「中国のファミリー層向けアニメーション」熊出没・ワイルドランド大冒険 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0中国のファミリー層向けアニメーション

2021年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

中国アニメーションを代表するシリーズで毎回大ヒットを記録しているらしいのだが、突然、中国の春節に合わせて日本でも公開されたので見てみることにした。
2012年からTVアニメで放送されて、2014年から毎年映画も公開されているようで、日本で例えると『ドラえもん』のような存在感の作品なのではないかと思われる。要するに、休暇のシーズンに子ども連れて家族みんなで見に行くタイプの映画だ。
今回公開されたのは、劇場版の7作目で、熊の兄弟と人間のおじさんが、人間を動物に変身させるテーマパーク「ワイルドランド」の存在を知り、潜入する。そこで一攫千金をもくろんだりいろいろしながら、巨大な陰謀があることを知り、なんやかんやで戦う話だった。
本来のシリーズがどういうテイストだったのかはわからないが、かなり大掛かりな物語と荒唐無稽さを含む大胆な展開のCGアニメーションだった。CG技術は決して低くないが、物語はちょっと粗い。EDに次回作の予告がついていたが、今度は宇宙が舞台になるらしいので、シリーズを重ねるごとにスケールアップ&荒唐無稽化しているのだと思われる。それでも中国ではすでに定番となっているので、安定して売れているのだろう。むちゃくちゃ感心する完成度というわけではないが、子どもと一緒に見て楽しく見られるようにはなっていると思う。

杉本穂高