プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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加害への責任を約束する
第93回アカデミー賞の脚本賞を受賞した本作品。
実はそれを知ったのは鑑賞後で、何となくみた作品。
けれど、おもしろかった。とりわけ男性の性加害への責任の問題を適切に明るみに出しているようだった。
主人公は、医大に進学しプロミシング・ヤング・ウーマン(前途有望な若い女性)であったキャシー。キャシーには、幼いころから仲良かった親友のニーナがいた。しかしニーナはある日のパーティーで泥酔させられ、同級生のアルにレイプされる。その事件がきっかけで、ニーナは自死し、キャシーは退学をする。精神的に不安定になるキャシー。彼女は、どこにでもあるカフェで何となく働き、30歳になっても親と一緒に住んでいる。そんな彼女は、夜な夜なクラブへ行く。そこで泥酔しているふりをして、男性にお持ち帰りをさせ、男性に鉄槌を下すのであった。
そんなことを繰り返していたある日、かつての同級生であったライアンと再会する。彼と親しくなり、心の傷は癒されるが、ニーナのレイプに加担した同級生の話も聞くことになる。そしてキャシーは、同級生らに復讐をしていくのであった…。
同級生がニーナのレイプに加担したことに対する言い訳が、テンプレート過ぎた。しかしそれが現実世界における性加害への正当化の常套手段でもある。
言い訳で使われるのが、「若かったから」「彼女も合意してたから」である。「若いから性加害をしてよい」はなんの合理性もないし、アルコールが入ってて合意がされることは客観的にいって無理がある。けれど、現在、医者として社会的に地位がある者が、過去の罪を償う時のありふれた言い訳なのである。この言い訳で正当化する男たちにキャシーは不正を感じ、鉄槌を下すのであるから痛快である。
しかも鉄槌は、女性であるかつての学長や同級生にも向けられる。女性であっても社会的に地位が高い者が性加害に見て見ぬふりをすること、傍観者であること、そして上述の言い訳を行使するのであれば鉄槌の対象なのである。
ライアンにも鉄槌が下ることも痛快。中盤、幸せな同棲生活のシーンがあり、ここで終わるのかと思った。しかしニーナのビデオが発見され、そこでライアンも傍観者として加担していることが発覚する。精微な脚本だと思った。
もう一つ印象的なのは、ニーナが一度も登場せず不在であること。
キャシーが所持している写真から外見は確認できるが、動く彼女は最後まで登場しない。キャシーの語りやニーナの母を登場させることで、ニーナを浮かび上がらせる手法もさすがだと思った。安易な過去のシーンを挿入していないのもいい。
ただ最後の結末はあれでよかったのかなとは思う。キャシーは死ぬことで、最後の復讐が果たされる。しかしプロミシング・ヤング・ウーマンは、この世からさり、男性たちは生き延びる。例え罪が適切に与えられたとしても、死の方が重い。未来がないからである。あまりにもキャシーに救いがないような気がする。
以上のように述べた私自身も、本作を透明な主体として高みからレビューできる地位には属せないし、属してはいけない。過去に、いや現在においても罪として断罪されない無数の加害をしてしまっていると思うからである。
本作で不在な主体に加害を引き受ける主体がある。弁護士はかろうじて過去の罪を背負い続けている。そのためキャシーに赦されるが、社会正義へは向かない。私は、加害への責任を引き受け、社会正義の実現を目指していきたい。ここでこのように述べることもなんだかエゴイスティックな気がするが、それでも言わなければいけない気がする。
胸糞悪さと痛快さの詰まった復讐アトラクション・ムービー
ポップで心地いい映像と音楽、主人公キャシーが仇達に加える制裁の段取りの小気味良さ。殺伐とし、まさかと思いながらほっこりとしかけ、すぐさまどん底に突き落とされる絶叫アトラクションのような筋立て。
そんなエンターテイメント性たっぷりの物語の底に横たわるのは、レイプ被害の救いのなさ。人生を砕かれ周囲にも理解されない被害者と、何事もなかったかのように人生を謳歌する加害者、その残酷な構図だ。
