「知的で優しすぎる復讐劇に、悲しみがとまらない」プロミシング・ヤング・ウーマン Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
知的で優しすぎる復讐劇に、悲しみがとまらない
てっきり、下ネタもタップリに、どぎつく男どもをやっつける猛者女の話だと信じて疑いませんでした。最後は、ヒロインの乾いた笑いが劇場に響きわたると思いましたが、内容は悲哀に満ちたサイコスリラー。
お持ち帰り男に何もさせずに叩く、かつての同窓の女性に暴行されたと言う恐怖を味わせる、女性学部長?に娘が拉致されたのではないかと悲鳴を上げさせる……
これらは、みな大学時代の親友絡みの暴行事件に由来しているのだと、しばらくして気づくのですが、キャシーは畳みかけたりせずに寸止めしてしまう。ある意味、控え目で教育的な復讐劇。
キャシーのファッションや振る舞いなど、映像は全て刺激的でキッチュだったのに、キャシー自体は聖なる存在に近い。
人は本来は善なるものであり、遠い所からの復讐でもきっと分かってくれると信じる、天使のようなキャシー。
恋人と結ばれて、さてどんな展開になるか。
暴行事件の録画が登場するまでは、キャシーとニーナは同一人物かと思ったりもしてました。忘れるために多重人格化した…とか。
キャシーに決定的に腹を括らせたものは、当事者の男だけじゃなく、実は群衆心理で簡単に傍観者と化してしまう男ども、女ども。しかも、その中に最愛の男が含まれていた!
だが、待っていたのはむごい悲劇で、キャシーはその悲劇まで想定していたものの、悲しすぎる。ずる賢くて立ち回り上手なだけが取り柄の男どもに、負けて欲しくはなかった。
人は一人でもかなり悪く愚かだけど、集まれば更にどうしようもない存在になり得るのだと、やや肩を落として帰りました。
Uさん、コメントありがとうございます♪
ジャンル映画的にしたくなかったのだとは思うのですが、もう少し胸がすくようなお仕置きシーンが欲しかったです〜…。
キャシーの結末は衝撃的でしたね🌀