劇場公開日 2021年7月16日

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「後味痛快。フェミニズム万歳。衣装にも注目。」プロミシング・ヤング・ウーマン 清藤秀人さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0後味痛快。フェミニズム万歳。衣装にも注目。

2021年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

クラブのソファにだらしなく座り、泥酔していたはずの主人公キャシーが、その後、豹変して言い寄ってきた男たちに鉄拳を喰らわす。それには理由があるのだが、キャシーが夜な夜な繰り広げるリベンジマッチは、新しいボーイフレンドの登場によって少し捻れて、やがて、彼女をさらなる絶望と怒りの淵へと追い込むこととなる。監督も兼任するエメラルド・フェネルの脚本は、起承転結の中の、特に結、言い換えれば伏線の回収部分で強烈な展開力を発揮する。まるで複雑な数式に対して明確な答えが提示されるように。なので、後味痛快。フェミニズム万歳。この映画の後、恐らくバチェラーパーティに関するコメディ映画は作りづらくなるのではないだろうか?そもそも、もうそんな時代ではないのだ。キャシーの何層にもなった感情を、表面的には怠惰な演技で表現するキャリー・マリガンが凄くて、その姿はしばらく脳裏から離れない。ラストシーンでキャシーが纏うラバー製のナース服を含めて、エスプリが効きまくったガーリーなワードローブにも是非注目して欲しい。

清藤秀人