「石井裕也イズムにあふれた人生賛歌」茜色に焼かれる 西にぃさんの映画レビュー(感想・評価)
石井裕也イズムにあふれた人生賛歌
ようやく観られた。いつものことながら、タイトルやあらすじだけでは到底判断できない、意外な展開に巻き込まれる。
単純なドラマではない。ベタなメロドラマでもお泣かせ作品でも、もちろんない。
登場人物の肩書きや状況だけを一瞥すれば、それらはとてもシリアスなものなのに、なぜか作品からは一貫してあたたかさが感じられる。
主人公の良子がつぶやく「私にもわからない」という言葉。この言葉の重みを感じた。生きていくということは、つまりそういうことなのだろう。
これが映画であり、人生の縮図。石井裕也イズムにあふれた、異色の人生讃歌だ。
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