「杉咲花の決めポーズは何故か加藤鷹を連想した」99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
杉咲花の決めポーズは何故か加藤鷹を連想した
2022年映画館鑑賞7作品目
2月23日(水)イオンシネマ石巻
監督は『任侠学園』『屍人荘の殺人』『仮面病棟』の木村ひさし
脚本家はよく知らない人だ
TBSの日曜劇場で放送されたテレビドラマの劇場版
season1にseason2に特別編もあるから大好評を博したのだろう
テレビドラマの方は全く観ていない
観ておいた方が良いに決まっているが観ていないからといって劇場版を楽しむのが困難なわけではない
日曜劇場の劇場版とあって豪華で重厚な出演陣は必見の価値あり
99.9%とは日本の裁判で有罪判決が下る確率
検察側はそれだけの自信がないと起訴しない
牢屋にぶち込むわけではない民事とはわけが違うのだ
一か八かで起訴して無罪になったら検察官は責任を取らされ左遷になり出世を諦めなければいけないと聞いたことがあるし感情的な活動家はそれを理解しているのだろうか
その残り0.01%に挑む弁護士の物語
ジャニタレなどとアイドルが出演するだけで毛嫌いするバカの論評は無視して良い
今回は冒頭熊本の岸壁での転落事件
被害者は加害者に単純に突き落とされて殺されたのか
襲ってきた被害者から身を守るため揉み合いに末に止むを得ず突き落としてしまった正当防衛なのか
メインは無実を訴えた末に死刑囚が獄中死したワイン毒物殺人事件をひっくり返し新事実を突き止める
日曜劇場の劇場版にしては何かがおかしい
まるでトリック的要素がある
熊本市の飲食店『鉄喜刺寿』とかワインの村のイベント『天華一葡萄会』などといった小ネタの数々に「なんじゃこりゃー」
主人公がダジャレ好きで子分の女の子がパー子さんのような笑い方するシチュエーション
それもそのはず監督があの木村ひさし監督だからだ
堤幸彦や大根仁などと共に『トリック』の演出を務めた木村ひさしなわけだが過去の映画作品と比較してもおふざけが多い
ちなみにトリックの劇場版はいずれも堤幸彦が監督である
こういうのが嫌いな生真面目な人には苦痛かもしれないが僕は嫌いじゃない
TVドラマの方も来月あたりから近所のレンタルビデオ屋などを利用し観始めよう
全て見終わったあとで改めてこの作品を観ればさらに面白いこと間違い無いだろう
ワイン毒物殺人事件は事件というより殺意なき事故だった
『モルグ街の殺人』の猿のような拍子抜け
だからといってテレ朝の某TVドラマで真犯人役が上島竜兵とか磯野貴理子というガッカリ感はない
村の大人たちがグルになった隠蔽工作だったがだからといって無実の罪を被る人が出てくるのはあまりにも理不尽
村人全員がグルって話は古畑任三郎にもあった気がする
事件の再現をするために強面の劇団が助っ人として登場するが団長らしき役者の脂っこい死ぬ直前の芝居が歌舞伎がかっていて思わず笑った
season1のヒロインは榮倉奈々でseason2のヒロインは木村文乃で今回は杉咲花
コメディー色が強いドラマに花を添えるヒロインは小柄な方が画面の収まりが良い
なぜ原作『Dr.スランプ』の則巻アラレは連載当初より背が低くなったか
なぜ『ドラゴンボール』は孫悟空が小さい頃の方が僕好みなのか
自分が邦画に比べ韓国やアメリカの作品をあまり観ないのは向こうの女優が全体的に背が高いからというのも要因の一つだろう
『ラブコン』という隠れた名作もあるわけだしヒロインが背が高いからといってダメというわけではないが
冨永愛とか菜々緒のような謎の威圧感がある敵役は適役だし事故で障害者になった陸上選手がパラカヌーとして再生する映画の主演を務めた中条あやみも良かった
強いて上げるならどちらかと言えば女優は背が低い方が好みというだけの話だ
背が高い女優に人権がないとかそんな馬鹿げたことを言いたいわけではない