彼女が好きなものはのレビュー・感想・評価
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コミカライズのみ
原作は未読、コミカライズのみ配信サイトで読んだが、更新に気付かず飛び飛びの部分が有るのと、一回読んだだけなので細かい部分は忘れている。大筋は同じ様だけど、ファーレンハイトの部分が違うかなぁ気がする。
原作者が同性愛者で有る事をこの映画を見て、ファーレンハイトの事を確認しようとしている時に知った。
映画として、前半はチョット入りにくかった。ヒロイン・三浦と接点を持つ部分が軽く、その後に主役・純と誠(恋人・妻子持ち)とのカラミ(騒動前とは言え、元ジャニの今井翼にあのシーンやらせるのか)、三浦の腐女子仲間の姐さんの彼氏がウザい。
原作者が同性愛者として見ると、三浦と純の幼馴染み・亮平は理想的な周囲の人物。腐女子の彼氏はウザい人間の象徴なのかな。と言うか、特に三浦は純に都合良すぎだと思う。小野の変化は社会一般の感じか?
純の悩みの幾つか(結婚出来ない、子供も持てない、孤独死)は、別に今のご時世、同性愛者異性愛者関係無く有る事だけど、それを全て同性愛と言う理由だけに押し込んでるのが気になるか。
(ファーレンハイトの事に関しては検索出来ず。また、作者が既に亡くなっている事を知った)
腐女子が好きなのは綺麗なBLなんでしょ。
「大切な事を無視して世の中を簡単にしたくない」
と言う割に、H◯M◯の扱い方が雑だと思う。つまり、性交をするにあたって「0.01は守る」事とやはり、高校生との性交は淫行にあたる。また、不倫は駄目でしょ。幾ら自由になってもその点は正確にすべきだ。
「彼女作った。」「おめでとう。嫉妬するな」この会話でなんかこの映画の本音が見えるような気がする。
「あっ。ニモ!」「母さんが買ってきた」カクレクマノミという魚で
「フ◯インデ◯ング◯ニモ」からそう呼ぶのだろうが、D◯SNEYの商標登録を使うのにお金がかかるはずだ。無駄な経費を使うべきではない。
カムアウトとは言わない。カミングアウトである。カムアウトはネジをしめる時に使う用語。正確ではない。
最後が良く理解出来ないが、つまり、ファンタジーって事。
「普通」って何なんだ!僕はモ◯ホーに何一つ偏見はないつもりだ。たがしかし、理解するつもりは全く無い。
理解するふりをする方が相手を傷つけると思うが。中2病を乗り越える事の出来た高校三年生が、妻子ある年長者相手に淫行を重ね、大変に理解力のある腐女子にまで手を付けて、自殺まで図る。罰当たりだと思うが。モーホ◯に何一つ偏見は無いが、髭面のモ◯ホーはさようならだ。何があっても理解出来ない。それが僕の「性的な志向」分かったフリは絶対にしたくない。
理解した〈つもり〉になっていないだろうか、と自分の心に問う。
深いテーマだった。2時間近くの作品でいろんなことを考えた。
物語は、同性愛者の主人公(男子高校生)が、1冊の本を拾うところから始まる。その本は、クラスメートの女子高生が買おうとしたBL漫画だった。彼女は中学時代のトラウマで、自分がBL好きであることを隠しているという。そんな彼女が主人公と話しているときは、どこか楽しそうで話しぶりが弾んでいた。「本当に好きなんだなぁ」と思わせるくらいに。
