劇場公開日 2021年6月18日

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「強く賢く育った子の姿を見るのは親の喜びのはずですが・・・」RUN ラン フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

強く賢く育った子の姿を見るのは親の喜びのはずですが・・・

2021年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

過保護な女性の話

これは怖い、一番信頼してた人の信頼が崩れていく感覚がとても新鮮でした。

母親役のサラ・ポールソンは顔は知ってるけれど程度の女優さんでしたが、病んでる演技すばらしかったです。
一見いい母親なんだけれど時折見せる病的な眼差し、後半の怒涛の暴走っぷりやばかった。

主人公のキーラ・アレンも新人ながら名演技でしたね。
聡明さと挑戦的で好奇心旺盛さがよく表現できてたし、なにより不安とか恐怖におののく顔がよかったですね~。
水を含んでの屋根匍匐前進とか顔をアップで写してて、映画でこんなシーン見たことないですよ。
頬をパンパンにして必死の形相ってなかなか見れません。

この映画、とってもスリリングでしかもありえそうな内容なのが怖い。
過保護LV100ってこうなるんだろうなー。恐ろしい…

子どものためと言いつつ自分のエゴのために束縛してしまうのは、大小差はあれど全ての親に言えることかも知れません。
バランスが大事ですね、かといって他人からとやかく言われる筋合いもないから注意のしようがない。
バランス難しい問題だな~。

生みの親と育ての親でどちらが子供に影響を与えるのか、物語の結末で答えが出る。
どうあっても子供は親の姿を見て育つのですね、良い所も悪い所も。

この映画はありえないでしょ!と言い切れないところが怖くて魅力的で戒めになるとってもいい映画だと思います。
スリリングで見ごたえ十分だし、主要人物が親子2人だけで舞台も実家がほとんど。
制作費はかなり安く抑えられてるはず。脚本とアイディアしだいで面白いものはいくらでも作れるんだなって思える作品です。
邦画は予算無くて洋画と比べるとスケールや出来ることの制限が有るとか、世界に通用する映画を作るのは難しいと思われますが、本作みたいな作品なら日本でも作れるんじゃないかな~。

映画ファンは納得の面白さ、映画製作陣にはいい刺激になるすばらしい映画だと思いました。

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劇中セリフより

「全て忘れて、一からやり直しましょう?」

一からやり直すことが出来るのは前向きな未来を目指せるから。
後ろ向きな未来しか無いのに一から出直しなんて出来ない。

フリント