「コロナ禍で深まる搾取構造の闇を、茜色に染める」茜色に焼かれる Kikiさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ禍で深まる搾取構造の闇を、茜色に染める
既得権益を持つ者が作った「ルール」の中で、弾かれないよう「芝居」をしながら生きる。その中で募る憤り、それを超えた怒り。
そうした現実に、「情念」を持ち、「ロックに」生きる田中良子に、いつか救いがあるよう、祈りながら観ました。
苦しい現実を前に、意味を求め過ぎれば虚しさが生まれ、でも意味も見出さずにただ居るのはもっと辛い。
「いたしかたなく受け止める」運命論と、「それでもこのためにがんばる」という自由意志。
抗えない現実を、どう捉えれば「マシ」なのか、どう生きれば幸福であるのか、答えの出ない問いがずっと巡っています。
最後のシーンで「いつものセリフ」を求める息子に、「まぁ、がんばりましょ」と言わせなかった脚本に拍手。
だってじゅうぶん、がんばっているもの。
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