「尾野真千子に魅せられた144分」茜色に焼かれる kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
尾野真千子に魅せられた144分
いよいよコロナ下の日常が、スクリーン上に描かれることになった。
しかも巷の例の裁判とも同期されていて、冒頭から罠にはまってしまった感覚で目が離せない。
不幸のデパートみたいな登場人物たちのエピソードの連なりはどれも既視感がないと言えば嘘になる。けれど、そんな外れてしまった人生の中でも、母と息子のやりとりがすごく自然で、微笑ましくて、普遍的だった。そして男女を問わず、どんな人も通ってきた13、4歳の頃の身体の奥から湧き起こるマグマみたいなものを思い出させてくれた。
何よりもこんなふうに観る側をロックオンしてしまう尾野真千子という女優の底力に改めて魅せられた。
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