「夢が現実になった奇跡の共演、MCU史に残る感動作」スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
夢が現実になった奇跡の共演、MCU史に残る感動作
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『ノー・ウェイ・ホーム』は、ただのスーパーヒーロー映画ではない。20年にわたるスパイダーマン映画の歴史そのものへのラブレターであり、ファンの夢を叶える“奇跡の瞬間”が詰まった、まさにMCU屈指の感動作でした。
まず最も称賛すべきは、トム・ホランド版スパイダーマンの物語が大きく飛躍した点です。過去作で描かれてきた“少年らしさ”から、“真のヒーロー”へと覚悟を決める成長の過程が、これほどまでに丁寧かつドラマティックに描かれたことに心を打たれました。
そして――
過去2シリーズのスパイダーマン俳優たちが再びスクリーンに登場するという、とんでもないサプライズ。しかも単なるカメオではなく、しっかりと物語に絡み、三人三様のスパイディが互いに支え合い、癒し合う展開には、涙を禁じ得ませんでした。これは、MCUを越えて映画ファンへの最大の贈り物だと感じました。
ヴィランたちも過去作からの再登場で、ウィレム・デフォー演じるグリーン・ゴブリンの狂気は圧巻。それぞれのキャラクターが過去からの“救済”というテーマにしっかり関わっており、単なるファンサービスにとどまらない奥深さがあります。
アクション、ユーモア、ドラマ、驚き、感動──
すべてが詰まった2時間半は、まさに“スパイダーマン総決算”。クライマックスの余韻と、ラストに待ち受ける孤独と覚悟の選択に、静かに胸が締め付けられました。
満点に限りなく近い4.5点。
唯一惜しい点を挙げるなら、マルチバース展開の複雑さが初見にはやや難しいかもしれません。しかし、それすらも“スパイダーマンという存在の重み”を支える構造だと受け入れられました。
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