鳩の撃退法のレビュー・感想・評価
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【”虚構と現実の狭間で・・。” タイムラインを行き来しつつ描かれる複雑に絡み合う人間関係。第4の壁を乗り越えて話しかけて来る主人公。二転三転四回転半するストーリー。さあ、結末は・・】
ー 映画を原作と比較する積りはない。だが、今作は相当に脚本が粗い。
その粗さを映像テクニック
”藤原竜也が演じる過去直木賞を取りながら、3年間鳴かず飛ばずの作家津田が、観客に第4の壁を越えて度々状況説明をする。”
でカバーしている・・・・・かなあ。ー
■感想
1.虚構と現実の見せ方の巧さ
・売れない作家、ボサボサ髪の津田が富山で、デリヘル嬢の送迎をしていたり、いきなりパリッとした服装、髪で、東京のバーで、バーテンダーとして働きながら、執筆している”フィクション小説”の原稿を少しづつ、担当編集者の鳥飼(土屋太鳳)に金を貰いながら渡している。
ー 津田が以前、世に出した小説はヒットしたが、ノンフィクション要素が強く、関係者に訴訟されイロイロと大変だったことが二人の遣り取りや、鳥飼の上司の編集長らしき男との会話から、伺える。
観る側は、そのシーンで津田が書いている小説が”ノンフィクション小説”ではないかと、誘導される。ー
2.タイムラインを行き来しながらの、”ノンフィクション”シーンらしきシーンの描き方
・ボサボサ髪の津田が、夜中の三時にファミレスで、本を読む見知らぬ男、秀吉(風間俊介)に話かけるシーン。津田はその前に行きつけの古本屋で店主の老人(ミッキー・カーチス)から”ピーターパンとウェンディ”を100円で買っており、津田と秀吉は”又、会おう・・”と言って別れるが、”二人は二度と出会わない”とパリッとした服装、髪の津田が第4の壁を越えて観客に語り掛けてくる。
◆以下、”ほったらかし感”を感じた部分
3.古本屋の店主の老人がボサボサ髪の津田に、札束の3千万と3万が入ったキャリーバックを遺す。3万は偽札で、3千万は・・。
ー 老人が、津田に三千万を贈った理由は想像が付くが、富山の裏社会を仕切る倉田(豊川悦司)が、財団に寄付した理由は?ー
4.秀吉の妻(佐津川愛実)とハルヤマの浮気。そして、秀吉と妻、娘の失踪。
ー 娘さんは、どこに行った?ー
5.ボサボサ髪の津田が東京に出るために偽札を使った床屋の店主(リリー・フランキー)は、裏社会の連中に”誰が一万円を払ったか”を言わない。
ー 言わない理由は、語られない・・。ー
<脚本の粗さが、見る側にラストシーンの解釈を任せる作品。その粗さが、意図的なのかどうかが、作品の評価を決めると思った作品。
サスペンス要素も魅力的であるが、作品全体としては細部を取り散らかしたままに、観客に解釈を委ねる作品。
それも、又、良しだが、取り散らかし過ぎじゃないかな、と思ってしまった作品。>
散髪
佐藤正午の小説は最後までどうなるのかなぁって引きこまれてしまうんだけど、読ませかたが好きじゃない。
この映画化作品も最後まで興味を削がれることなく魅せられてしまった。けれども、普通に描けばそうたいした話ではなく、何を見せたかったのか。ただパズルが解けただけ(失礼)。が正直な感想です。
俳優がすごく贅沢な使い方されていました。
風間俊介はもっとたくさんの作品に出てほしい、どんな役でも演じられる俳優さんだと思います。
藤原竜也もトヨエツも散髪した後、あんまり髪の毛さっぱりしていませんでしたね。
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