医大の同級生によるレイプ被害と周囲の無理解を苦に自殺した親友ニーナの無念を晴らすことに一身を捧げるキャシー。レイプ主犯の男がイギリスにいて復讐のチャンスが巡ってこない間も、類似の男達の退治に余念がない。やがて主犯の男が帰国するとの情報を得て、当事者達への復讐行脚が幕を開ける。
キャシーの復讐の基本セオリーは、「相手をニーナや自分と同じ精神状態に置く」ことだ。「お前が同じ目にあったらどうする」と言葉にしてみればありふれた台詞だが、キャシーは手加減なしでそれを実行する。そしてレイプをした当人だけでなく、ニーナの訴えを信じなかった傍観者も、女性であろうと制裁対象だ。
声をあげにくく、社会に理解されづらい状況にある被害者と、そんな被害者の弱みに付け込んだ加害をし、罪悪感のかけらもなくのうのうと生きてゆく加害者。この理不尽さは、キャシーのような「前途有望な若い女性」がその立場を投げ打って復讐するに足るほど深刻なものであるということだ。何故なら、その行為はニーナのような「前途有望な若い女性」の命を奪うほどの重さを持つのだから。
男性の描写がとにかく容赦ない。キャシーの罠にひっかかる男達、レイプ事件の当事者、道端の作業員といったモブにいたるまで。一見どこにでもいそうな男達が、キャシーの前でゲスな姿を晒す。初手ですぐゲスさが判明するタイプから、根深いところに隠し持っているタイプまで。
男性が鑑賞するとちょっとげんなりするのではと思うほどだが、どうにか救いのある描き方をされる男性も二人だけいる(それが誰かは、最後まで見極めが必要だ)。女性の傍観者もキャリーから手の込んだ仕打ちをされていることを合わせて考えると、男性対女性という対立構造のみでジャッジするわけではない、という意図も感じた。「女性の味方」といった括りに収まる作品ではないのだ。
相手の受ける傷や人生など一顧だにしない無自覚な加害者と想像力のない傍観者は、さまざまな状況の中に存在する。キャリーは彼らの被害者の怨念を全て背負って闘う仕置人のように見えた。
基本的に胸糞悪い話なのに、娯楽性の高いサービス精神旺盛な作りとキャシーの復讐手腕の痛快さに、もう一度見に行きたくなってしまう。フェネル監督(女優でもあり、キャリーが見るメイクアップビデオにちらりと登場している)はこの作品を「ポップでかわいくて楽しい感じの毒入りキャンディ」と言っているが、まさにぴったりだ。
観客の心をえぐり、見る人の考え方を映す鏡のような映画
見終わった印象はデビッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」に近くて、観客の心をグサグサとえぐる感じがありました。ただ本作ではビビッドなテーマをあつかっているため、鑑賞後「ああ、面白かった」だけでは終わらず、いろいろと考えさせられるところがあります。
ある理由でまわりから1人だけ取り残されている主人公の女性キャシーがとる行動について、いろいろな捉え方があるはずです。彼女に感情移入して痛快な思いをするか、哀れに思うか、何もそこまで……と感じるか。そうした感想を語ることで見る人の考え方が映される鏡のような映画になっていると思いました。
男性優位社会というシステムの加害性をポップに暴く
この映画を観て、「男なんてみんな死ね」という乱暴な物言いが、すごく身近なものに感じられた。もちろん男性がみんな死ぬことなんてありえないし、本当に死ねと思っているわけでもないが、ガチガチに固められた女性を搾取するシステムの中に自分自身も取り込まれていることを突きつけられて、しかも男性のひとりとして「悪意なき傍観者」という立場から抜け出そうにも変革する術が見つけられず、じゃあもうこのシステムを終わらせるには男性がみんな死ぬしかないなと、そんな暴論を半ば真面目に考えてしまうのだ。
脈々と受け継がれてきた男性優位の歴史の中に、自分も生きている。気持ちの上では主人公の怒りや憤りに共感し、踏みつけられてきた女性たちを思って胸を痛める。しかし、それが何になるというのか。世の中が1ミリでも良くなって、虐げられてる女性を救えているだろうか? と、現実の社会の底なし沼みたいな闇の部分と、それを支えている偽善の在り処を、徹頭徹尾ポップに、ピカレスクものの形式を使って描いている。面白い、面白いと思わせて、正面からブスリと刺してくる。とてつもなく鋭利で切実な映画だと感じた。