好きなものを否定される。それは、自分という人間性をも否定されることにつながると考える。それも、生きづらさの原因のひとつだろうし、特に「学校が世界の全て」の時期であろう思春期の学生にとっては、もはや絶望に近いものだ。彼女の場合、中学時代の友人から「え、キモ」のたった3文字で関係を絶たれている。自分が好きなものを言っただけなのに、それだけで仲間外れにされるのか。今までの自分の価値観も否定されたような気がして、どこか落ち着かないし立ち直れない。そんな感情になる。
中盤、主人公のある行動がきっかけで、学校全体として同性愛について考えるようになる。教室で生徒が意見を言うシーンは、映画であることを忘れるくらいリアル感のある撮り方だった。生徒たちが「ドラマや映画などで取り上げられるようになって…」「相談してくれたら…」など、まるで他人事のような意見を言う中、クラスメートの小野がこう言った。「理解者面すんな」と。このことにハッとした。
確かにいろんな媒体で取り上げられるようになって、世の中にはいろんな悩みを持つ人がいるという知識は得られるようになった。しかし、理解した〈つもり〉になっていないだろうか。実際にその当事者を見かけた場合、興味の対象物として見てはいないだろうか。小野のこのセリフで改めて気づかされた。大事なのは、その知識があるうえで、その人のためにどう行動するのか。その第一歩が重要だと考える。
というのも、なんか理想論なんだよな。一人ひとりの考え方は違うからなぁ。そんな深いテーマを考えさせられた映画だった。
理解したい気持ち
自身が腐女子ということもあり鑑賞。
後半、サエが全校生徒の前でBL好きを明かすシーン
に心打たれました。
自分の口で自分が感じたことを大勢に発信するというのは、私にとってはバンジージャンプを飛ぶくらいのものだから、ジュンを理解したい気持ちから派生して行動に移せる彼女は純粋にかっこいい。
でも、現実世界にそれが出来る人はそうそういないだろうし、そこがこの映画の「ファンタジー」な部分でもありました。
あとは、ジュンが飛び降りたあと、学校全体で話し合いをさせるシーンが気持ち悪かった…。
自己開示しない自由もこの世界にはあって欲しいです。
ただ、全体を通して、主演2人のことをより一層推したくなり、自分の世界を立体的にしてくれる大好きな作品となりました。
「神尾楓珠がゲイの高校生役❤️」と腐女子目線で見始めて申し訳ない!
神尾楓珠がゲイの男子高校生役か!という腐女子目線で見始めたのですが、LGBTのことも高校生の危うさも腐女子の矛盾も上手に描かれた良い作品だと思いました。
神尾楓珠は影のある少年がなんと似合うことか!物静かで周りに必死で溶け込もうとして苦しむ男子高校生を素晴らしく演じていました。時々言葉が乱暴になるとこ、感情が溢れてしまうところ、戸惑いつつ一生懸命に生きている姿がとても良いですね。
そしてそんな純を取り巻く全員が魅力的。年上の彼氏の誠さん。大人の色気と狡さを持ち合わせていて、とても素敵。お調子もので純が大好きな幼馴染の亮平、硬派でぶっきらぼうな小野君、そしてそして元気で純粋で真っ直ぐな腐れ女子で彼女の紗枝ちゃん。
腐女子、隠れゲイという2人がお互いを理解しようと寄り添う姿が感動的でした。純君には自分らしく生きていけばきっと明るい未来があるよとエールを送りたい。
腐女子目線で書き足すと、誠さんと純、紗枝ちゃんと純の2つのベッドシーン交互に出るシーンが最高でした。純の受けと攻めを一度に見れるなんて!貴重!監督よく分かってらっしゃる!ありがとう!
