「コロナ禍の今と正面から向き合った意欲作」茜色に焼かれる トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
コロナ禍の今と正面から向き合った意欲作
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池袋で起きた交通事故なども連想させつつ
コロナ禍の今を描いた意欲作。
飲食店倒産、シングルマザー、風俗…次々と襲いかかる理不尽に対してし強く生きる良子を尾野真千子が体を張って熱演。
弁護士の態度や息子の先輩からのイジメなど多少過剰と感じる部分もあるけど、実際は自分が想像するより世の中は不条理で溢れているのも事実。
作品の中で一番刺さった言葉は
ピンサロ店長中村を演じた永瀬正敏の言葉。
「どうしてそんなに苦しい思いをしてまで生きるのか」
本当にそう思う。今の日本は生きる希望を次々に奪う。このコロナ禍で大した補償もなく休業要請や自粛により倒産や廃業、失業した人は今をどう感じているのか?
繰り返される緊急事態宣言。コロナ対応で疲弊する医療現場や保健所。先進国でも圧倒的に遅いワクチン対応。そんな中、五輪開催に拘泥する政府と東京都。困窮している人達にとっての五輪開催の意義とは?
そんな中、歯を食いしばって愚痴ることなく前向きに強く生きる良子の姿はそっと背中を押してくれます。
そして同じピンサロで働くケイちゃんの最後の行動はとても素敵でした。共感してもらえないかもですが。
息子純平くんの存在がこの作品最大の希望。とても秀才なので良子さんの未来は朝日のように眩しく輝き出すと確信してます。
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