「人の道に非ず…」モーリタニアン 黒塗りの記録 KEIさんの映画レビュー(感想・評価)
人の道に非ず…
クリックして本文を読む
9.11は今でも衝撃的テロ行為で映像が脳裏にある。当然、テロリスト達を逮捕、実刑に処すことはあって然るべきだ。躍起になるのもわかる。しかし、映画ザ・レポートでもあったが無理やり自白強要する行為は正義と呼ばれるものではなく、非人道的行為だ。モハメドの語る再現シーンはおぞましく、胸にズシんと来るものであった。映画は一種の法廷闘争劇物ではなく、政府側であるスチュアート中佐の正義を貫く姿勢が最大のハイライトだと思う。被告の有罪無罪に因われず、あくまでも被告人の権利を主張するクールな弁護人ナンシーが、彼が受けた拷問を知り、寄り添うようになる姿も脚色あるかも知れないが良かった。この変わり様を演じるジョディ・フォスターはさすが。無罪になった後も長年拘束されたのが理不尽でならない。エンドロールで彼の笑顔が見れたのが救いだった。しかし、こうした拷問行為が余計に反米感情を生み出す負の連鎖に繋がると思う。
コメントする