所詮、ファンタジーなのかな。
最近のLGBTQへ理解とか、自分自身全く出来てないし、実際に会ったらこの映画と同じように冷ややかな目で見てしまうだろう。マイノリティを重視する世界は好きじゃないし。
そういう人の目線の映画は数あれど、主人公がそういう感覚の持ち主で、同じような感覚の周囲との成長物語は初めて見た。いい映画だった。
ホモである事がバレるまでの展開が早く、後半で分かり合うストーリーになるんだろうなと想像はできたが、山田杏奈の明るい表情と思いストーリーのコントラストが素敵で、映画に引き込まれるようにマイノリティの気持ちを少しは分かることが出来なような気がした。
普通に生きることの難しさは誰しもが感じることだろうが、こういう人達こそそういう辛さが多いことを改めて感じ、多少はLGBTQを理解出来たと思う。
下手な恋愛映画よりもずっとリアリティのあるストーリーに仕上がっていたと思ったし、今まで見てきた山田杏奈の映画で一番適役だったと思う。
タイトルの軽さからは想像できないほど重く、繊細な映画ではあるが、結局彼女の好きなものを知ることがいちばん簡単で難しいことなんだろう。いいタイトルだな。
泣くまでとは思わなかったけど、映画館で見れなかったので配信で見れてよかった。
原作通りだとしたら、今そうする必要はあったのだろうか
キャラクター造形がやや類型的。
この作品が扱いたい問題のありかはわかりやすくなったとは思うが、当事者以外の周囲の人間をあそこまで誰も彼も無神経に描くのは今となっては単純化しすぎでは。
小野の「理解者のふりしてキャラ扱いしてないか?」は重要な指摘だけど、主人公が周囲の無神経に削られていく状況を妙に丁寧に描写した挙句に小野自身が一番ひどいアウティングをしておいて、その結果自殺未遂をした主人公に「自分だけ辛いと思うな」と言い放つのはどうなの……。「謝罪したとてどの口が?」と思ったくらいには功と罪の比重がアンバランス。安全圏にいる人のエクスキューズとして和解させたのかな?とも感じてしまった。
ヒロインの体育館での腐女子カムアウトからの流れも、相当配慮があったドラマ編でも「アウディングをいい話風に描くのはどうなのか」という議論があったと記憶しているが、今回もその扱いに疑問を感じた。
何度目の青空か?
前知識なしに鑑賞。
山田杏奈さんの出演作品なので一筋縄ではいかないとは思ってましたが予想外に涙の溢れるシーンばかり。
自分だったら?ハブるほうに加担しないと言い切れるか?相手の側に寄り添って思いやれるか?
表彰式のシーンが。私はてっきり流れが変わって転校せずにやり直すとか一旦別れてもまた一からお付き合いしませんか?とかになると期待したんですが。思うようにならないのは現実社会も映画も同じ。
登場人物全員にドラマがある。本当に面白い青春映画。
重要なことですが
「スタッフロールの後に重要なシーンがあるかもしれないから劇場の照明が灯るまでは絶対席立ってはいけない」
皆さん、肝に銘じておきましょう。
正直、ポスターを見た時点で「キラキラ恋愛映画」の雰囲気を感じていて鑑賞する予定は無かったんですが、実際公開されてみるとめちゃくちゃ評判が良い。普段から映画を観ている映画レビュアーからもめちゃくちゃ評判が良い。評判の高さに背中を押されて鑑賞です。
結論ですが、本当に面白かった。細かな演出やキャラクターの心情描写などが光っていて、本当によかったですね。「良い映画は数日引き摺る」というのが私の持論なんですが、鑑賞から3日経過した今でも本作の素晴らしいシーンが脳内で流れている気分です。
・・・・・・・
ゲイであることを隠して「普通の男子高校生」として生活をしていた安藤純(神尾楓珠)は、ある日クラスメイトの美術部員の三浦紗枝(山田杏奈)が本屋でBL漫画を購入しているところを目撃し、紗枝は自身が腐女子(BLが好きな女性)であることをカミングアウトする。共通の秘密ができたことで二人は急速に距離を縮め、友人グループで遊園地に遊びに行った際に紗枝は純に告白する。純は紗枝に対して恋愛感情は無かったのだが、ある理由からその告白をOKし、二人は付き合い始めることになった。