彼女は何に対して復讐しているか
タイトルは将来有望な若い女性という意味。その将来有望な若者が性的暴行されたことで命を断ち、その親友は男たちに復讐していく。リベンジストーリーものの体裁で、現実に横たわる問題を抉り出している。クラブで泥酔したフリをして同意なく性行為に持ち込もうとする男たちを痛めつけるという行動を繰り返している主人公。彼女の標的は、そういう類のくそ男であるが、やがて親友を死に追い込んだ男の結婚の話を聞きつけ、復讐を企てる。女性の立場に「理解」あると思っていた男性も実は彼女を裏切る行為を以前にやっていたことが判明する。復讐の対象は大勢の男、そこにたった1人で乗り込む主人公の心の強さが光る。決して特殊な力を持ったスーパーヒーローではない彼女のやり方がある種のハニートラップ的な、「女を利用する」やり方であるのも皮肉が効いている。そして、死なばもろともの結末。彼女の復讐対象は、ホモソーシャル社会が生んだひずみそのものだった。
後味痛快。フェミニズム万歳。衣装にも注目。
クラブのソファにだらしなく座り、泥酔していたはずの主人公キャシーが、その後、豹変して言い寄ってきた男たちに鉄拳を喰らわす。それには理由があるのだが、キャシーが夜な夜な繰り広げるリベンジマッチは、新しいボーイフレンドの登場によって少し捻れて、やがて、彼女をさらなる絶望と怒りの淵へと追い込むこととなる。監督も兼任するエメラルド・フェネルの脚本は、起承転結の中の、特に結、言い換えれば伏線の回収部分で強烈な展開力を発揮する。まるで複雑な数式に対して明確な答えが提示されるように。なので、後味痛快。フェミニズム万歳。この映画の後、恐らくバチェラーパーティに関するコメディ映画は作りづらくなるのではないだろうか?そもそも、もうそんな時代ではないのだ。キャシーの何層にもなった感情を、表面的には怠惰な演技で表現するキャリー・マリガンが凄くて、その姿はしばらく脳裏から離れない。ラストシーンでキャシーが纏うラバー製のナース服を含めて、エスプリが効きまくったガーリーなワードローブにも是非注目して欲しい。
サスペンスとしても啓発作品としてもよくできている。
過度な性描写がないのがとてもいい。
オチは賛否あると思うが、個人的には好み。
キャリー・マリガンも魅力的。
しいて言うなら、
それぞれの親に感情移入したが
唯一、男性側の親が描かれてなかったのが足りない気がする。
性別を無視すれば、登場人物のすべてに自分がなりえると思うが
一番ありえるのは男性側の親となる可能性(または友)
果たして感情移入できるだろうか。
キャシーを何とか言いくるめて持ち帰ろうとする男たちが滑稽で笑える
スカッとする女の復讐劇で気持ちかった。死んだと思わせてからの、結婚式ぶち壊しは怖いねー。自分を犠牲にしてでもアルをハメたキャシー(キャリー・マリガン)の執念が凄まじい。
ライアン良い奴だったと思ったのに、アルの仲間でビデオに映ってたのショック。せっかくキャシーと良い雰囲気になったのに...。優しそうな男ほど中身がクズなのはある意味リアルだね。
キャシーを何とか言いくるめて持ち帰ろうとする男たちが滑稽で笑える。ああいう男わんさか居るよね。酔ってたと思った女が実はシラフだったなんてちょー怖いだろうな。俺も機会があったらサイコ女に気をつけよっ笑
生き地獄と芯
基本的に洋画が得意ではなく、なんなら苦手意識まである私ですが、最後まで飽きずに疲れずに見られました。
ラランドのサーヤさんが最近見た映画として紹介していたのが視聴のきっかけ。
エンディングについて賛否両論に見えましたが、私はあそこで死ねただけ楽になれたのかもと思ってしまう。
始めから彼女の死と復讐(どこか更生を願いながらも)を人生の軸に置かずして生きられず、それ以外の息の仕方が分らなくなっていた主人公が、最後に彼女の為に犠牲になる。掘り返されるであろう事件への世間のバッシングを浴びずにいられるのなら、女の地獄を多少感じずにいられるのかもしれないと。
