスのような人間を処刑した事を恥じるべきだと思うね。
ソ連の俳優さんなのかな、メラーブ・ニニッゼも存在感が有って良い俳優さんですね。
ベネディクト・カンバーバッチも良かったな、スーパーヒーローなんて辞めちゃえよと思う位良かった。
本作品、泣ける1本だね、大変に良かった。
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