・・・・・・・・
とある映画レビュアーさんが「タイトルで損している」と言っていましたが、私は決してそんなことないと思います。原作のタイトルが『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』で、本作はそのタイトルを短くして『彼女が好きなものは』となっています。それによってタイトルから内容が分かりづらくなっていることは確かですが、私はこのタイトル変更は大成功だと感じています。
本作では「彼女が好きなものは〇〇であって××でない」という構文が何度か登場し、毎回入る言葉が変わります。この「彼女が好きなもの」の変遷がキャラクターの心情や関係性の変化を如実に表していて、本当に素晴らしかった。
そして全キャラクターがとにかく魅力的。それが本当に凄い。
ヒロインの紗枝は言わずもがな、観た人全員が前田旺志郎演じる純の親友の亮平が好きになったと思います。後半にクラスに純がゲイバレしてしまう原因となった小野も終盤で彼なりの考えがあったことが分かりますし、純と不倫関係にあった今井翼さん演じる誠も彼なりの葛藤があることが示唆されます。
特に、妻子がありながら純と交際していた誠は、「もし純がゲイであることを隠し通して紗枝と結婚していた彼のようになっていただろう」というのが感じ取れる素晴らしいキャラクターでした。今井翼さんの演技力や雰囲気もあってか、「高校生に手を出している妻子持ちのオッサン」なのに嫌悪感をあまり感じないのが凄いですね。
語りたいシーンは数多くありますがキリがないので割愛。
しかしこれだけは語りたい。ラストシーンは感涙ものでした。
ファーレンハイトと名乗っていたSNS上での純の友人が自殺し、その彼の自宅へ赴いた後のシーン。純と紗枝が別れるシーンですね。好きだけど、好きだからこそ別れることを決めた二人は別れ話の直後とは思えない何だか清々しい雰囲気で「生身の男で初めて付き合った?」「うぬぼれるなバーカ」と軽口を叩き合います。これが今年1月に鑑賞した『花束みたいな恋をした』の、麦と絹が別れた後に付き合う前のような関係に戻ったのを想起させる素晴らしい展開です。そしてスタッフロールの後にある短いシーン。美術部の紗枝が賞を受賞した絵画のタイトルが……。これは本当に良かったですね。
今年も間もなく終わりそうな年末の時期ですが、ここにきて今年ベスト級の映画がきてしまいましたね。『花束みたいな恋をした』といい本作といい、今年は恋愛映画が豊作の年だったんじゃないでしょうか。素晴らしかった!!!オススメです!!!
ゲイの苦悩を描きつつ、いい感じに青春映画に収まった快作
今絶世の美少年との声が高い神尾楓珠がゲイの安藤役に
そして若手女優で一番評価の高い山田杏奈が相手役のBL好きの三浦に挑んだ本作
中盤、ホモバレした教室内で小野の吐く正論に親友の高岡も言い返せない
このシーンは「はっ」っとさせられた。
そりゃいくら親友であっても身構えてしまうものは身構えてしまう
そして投身自殺未遂をした安藤が吐露したホモの苦悩は分かりきっていたことだけど
本人にとっては切実すぎる苦悩に変わりない
終盤、美術部の三浦が描いた画が表彰される事になり
壇上に上がった三浦がBL好きである事と安藤どんな思いでいたのかを告白するシーンにちょっとうるっときたり・・・
やめさせようとする教師を真っ先に壇上に上がり阻止する高岡(このあたりで高岡の好感度が振り切れる)
そして正論マン小野の意趣返しと動かない安藤を動かす発言は流石
物語ラストに安藤がSNSで長らく親交のあった亡くなってしまったゲイの友人の元へ
こういうラストもあるのだよという見せ方
まだまだゲイへの理解度が低い昨今の日本
序盤のベッドシーンに一種の嫌悪感を抱いてしまった自分が言うのもなんであるが
理解せずとも許容できればいいのではないかと勝手に思ったり
あと物語的には前田旺志郎演じる高岡の存在が安藤と映画を見ている者の救いになっていたなぁと
評価 4.4
教育映画?