胸糞悪いまま終わるのかと思ったのもつかの間、万が一に備えて用意周到に詰めていた主人公の賢さと執念と芯の強さには拍手喝采。ライアンが助けに来ないところも含めて人間そんなもので、人はそんな簡単に変わらない。人間のリアルだと思うし、分かっていたからこそコーヒーに唾を吐けた。
彼女は生の苦しみの最中、動画で事実を知った、あの時の彼からの裏切りと自分の期待の崩壊、覚悟があるからこそエンディングなんだと思う。
私は何より、主人公の死よりも最後の最後に主犯格かつ1番最低なジョーが逃げ出して世に放たれたままなことに吐き気がする。いつか、彼の関わりも明らかになるでしょうが、きっとアルよりも重い罪にはならない。そう思うと罪と向き合うべき人が軽んじられ飄々と責任や後悔を持ち合わせず生きられると想像するといたたまれない思いです。
親友の傷を飲み込めないことに口出しせず見守れる両親の強さと、主人公への信頼と愛情を節々で感じるところが1番の救い。彼らが辛い目にあう未来が来ないでほしいと願うばかり。願うだけ。現実はきっと甘くない。
あと、個人的には、使われている英語が簡単で眠くならなかったのが素晴らしく高評価。
やりきれないの一言
ひとつの性暴力事件により、優秀で将来を約束された二人の女性の人生が狂わされます。
加害者は何もなかったようにのうのうと人生を謳歌し、被害者は精神を病み自殺や自暴自棄の生活を送る。
この理不尽さに怒りを感じますが、だからといってどうすることもできず、闇落ちしていく主人公を自分も傍観しているしかないことにモヤモヤします。
結論から言うと、やはり亡くなってしまったら、終わりじゃないか…という気がするのです。
これで、加害者アルが二人を殺したとみなされ、死刑にでもなってくれたらまだ溜飲が下がるというものですが、そんなはずもなく、彼らは今後も正当防衛を主張したり、自分たちの都合のいいように話を作る可能性は大いにあります。
それも何も、見届けることができないカサンドラ。
彼女はこれで満足だったのか…いや本当は苦しみのあまり死にたかったのではないか、そんなことを考えました。
アルを医師から殺人者に転落させたのですから、たしかに復讐はある程度達成できたのかもしれません。しかし本当に自分の命をかけてまでやらなくてはいけなかったのでしょうか。
実際、彼女の心はもう壊れてしまっていたのかもしれません。
泥酔のふりをして体目当てに近づいてくる男性に鉄槌を下す。復讐とはいえ、どんな人間が声をかけてくるか分からない、とても危険な行為です。
初めはその行動に不自然さを感じましたが、最後まで見ると、カサンドラは始めから自分を大切にする気はなく、捨て身の行動だったのだと分かり、切なさが倍増しました。
彼女ははじめから、死んでもいいと思って復讐を続けていたのです。
もしかすると、アルの手錠が外れるような細工をして、殺害を誘ったのかもしれません。
ものすごく頭のいい彼女が、こんなミスをするとは思えないからです。
ライアンの存在が彼女に希望と絶望の両方を与えたのも興味深い展開でした。
ライアンに対しては、はじめアルたちの情報を得るために親しくなったかのように見えました。
しかし、実際に惹かれるようになってしまい、親友の事件現場に彼がいたことを知って大きなショックを受ける。
復讐と恋愛の間で揺れていた部分が大きく崩れ、一気に破滅へ向かっていったのでしょう。
親友を自殺に追いやったアルには、社会的な死をもって償わせるのが、カサンドラにとっては精一杯だったのかもしれません。
過去を捨て元気になりたいと彼女自身が望んでいたのなら、カウンセリングに通うなり、両親に相談するなり、とっくに何かの手を打っていたでしょう。
あえて復讐するという苦しい道を選び、破滅へと向かったカサンドラの選択が、避けがたいものであったとはいえ、それでも命をかけてまでひとりで戦わなくてはいけなかったのだろうかと考えると、本当にやるせない気持ちになりました。
何が最良の選択だったのか分からないし、誰も幸せにはならない、そんな鑑賞後感の重苦しい話でした。
2021年の映画であっても、ここに出てくる男性たちの言動が類型的すぎて、本当に現代の話かと驚いたりもしました。
性暴力の話は、気が重くなりますね。
スッキリはしませんでしたが、エメラルド・フェネルはこれが長編デビュー作ということで、すばらしい才能だと思いました。
