「残酷だったのかな?」明け方の若者たち 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
残酷だったのかな?
大学卒業間近、ひょんな事から知り合った2人の男女の恋愛と、社会人の「つまらなさ」みたいなものをありありと描いている本作。
黒島結菜さんって、雰囲気があって素晴らしい役者さんだなぁ
自分も現在同じ年齢だし、共感する事もあるけれど、
そもそもさっさと就職出来てる時点でそれこそ「勝ち組」なんだろうし、大学時代もさぞ楽しく謳歌したんだろうなぁという描写の連続、既婚者とはいえあんなに可愛くていい子に目をつけられて付き合えて幸せな日々を送り、結果辛い別れはしたものの、あんなに素晴らしい親友に支えられて、終始幸せにしか見えなかった。
この映画のテーマとして、「幸せはいつまでも続かない」みたいなものを感じたけれど、大学を卒業しても、彼女と別れても、つまらない仕事を辞めようとしてるラストでさえ、ずーっと最後の最後まで幸せにしか見えなかった。
まぁ映画の構成上、不幸な様子ばっかり見せるのもよくないという判断なのかはわからないけど、泣ける映画というポージングを取るなら、せめてもっとこっち側を辛くさせて欲しかったかな。
ひとつだけどうしても気持ち悪くて気になってしまったのが、彼女と行為をしているところをわざわざ窓の外から見せる必要あるの?
覗き見目線で何か気持ち悪かった。
オールドボーイじゃないんだから。
音楽はどれも素晴らしい。
ただ、エンディングはマカロニえんぴつの曲よりエイリアンズの方が良かったのでは?とちょっと思ったりもした。
まぁでもあれは挿入歌だからグッとくるものがあったのかも。
「残酷だったーな、人生はー」って流れてこの映画は幕を閉じるけれども、よくよく考えたらそんなにこの映画は残酷ではないような気がしてしまった。
ああいう雰囲気っていいよね。
こういう映画を1人で見に行って、ほろりと泣いて帰るのが良かったりもする。