身内にいるせいかLGBTでも家庭は築けるよ、って言ってあげたい。
別にカミングアウトせんでもいいし。
でも1人くらい気づいてもいいんじゃないかと思う。親友はてっきり気づいてるんだと思ってた。結局どの恋愛も上手く行かなかったし、内容も現役(?)の学生さんがディスカッションしたり冷めちゃう。
一つくらいハッピーエンドください。
山田杏奈も神尾楓珠もいいじゃないか👍
BL好きの三浦さん(山田杏奈)とゲイの安藤(神尾楓珠)のいびつな恋愛話だが、単純に言うと好きになった男の子がゲイでショックだったという話だが、ただそれだけで終わらせないのが、山田杏奈さんと神尾楓珠の演技の素晴らしさなのです。山田杏奈さんはただ可愛いだけではなく、何故か引き込まれる魔力を感じます。神尾楓珠はボートレースのCMの棒読みしか知らなかったので不安だったが、見事にゲイの影のある役を演じていました。亮平役の前田旺志郎君も良い役者さんになりましたね。本当にいい奴を演じてました。そして、脇役だがこの映画の核心部分を突いてくるのが、小野(三浦りょう太)なのです。彼が放ったセリフ「理解したいと言ってるけど、目の前に現れたら引くだろ」「安藤をキャラとして見てるだけだろ」亮平に向かって「なんで、ちんこ触らなかったんだ?」などなど。でもいい奴なんです。
お互いのことを知った上で、好き同士になった
安藤と三浦さん。「ラブとライクは違う」と言うセリフがあったが、2人はそれのどちらにも当てはまらない境地にたどり着いたのかな。
エンドロールの最後に出てくる三浦さんの絵がしっかり締めてくれました。
追記:ファーレン・ハイトの声は磯村勇斗だったんだあ。この心の声みたいに度々聴こえてくる
この役もこの映画の大事な部分です。
檻の外から動物を見る
最近この手の映画を観ると「うわー青春だなぁ」と思っておじさんになったということを自覚させられるという負の循環?に入ってる。
それはさておき、山田杏奈さんがとびぬけて可愛い。
ひらいてとは真反対の性格の女子高生を演じていて「もう僕は彼女の虜だ。」とまで思ってしまう。
それくらいの何かを持ってる。
これから先国民的女優になっていくんだろうなと思った。
脚本自体は2時間で話をよくまとめたなという印象。(原作小説未読だが)
初デートから告白までがゴッソリ飛ばされてるのが気になるが、そこが山田さんの演技力で補完されててすごいなと思った。
特に、冒頭から純の性格や境遇、出逢いをテンポよく描いてまとめた手腕は見事。
さらに池袋でのアニメイト→水族館のシーンで三浦のゲイの方々への見方がよく表現されていた。
彼女が作品の中でゲイを見るのが好きというのは檻の外から動物たちが動き回る様子を見るのと同意義であるというのがわかって見事。
僕自身も三浦と純のカップルをいつしか好きになっていたので最後の最後に別れようという話になったのは残念。
だけれどもそういう感情も僕が外から映画の中の彼等を見て思ったこと、即ち檻の外から動物を見ていたんだなと気づいてしまった。
けれども、彼女があれだけ割り切って純の前でBL本の話をしていたのだから僕も割り切ろうと思う。
僕の中の彼等はこれからも良き友達であるんだろうなと思う。
後、前田旺志郎くん演じる亮平が良い奴すぎて「くぅ〜」となった。
何度彼に救われたか。
三浦さん演ずる小野くんも「くそっこいつカッケェな。」と何度思ったかわからない。
登場キャラクターを皆魅力的に描いてたのがすごい。
そして主人公の純。
神尾さんが周りと相入れられない孤独な少年を好演していた。
大人と付き合ってるから周りよりは大人を知ってるような気になるけど、中身はやっぱり子供で自分の気持ちにうまく折り合いをつけられない具合が身に沁みた。
純が病室でお母さんに自分の心情を吐露するシーンは素晴らしい名シーン。
何度この純に泣いたかわからない。
