「独特のタッチ、製作者の個性が前面に。」サマーゴースト スキーヤーさんの映画レビュー(感想・評価)
独特のタッチ、製作者の個性が前面に。
通常スクリーンで鑑賞。
ネタバレ以外のレビューをいくつか見ると、評価が両極端に割れてるように感じ、自分が見たらどうなんだろうと非常に興味がありましたが、何せ上映館が少なく、足を運ぶのに大変でした。
まず、見終わった後の第一印象は個性的な作品と言う事。
背景などの色鮮やかな景色に対して、モノトーン調の人物が対照的で、不思議な世界観を演出していました。
路線は違いますが、新海誠監督の秒速五センチメートルとどこか雰囲気が重なりました。荒削りの作品ですが、なんというか観客に媚びない作品(決して他の作品が媚びた作品ばかりという訳ではありませんが、とはいえ興業的な縛りとか、きっと色々ありますよね)とでも言うのでしょうか、こういう尖った作品が出てくるのは凄く良いと思います。
とはいえ、洗練さを問えばまだまだと言わざるおえません、ストーリーの成熟度(一番の違和感はスーツケースを見つけて開けた時、中身を考えると、実際取り乱さずにいられるかとか、警察に何と説明するんだろうか)が感じられず、現実的でない部分でストーリーからはじき出されてしまいます。本当に洗練された物語というのは良い原作を大勢のスタッフが色々な視点から練りに練り上げて作った脚本から生まれると思っています。一人で作った物はどうしても浅い感じがしてしまうのです、ぜひこの製作者が今後、優秀なスタッフに恵まれ、名作をこの世に生み出してくれることを期待します。
なので、期待を込めて辛口の★三個半になってしまいました。
興味深い作品であることは間違いありません。
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