「予習なしでも楽しめる」クーリエ 最高機密の運び屋 デブリさんの映画レビュー(感想・評価)
予習なしでも楽しめる
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あわや核戦争という歴史の鉄火場を舞台にしたストーリー、ものすごくヒリヒリする。どこまでが本当のことかは分からないけど、キューバ危機を二人の男と家族の人間ドラマに落とし込んでくれたので、私みたいな不勉強な歴史オンチでも難なく面白がれた。
命を賭けた信念と友情のドラマで、捕まった後のペンコフスキーとウィンの再会シーンは泣ける。処刑という結果は同じでも、あの情報を知って死ぬか、何も知らされないまま死ぬかは大違い。それが大違いになるのが人間という生き物だなあと思ったり。
ベネディクト・カンバーバッチが本当にすごいし、ジェシー・バックリーの気丈な妻役もよかった。ペンコフスキー役のメラブ・ニニゼの表情も見ごたえがあった。彼が演じた焦燥も諦観も覚悟も、やりすぎてないけどドラマチック。
目玉スープは何の目玉なんだろう。DHAは多分に含んでそう。気持ち悪いとかの前にとにかく不味そうなのが見事というか。私ならハムを見せられて1秒ももたずに陥落してる。
スパイ行為のスリリングなシーンはしっかりエンタメになっていたし、全体に画づくりもかっこよくて、上質な映画にありつけたなーという満足感でいっぱい。監督の次回作はミュージカルを下敷きにした作品らしくてこれも楽しみ。
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