周りと違う自分が嫌で周りに合わせようともするけれどもやっぱり合わせれない自分が嫌で嫌で消えてしまいたい。
そんな気持ちはゲイだろうが腐女子だろうが男子高校生だろうが女子高校生だろうが社会人だろうが誰もが経験したことがあるのではないだろうか。
少なくとも僕は経験したことがあったので本当に号泣した。
【追記】
タイトルも「彼女が好きなものは」と下の句を想像させるようになっているのも良い。
彼女に限らずみんなの好きなものを考えながら見るとまた違った深みが出る。
New Normalな青春物語
原作未読。予告編だけ。というか、山田杏奈が出てるだけで観に行きました。BLも腐女子もよくわからん世代。NHKのドラマも見てない。
私のベスト映画は大林宣彦監督の「転校生」なのですが、映画を観てて、ずっと、これがニューノーマルな転校生なのかも、と多分、ヒトにはわからないだろうなと思ってたりしました。
まあ、それはさておき、山田杏奈はやはり惹かれます。
最後の駅のシーンも良かった。
この後二人がどうなるかはわかりません。結ばれるように願うのは、LGBTを否定するような気もするし。
とりあえず、今年のベストにしたいです。
タイトルに文句つけてるProレビュアーもいますが、
駅でのシーン見て無いんですかね。残念な人です。
コメディタッチの映画かと思いきや、
BLな腐女子と恋愛する面白い映画かなと思って観たら、最初からゲイのハードセックスの描写になり思わず席を立とうと思った。
そこからゲイである葛藤から来るシーンからの急展開に惹きつけられ最後には感動した。
なかなか深いテーマだが周りの友達や彼女の暖かさ、可愛さになんとか救われた気がする。
ラストも別れてしまうが二人が前に進んで行こうという気持ちが、実に爽やかで前向きな気持ちにさせられた。
エンドロール後の彼女の作品はこの映画の余韻に浸れる。
当事者だが、あまり刺さらなかった
同性愛者とそれを取り巻く人々の葛藤に真正面から取り組んでいる点は良かったと思う。私自身ゲイだが、学生時代の自分と重ね、主人公の悩みにある程度共感することができた。
しかし、なんとなく感動しきれなかったので、思いつく限り理由を挙げてみる。
①思春期のゲイに特有の悩みがあるのは確かだが、ずっと悩んでいるわけではない。
ストレートの男友達との間に壁を感じることはあるが、常に感じているわけではない。
共通する趣味の話をすれば楽しいし、同じ学校に通っていれば、イベントの話、勉強の話、最近流行っているものの話など、性的指向が違ったとしても共通の話題はたくさんある。
映画である以上、「悩める存在」としてデフォルメするのはある程度仕方ないと思うが、(あの映画の中でも言及されていたように)主人公の彼はあくまで同性愛者の一例に過ぎない。ゲイだって、ちゃんと学生生活を楽しんでいる人は沢山いるはずだ。
②ドラマ版の要素をほぼ踏襲しているが、展開が早い。
主人公とヒロインが付き合い始めるまでの過程や、ゲイバレ後の友人の動揺など、雑とは言わない(むしろ短時間でまとまっている)が、どうしても展開が早いと感じてしまった。主人公を取り巻く人々がどのように考え、身近なゲイの存在を受け容れていったのか、より明確に描いてくれるとよかったと思う。
③主人公の悩みが思春期然としていて、大人にも刺さるのか疑問が残った。
学校という狭い世界で、気が合っても合わなくで毎日同年代の人々と顔を合わせなければいけない思春期のゲイが、人間関係に思い悩むのは理解できる。(実際、自分も悩んだ)
しかし、大人になれば、良い意味でも悪い意味でも、周囲の人は「他人」じゃないだろうか。生まれ育った環境、価値観、経済状況がそれぞれ異なるのは当たり前で、その上で誰かと仲良くなったり、人間関係を作っていく。共通する部分があれば当然嬉しいが、違う部分があっても、いちいち目くじらを立てることはない。友達も、恋人も、まずは「他人」という前提を置いた上で、関係を作るものだと思う。そう考えれば、性的指向の違いは数ある違いの一つに過ぎない。その違いがどうしても気になるなら、その人とは友達にならなければいいし、気にならないなら、仲良くなればいい。