この後『バービー』『Saltburn』と注目作を送り出しているので、今後も注目したいと思います。
変な映画が好きな方にはソルトバーンをおすすめします(•ө•)♡アレハイイ…
胸が潰れるような思いの秀作
カサンドラの精神不安定も、ニーナの事件に起因しているのでしょうね。
そして、医大時代には、それほどの関係性を、カサンドラとニーナとは築いていたということでしょう。
加えて、ニーナと同性の友人も含めて、「事件」を糊塗しようとしたり、忘れようと努めていることが、彼女の精神を更に更に不安定にしていったことでしょう。
そして、こういう被害に遭ってしまったがために、メンタルを病んだりして、前途を絶たれてしまう女性が他にもいるとしたら、なんという不幸なことでしょうか。
それらのことに思いが至ると、本当に胸が潰れるような思いがします。評論子は。
本作は、別作品『わたしを離さないで』の演技が素晴らしかったキャリー・マリガンの主演作品ということで鑑賞することにした一本でしたが、また、評論子が参加している映画サークルが、2021年のベストテン映画(外国映画部門)として選定した作品の「見逃しの補遺」として鑑賞した作品でもあります。
さすが、同サークルの海千山千がベストテンに選んだだけのことはあった一本だとも思います。
またまた、痛い映画を観てしまいましたが、それだけに、秀作としての評価に値する一本だったと思います。
虚しい復讐
高評価という事だけで、全く事前情報なしで観ました
すごい復讐劇でした
It's raining menからぐいぐいストーリーの中に引き込まれてラストまで全然退屈せず観れました
テーマはかなり重め
主人公のキャシーが何であんな事をしているかという理由もだんだんわかり
被害者からしたら、加害者でなくても傍観者も同じ
「それが他人事でなく当事者になったら」とわからせるとても賢いやり方
ラストに向かう展開は予想できたけど、あのラストじゃなくてもっと後味の良い復讐劇であってほしかったです
いつも温かく見守っているパパが可哀想でした
社会的制裁の復讐で良かったような
でもこれは映画だからあれで良かったのでしょう
キャリーの衣装も可愛く、劇中の曲も好みの曲ばかりでした
将来を約束された若い女性(プロミシングヤングウーマン)
本作の題名は若い男性が女性を性加害した時に、男性側を『プロミシングヤングマン(将来を約束された青年)』だからという理由で罪を軽くされたという実話が基になっています。
「彼はプロミシングヤングマンだから罪を軽くしてやってくれ」と…。
では『プロミシングヤングウーマン(被害者)』はどうなのかと…。
それがこの映画の主題です。
名作です。
誰もがそうではないけど、世の中本当に多いよ。こういう輩たち。
SHE SAIDを鑑賞後にはぴったりすぎた
同じくキャリーマリガン出演
この世にはたくさんの差別とそれに基づく犯罪があり、屈辱を腹にためながら生きている人は少なくないはず
その中の1つ、性差別に性犯罪
長く生きると、どんな状態であれ性犯罪は犯罪だという認識の薄い加害者が驚くほど多いことにも気付くようになる
男(もしくは同等の立場の人)なんてそんなものよ?なんて涼しい顔で被害者にだけ責めを負わせる風潮も変えていかなければいけない
我慢する必要の無いことに我慢を強いられることも
心がすりおろされるようなストーリーの外でマーゴットロビーが製作陣に加わったから最後の衣装がこれなのかなんて心にワンクッションあったり
マーゴットのあの役に似てますよね
音楽も邪魔をせず、ピタッと心情を表していたのもよかったです
このほかにも性犯罪を元にした作品が多数あるというのにそれが無くならないのは大人や教育システムにも問題があると考えていいと思う
世の中のクズを殲滅して回りたくなります
被害に遭った人もそうでない人も、どうか、自分を大切にしてください
下の印象の選択肢に腹が立つとか許せないとかも加えてください…
2時間越しのノリツッコミ
キャリーマリガンのファンなので、体目当てのしょうもない男をシバいて、ハンバーガーを食べながら朝焼けの中を歩く姿を見たとき、これは当たりだと確信しましたが。
色々と紆余曲折を経て最後、あの終わり方は大丈夫なのか?
