「まさか「オトッペ」で涙するとは」劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
まさか「オトッペ」で涙するとは
身の周りの音をテーマにした、5分の子ども向け番組。
キッチュなキャラクター達にビビッドな色彩、どこかナンセンスな笑いを含んでおり、大人が見ても何気に気になる番組。
子どもは勿論なのですが、小さな子を持つ親御さんにも愛着のある番組でしょう。
私自身「オトッペ」の終わる時間が登園の合図で、EDまで全部観てしまうと会社に遅刻しそうになるハラハラとした番組でした。※現在は放送時間が変更しています。
そしてそれが劇場作品となりました、びっくりです。
しかしこれは絶対観たい!
下の子はあまり乗り気でなかったのですが(放送時間の変更であまり観てこなかった世代)半ば強引に家族で行ってきました。
オトッペはCGアニメなのですが、まずクオリティがTVの倍くらいになってました。その作画は美しいとさえ思えた程。
劇場版では随所にアイディアを詰め込んでおり、ベースとなるCGの他セルや線画やパステルなどとても表現豊か。
ミュージカルとまでではないですが、音をテーマにした作品だけあって随所に歌が溢れています。この楽曲達が中々良いんですよ。
物語の冒頭。名前決めのシーンは歌もさることながらセルアニメが秀逸。センスに溢れており最初っから持ってかれました。
本作のテーマは、子どもが子どもを育てる擬似親子生活の物語。
たまたま同時期にアンパンマンでも同じテーマ扱っていましたが、こちらの方がより地に足のついた作りだったと思います。
小さなエピソードが実に「あるある」で、当時を懐かしくなりました。
「ベイビートラップ」も、なんて気の利いたワードなんだろうって感心しましたよ。
それは本当に事細かに描かれており、すごい失礼だとは思うのですがまさか「オトッペ」で涙するとは思っていませんでした。
子を持つ親の贔屓目もあると思います、それとその当時の思い出もダブったのでしょうね。涙を抑えられませんでした。
エンドロールとその最後の最後まで作り込まれており、本当に素晴らしかったです。
実に心温まる作品でした。