主人公は、自分と周囲の人間の違いをかなり大きく捉えているが、大人になれば、数ある違いの一つに過ぎないと気づく。
気付いていない主人公は全く悪くないし、自分も学生時代は悩んだので共感する部分は大きい。しかしそれは、「思春期の悩み」でしかない。大人になったゲイは、おそらくこの映画で描かれた悩みを既に乗り越えた人が一定数いるのではないだろうか。
冒頭でも言ったように、同性愛者やその周囲の人々の悩みに真正面から向き合った点は良かったと思う。しかし、この映画も、ゲイの全てを描けているわけではないし、現実を完璧に反映しているわけではない。
この映画を鑑賞した人が、映画だけで同性愛者の実態を理解した気になるのではなく、映画で描ききれていない「摩擦」や「空気抵抗」に目を向けていただければと思っている。
原作に忠実
原作、漫画全て購読ずみです!
よく、映像するが為に原作をかなりいじってしまう映画はありますが、こちらはほとんど原作に沿っての設定、ストーリーだったと思います。
原作のミスター・ファーレンハイトの相手役などはエイズ関係でかなり出しにくい存在だったと思うのでその点は仕方なかったと思います。
ですが内容は本当に素晴らしくて、何度も涙ぐんでしまいました。
繰り返し見たくなる魅力的な映画
山田杏奈さんのファンなので鑑賞しました。ネタバレあります。
舞台挨拶を含めて3回見ました。繰り返し見たくなる素敵な映画です。
山田杏奈さんは「ひらいて」の愛ちゃんに続いて表現が難しい役でしたが、素晴らしかったです。
ただし「山田杏奈かわいい」だけではレビューにならないので、あえていろいろ書きます。
まず原作を読んで、結局は男性が書いた小説だな、という印象を受けました。視点が主人公の男性目線から動かないんですね。三浦さんは安藤くんの成長(大人になるための通過儀礼?)のためだけに登場したのかな、と思いました。
でも映画は三浦さんの視点からの景色や心情も丁寧に描写されていて良かったです。体育館で演説するシーンとか。
ただし三浦さんが安藤くんを好きになった理由が少し弱いかと。本屋で出会う、秘密を共有する、急接近する、という感じです。三浦さん自身も同性愛で悩んでいて、異性を好きになりたくて安藤くんで試した、というのなら対等な関係だと思いますが、そうではないんですね。
それと小野くんが三浦さんと安藤くんの会話を盗み聞きして、体育館で亮平くんに伝えただけで、クラス中どころか他学年にも噂が広がっているのは少し無理があるかと。いくら小野くんがクラスの中心人物でも、良くも悪くも無関心だったり輪に入れない人もいると思います。
100パーセント完全に他者を理解することは可能なのか、という問いをこの映画に勝手に見出していたのですが、三浦さんは安藤くんを理解したいと思い、安藤くんは三浦さんを理解したいと思っているので、その分かり合おうとするプロセスが大切なのかな、と思いました。
最後は「遠距離は無理」という非常に現実的な理由で別れてしまいますが、「BL星」という架空の世界に逃げ込むのではなくて、ちゃんと「地球で暮らす」みたいなセリフがあって良かったです。
ふたりともこれからも現実世界で生きていかないといけないですもんね。摩擦も空気抵抗もゼロにならない現実で。ゼロにして世界を簡単にして分かったフリをするのは楽だけれども。
3回見た時点では、まだ全ては理解できていないです。込められたメッセージは深いと思います。
でもあまり深く考えずに何となく見るのも全然アリだと思います。
いろいろ書いてますが、間違いなく見る価値のある映画です。
とりあえず、とにかく、オススメできます。
