クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
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普通の人を演じるカンバーバッチ!
スパイでも何でも無い一般人のセールスマンが
旧ソ連の政府高官から旧ソ連の軍事機密を託されて
ロンドンとモスクワを行き来きするうちに
旧ソ連の高官と人間としての友情が芽生え
やがて立場の危うくなった高官を救うために
脱出計画を携えてモスクワに向かうが~~
実話をもとにしたお話だからやっぱドキドキしますね。
緊張感が半端ないです。
旧ソ連の高官は家族のために世界を戦争から守りたかった!
スパイでも何でも無い一般人のセールスマンも
大事な家族を核の脅威から守りたかった。
世界を巻き込む一大事を防いだ英雄的な二人を動かしたのは
大事な人を守りたいという普通の人の普通の感情。
世の為政者が同じように物事を考えてくれたなら
この世界はもっと住みやすくなるのに~~
この事実だけでも知っておいて欲しいですね。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
全編緊張感あふれる映画ですが
中盤あたり、旧ソ連の高官と役人たちが
イギリスに最新の工作機械を観に来るシーンがあります。
旧ソ連の重苦しい空気から解放されたせいか
役人達はいい気分で酔っぱらってはしゃぐはしゃぐ(笑)
このシーン、私の好きなフレッド・アステアの
「絹の靴下」(原題:Silk Stockings)の中で
やはり旧ソ連の役人があこがれの都パリにやって来て
その自由で誘惑的な街に溺れ
毎晩宴会を繰り返すシーンがあるのですが
まるでそこを彷彿をさせる様な演出。
みんなそんな風に西側は思ってたのでしょうね(笑)
更に物語の後半、あの、常に上から目線の
ドクター・ストレンジを演じてた人と
同じ人とは思えないくらいに、
ガンジーみたいになってしまうカンバーバッチの凄さ!
名優評価の高い人なのでこれまで癖の強い役が多かったせいか
今作の様な普通の人、それも腰の低いセールスマン役って
なんかとっても新鮮でした。
おぼんこぼん
キューバ危機の裏側
007のような派手さはないけど硬派のスパイ映画!
実話ベースとのこと。
1962年のキューバ危機って、生まれる前の出来事ですが、学校では現代史は時間切れで十分に学べてなかった記憶があります。
キューバ危機って、人類滅亡か第三次世界大戦勃発の危機だったんですよね。
その危機を回避できた背景には、両国のスパイによる諜報活動があったんですね。
にしても、ごく普通のエリートサラリーマン(一般人)をスパイ工作に巻き込むMI6もひどいな…💦
いくら高給とはいえ、その後の人生めちゃくちゃになるんだから。
今の私たちの平和があるのは、多くの先人たちの犠牲のうえにある、と再認識。
この作品は英米視点で作られてるけども、ソ連からしたら裏切り者なんだろうなぁ。
男同士の友情にもホロリ。
やっぱり家族愛は国境を越えるよね。
派手なアクションシーンはありませんが別の意味でハラハラドキドキ。
見応えのある作品でした。
男同士の友情が世界を救ったのかもしれない
キューバ危機の裏話です。
原題は、「THE COURIER」で、国際宅配便という意味です。
邦題は、「クーリエ:最高機密の運び屋」です。
邦題の方が分かりやすいです。
60年前くらいのお話です。
日本では、池田勇人が首相を務めていた頃です。
事実を元にした映画ですが、事実を知らないと理解できません。
1960年代がどのような時代なのかを理解していないと、理解できない映画です。
映画「チェ 28歳の革命」、映画「13デイズ」と映画「JFK」を鑑賞したことがある人には理解できるでしょう。
嘘みたいな本当の話です。
それでは、年表です。
1953年9月7日、ニキータ・フルシチョフが、ソ連の最高指導者に就任しました。
1953年から1959年にかけてGRUのピョートル・セミョノヴィッチ・ポポフ陸軍少佐がCIAに寝返って大量の秘密情報をもたらしました。
1959年1月1日、キューバで、カストロ率いる革命政権が成立しました。
映画「チェ 28歳の革命」を鑑賞すると理解できます。
1959年1月、ピョートル・セミョノヴィッチ・ポポフ陸軍少佐は処刑されました。
1960年6月、オレグ・ペニコフスキー大佐は、モスクワで数人の米国人観光客に声をかけ、米国大使館に手紙を渡すよう依頼しました。
1960年12月19日、キューバは、ソ連との共同コミュニケを発表し、共産主義の一員であると、世界に向けて宣言しました。
1961年1月3日、アイゼンハワー米国大統領は、キューバに対して、国交断絶を宣言しました。
1961年1月20日、ジョン・F・ケネディは、米国大統領に就任しました。
1961年、米国政府は、トルコに射程距離が2,400kmで、中距離弾道核ジュピター・ミサイルを配備しました。
1961年4月、オレグ・ペニコフスキー大佐は、出張でロンドンに赴いた際にMI-6に採用され、「ミノックス」という小型カメラによって、彼は111本のフィルムに5500もの文書(7650ページ相当)を撮影しソビエト軍の現状、ドイツ駐留ソ連軍、中ソ関係、ソビエト政権上層部の雰囲気に関する極秘情報を流しました。
