劇場公開日 2021年9月23日

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「普通の人を演じるカンバーバッチ!」クーリエ 最高機密の運び屋 星のナターシャnovaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5普通の人を演じるカンバーバッチ!

2021年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

スパイでも何でも無い一般人のセールスマンが
旧ソ連の政府高官から旧ソ連の軍事機密を託されて
ロンドンとモスクワを行き来きするうちに
旧ソ連の高官と人間としての友情が芽生え
やがて立場の危うくなった高官を救うために
脱出計画を携えてモスクワに向かうが~~

実話をもとにしたお話だからやっぱドキドキしますね。
緊張感が半端ないです。

旧ソ連の高官は家族のために世界を戦争から守りたかった!
スパイでも何でも無い一般人のセールスマンも
大事な家族を核の脅威から守りたかった。

世界を巻き込む一大事を防いだ英雄的な二人を動かしたのは
大事な人を守りたいという普通の人の普通の感情。
世の為政者が同じように物事を考えてくれたなら
この世界はもっと住みやすくなるのに~~

この事実だけでも知っておいて欲しいですね。

で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては

全編緊張感あふれる映画ですが
中盤あたり、旧ソ連の高官と役人たちが
イギリスに最新の工作機械を観に来るシーンがあります。
旧ソ連の重苦しい空気から解放されたせいか
役人達はいい気分で酔っぱらってはしゃぐはしゃぐ(笑)

このシーン、私の好きなフレッド・アステアの
「絹の靴下」(原題:Silk Stockings)の中で
やはり旧ソ連の役人があこがれの都パリにやって来て
その自由で誘惑的な街に溺れ
毎晩宴会を繰り返すシーンがあるのですが
まるでそこを彷彿をさせる様な演出。
みんなそんな風に西側は思ってたのでしょうね(笑)

更に物語の後半、あの、常に上から目線の
ドクター・ストレンジを演じてた人と
同じ人とは思えないくらいに、
ガンジーみたいになってしまうカンバーバッチの凄さ!

名優評価の高い人なのでこれまで癖の強い役が多かったせいか
今作の様な普通の人、それも腰の低いセールスマン役って
なんかとっても新鮮でした。

星のナターシャnova