「ウンチマンZ」の落書きはともかくとして。
結構、心にずしりと来る
エンドロール後の絵が素敵なんです。
素敵だから、これを描いた人は被写体の人を本当に好きなんだろうなって、思わせてくれるの。
そして、絵のタイトルも良い。
エンドロールの前のシーンが有ってからの、このタイトルだからね。
紗枝にとっては、辛い事も有った恋愛なんだろうけど、純の事を好きになって良かったと思える、そんな恋愛だった証しになる絵なんじゃないかな。
欲を言えば、この絵をパンフレットに載せて欲しかったな。
紗枝を中心に見ると素敵な恋愛映画だと思います。
そして、この映画の持つもう一つの顔。それが、想像以上にずっしりと重かった。
教室のディスカッションのシーン、同性愛者を否定する人は誰もいないんです。
でも、どこかみんな綺麗事を言っている様にも感じる。
だからと言って、嘘を言っているわけでなく、本心からの言葉だとは思うの。
ただ、うわべだけの感じは拭いきれない。
なら、観ているお前はどうなんだと問われた時、私も彼らと同じ様な答しか出て来ないんですよね。
そして、この後も心を揺さぶられる出来事が起こるんです。
それなのに、映画が終わっても答が出せなくて、心に重い物が残るだけでした。
書きたい事もっと有るけど、長くなりそうだから、まとめます。
素敵な恋愛と重いテーマ、二つの顔を両立させた良い作品だと思います。
山田杏奈の爆発 (大嫌いな自分)
来ましたがな。来た来た。山田杏奈が久々に(割と)普通に可愛い役。と言うか、かわいさ爆発。クライマックスでも爆発して、ガッツリ泣かしに来るし。テーマは一見流行りのマイノリティものと見せかけて、実はグサリと刺しに来ます。コレは、しっかり年一候補でした。
甘っちょろく無い話。「見せかけの優しい世界」も「アリバイ作り的な言葉だけの寛容」も否定する脚本が大好き。学級会で理解者として発言するクラスメイトに向かって小野が言います。
「目の前の安藤を避けていたじゃないか」
体育館でマイクを奪った三浦さんは、カミングアウトして泣き崩れ。自らが自らを隔離するために作った壁を取り払い、静かに歩み寄って行く安藤。三浦さんが大好きな安藤の出した勇気が、一時的なものに終わりません様に。
ここが年一場面でした!
良かった。とっても。
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12/6 追記
◆なぜ、あえて「ホモ」なのか。
「ゲイ」と言う呼び方は、まだ良いとして。LGBTは、いわゆる人権屋・人権派の自称知識人と文化人、弁護士が使いだした呼称。当事者の中には、彼らが「当事者達を食い物にすること」を知っている者が居る訳で。具体性のない悪平等を、単に情緒だけで要求する人たちが溢れ返っている我が国にございます。実際、「ほっておいてくれ」と声を上げる人も少なくない訳で。
「ホモ」と言う言葉は、そうした偽善的風潮へのアンチテーゼ。
との理解。この映画が、あえてドロドロした、普通の人から見れば「汚らしい」性行為のシーンから、生々しくもドギツク始まるのは、あえて同性愛の実態を見せる必要があったから、だと思います。
◆「そんな目で見ないで」なんてのは求めていない
汚いものを見るような目で見ないで欲しい。存在を認めて欲しい。ってのは、ミッドナイト・スワンあたりの文法。この映画の真の主張は、ちょっと違います。
「同性愛の自分を嫌いになるな」
世間一般の人に「認めて欲しい」と訴えるより前に、ホモに向かって「自分が一番嫌いなのは自分」、だなんて考えちゃいけないよ。と囁いてくれる映画。だと思う次第。
男同士で0.01mmとか、勘弁してくれよぉ。って、正直思いますけどね。本人達が、それが良いって言うんなら、好きにすりゃ良いやん。って事で。
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