『おー、もっと追い込んだれ……。いや、君が死ぬんかい』とツッコミを入れずにはいられませんでした。
目的を果たすために、自分の命をみすみす差し出してどうすんの?
ラストのトーンも変に明るく、いや彼女死んだよ? と追いツッコミを何度も入れました。
この手の結末をサクセスストーリーのように描くのは危険で、実際、発せられるメッセージは恐ろしく有害です。
これがアカデミー賞で脚本賞を獲ったというのが、未だに信じられません。反戦とか非暴力、差別反対みたいな辺りが、賞レースに出るための必須要件だったと思うのですが。
これではまるで、広義の自殺を推奨しているみたいです。
復讐劇だけどスカッとする作品
観たかった作品がやっと観る事ができた。
CSで録画視聴。
復讐劇だが、観ている人によって評価は分かれる作品。
今のMeToo問題のはしりかと思わせた。
観て感じたのはスカッとするけどありきたり
だなと思った。
壮絶な復讐劇
エメラルド・フェネル監督の『Saltburn』といい、本作といい、主人公のキャラクターが強烈です。
キャリー・マリガンが演じる本作の主人公も、過去、友人におとずれた不幸から
復讐にも似た感情を抱き続け、対象者ひとりひとりに強烈な復讐をしていく。
冒頭から男を騙し(ハニートラップにかけ)、やはり男はクズばかりと言わんばかりではあるが、
実際、過去に起きたことがその通りであり、主人公に話しかけてくる男もそんなやつばかりであるが故、
彼女の中で確信になっていったのだろうと思います。
ラストもヒネリがあって、実に面白いと思いましたし、なんとも深く考えさせられる作品に昇華していたと思います。
本作をいつか観なくては・・・とは思っていたものの、過日観た『Saltburn』に背中を押され、鑑賞しました。
キャリー・マリガンのぶっ飛んだ演技を是非ご堪能ください。
男性の性加害に焦点を当てた意欲作。
この映画のラスト。あのスクールデイズにも並ぶかもしれないくらいに強烈でした。
ただし個人的には世間評に比べて全く刺さらず、総合評価は星3点となりました。
まず、この題材をエンタメとして消化して良いのか?という疑問。そして割り切ってエンタメとして見るにしても、実に中途半端でカタルシスに欠けていた本作。これならいっそドキュメンタリーにした方が良かったのではないかとすら思えてきます。
男子に集団レイプされ訴えるも想い叶わず、自分を責めて自殺した親友。彼女の親友だったキャシーは人生をかけ男性と、レイプを黙認した社会への復讐劇に乗り出します。
未だ男性優位な社会に数穴を開けるような内容は非常にセンセーショナルでした。
重いテーマを内包していながらも、それでいてエンタメしているバランスが世間的には受けたのでしょう。
ただ、全体の構成が長く中盤は結構ダレます。
盛り上がるのはラストもラストで、それまでは冗長に感じました。
加えて113分という上映時間の割に脚本も薄いですし、もっとメリハリのある構成にした方が評価が上がった気がします。
加えてキャスト勢にもあまり魅力を感じませんでした。作品のメッセージ性の強さに負けている気がします。
男性視聴者の中には見ていて居た堪れない人もいるかもしれません。でもまずはしっかりと現実にある問題に目を向け、過去の自分に振り返ってみるのは如何でしょうか?
生傷を抉られるような思いをしたあなたは、後ろめたい過去があるのかもしれません。
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