「政府が、国民が、ヒステリックになった時の恐怖」モーリタニアン 黒塗りの記録 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
政府が、国民が、ヒステリックになった時の恐怖
9.11の首謀者の一人として捕らえられたグアンタナモの捕虜収容施設に入れられた若者を救うべく奮闘する女性弁護士の物語。
実話に基づいたお話です。
女性弁護士を演じたジョディ・フォスターが主演ですが、国側の検察官として使命された海兵隊検事を演じたベネディクト・カンバーバッチ、捕虜となった若者を演じたタハール・ラヒム。それぞれが素晴らしい演技と存在感を魅せてくれました。
9.11という、ショッキングな事件。冷静さを欠いた政府と世論を向うにまわし、法を守るべく必死になる主人公が素敵です。
友人を失った恨みを捨て、上席からのプレッシャーに怯むことなく法律家としての矜持を守った検事が素敵です。
そして、数年に渡る拷問の中でも、英語を学び、希望を捨てなかった若者も素敵です。
ただ、wikkiを観ると、グアンタナモ釈放後に、テロ活動に戻った人も一定数いる・・・とのこと。必死になって助けた人がテロを行い大勢の人が殺される未来を想像すると、空恐ろしくなります。
私的評価は4.5。社会性が高く、極めて私好みの作品でした。
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