劇場公開日 2021年3月26日

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「狂気の如し執念」JUNK HEAD 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0狂気の如し執念

2021年4月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

初めてアートワークを目にした時から、これは絶対に観ると決めていました。
上映中「すげぇなこれ…」と何度唸ったでしょう。
それほどまでの情報量が見てとれ、とんでもない作品である事を思い知らされます。
ストップモーションでこれだけ緻密で滑らかな動きってあったろうか?
しかもこれを一人で作っているのだから、7年という制作期間もうなずけるというものです。
まさに狂気の如しその執念でしょう。
全編SFベースにブラックユーモアニアというかエログロが散りばめられていて、それでいて実にキュート。
ビジュアルよりずっと愛らしいキャラクターばかりで楽しいです。
作り込みの深さはストップモーションの動きだけでなく、舞台設定やカメラワークにも見られ、セット組も尋常ではありませんでした。
少し粗めの音楽も世界にマッチしてましたね。そう、ここら辺で少し「鉄男」っぽさを感じました。のは私だけでしょうか?
このように驚きの連続でしたが、強いて言えばストーリーラインが堅調な印象。
でも、元々三部構成くらいで考えられているらしい(実際やるかはわかりませんが…)ので、それを見越した本作だったのかもしれませんね。
エンドロールではスタッフ名でこれまたたまげます。合わせて撮影風景も流れるのですが、それ見ると「いやー、これはとんでもない作業だわ…」と改めて思い知らされますよ。
とにかくインパクトが物凄く、中々頭から離れない作品でした。
こんなもの見せられたら、次作が気になってしょうがありません。監督のこれからの活躍に期待しています。
それと、本当に本当にお疲れさまでした。

白波