1961年8月13日、東ドイツは、東西ベルリン間の通行をすべて遮断し、西ベルリンの周囲をすべて有刺鉄線で隔離し、コンクリートの壁を作りました。
1961年10月30日、ソ連が北極海のノバヤゼムリャ島の上空から爆撃機で水素爆弾が投下され、高度4000メートルで爆発させました。
1961年末、KGBは、オレグ・ペニコフスキー大佐がスパイ行為を疑われていた英国の大使館員アナ・チザムと一緒にいる姿を目撃しました。
KGBは、一年間オレグ・ペニコフスキー大佐を監視し、やり取りを明らかにしました。
1962年10月、KGBは、オレグ・ペニコフスキー大佐と諜報連絡員であるグレヴィル・ウィンを逮捕しました。
1962年10月16日、ジョン・F・ケネディ米国大統領は、キューバに射程距離が2,400kmで、中距離弾道核ミサイルであるSS-4を見つけ、キューバ危機が始まります。
1962年10月28日、ソ連のニキータ・フルシチョフ最高指導者は、モスクワ放送を利用して、キューバから中距離弾道核ミサイルであるSS-4を撤去すると発表しました。
映画「13デイズ」を鑑賞すると理解できます。
1963年4月、米国政府は、トルコから中距離弾道核ジュピター・ミサイルを撤去しました。
1963年5月16日、オレグ・ペニコフスキー大佐は、銃殺されました。
1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ米国大統領は、暗殺されました。
映画「JFK」を鑑賞すると理解できます。
1964年4月、グレヴィル・ウィンは、ソ連の諜報員であるコノン・モロドゥイと引き換えに、釈放されました。
1964年10月10日、東京オリンピックが開催されました。
1964年10月14日、ニキータ・フルシチョフは、ソ連の最高指導者を辞任しました。
米国は、キューバと国交を断絶したままです。
北朝鮮は、核ミサイルを保有し、日本全土を射程距離に収めています。
キューバ危機は終わりましたが、日本の北朝鮮危機は終わりません。
平和ボケした日本人は、北朝鮮の核ミサイルのことさえ気にしていません。
キューバ危機にも絡む冷戦裏話
地味だけど見応えのある一本でした
尊い犠牲の上に…
1962年、キューバにソ連の核ミサイルが配備された所謂キューバ危機の裏で、核戦争勃発を防ごうと動いた諜報機関と、それに協力することになったセールスマンを描いた物語。
ソ連の大佐だが、激情型のフルシチョフの手中に核ミサイルがあることに危機を覚え、アメリカにその機密情報を渡すペンコフスキー。CIAとMI6は、この世界の危機に立ち向かう為、敢えて素人のウィンをモスクワに送り込もうと考えたことから物語は始まる。
題材が題材なだけに、もうちょっと緊張感が欲しいと思った序盤も束の間、中盤からは世界の存亡をかけた諜報作戦が静かに、それでいて熱く展開されていく。
今でこそ、皮肉にも「核があるから核が使われない」といった、一般的な考え(と言っては語弊があるかもだが)が持たれているが、60年代当時、目と鼻の先に自分たちに照準が向けられた核ミサイルがあるという状況は、人々にどのように映ったのだろうか。
何て言ったって、大統領がテレビで国民にこの事実を伝えていましたから。このあたりの緊張感は半端じゃない。緊急事態宣言…ってレベルじゃないですよね。勿論他国も他人事じゃない。
国を超えた友情が生まれ始めたウィンとアレックス(ペンコフスキー)。いよいよ感づき始めた国家。
地下駐車場でのやりとりのシーンは胸がアツくなった。
そして最後は涙が溢れそうになった。アレックスが守ったのは、世界だけでは無かったんですね。
キャスティングも素晴らしかったですね。個人的にはフルシチョフが良かった。少ない出番の中でも垣間見える怖さがお見事。
欲を言えば、海上封鎖とか、ミサイル撤去に至るまでの国家間の緊迫したやりとりなんかがじっくり観れるかと期待したけど、そもそもスパイ達に焦点を当てた作品ですからね。
キューバ危機と言えば概要は知っていたけど、紛れもない歴史上最大の危機。改めて恐ろしい出来事ですね。キューバの核は撤去されたけど、条件としてトルコのミサイルも撤去されたわけですから、結局はミサイル配備したソ連にプラスになった結果ということなのかな。
まぁそれを言ったらそもそもトルコに…って意見も出るし、この問題は本当に答えが出ないですね。
数々の尊い犠牲のうえに存在する現在の世界をみて、ウィンやアレックス達はどう思うだろうか…。
改めて深く考えさせられる作品だった。
ジョンブル魂?
平和な時代
昔のスパイ物を見ると現在の平和な時代に感謝すると共に、昔は平和だったな、とも感じる。
機械と機械の繋がりではなくスパイ同士も人と人との繋がり。もちろん綺麗事ではなく裏切り裏切られ亡くなっていった方の方が多いだろうし、お話なので綺麗に見せてる部分の方が多いとも思うが、コンピュータで衛星見ながらボタンポチ、爆弾ドーン終了。ではない時代。スパイ道具もなく、携帯すらなく手紙は電報。会って話して交流を深めて。
家族と平和を願い命をかける話。
派手さはないけどこの時代に頑張った人たちがいるからこそ今がある。まあ、今この世界は平和とは言いがたく、同じように紙一重の世界だけども。
きっと誰もが平和を願っているのにな、と思わずにいられないお話でした。
アクションなきスパイ映画
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