劇場公開日 2021年12月30日

「ミステリーだけど、49.9%のコメディー」99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ミステリーだけど、49.9%のコメディー

2022年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年、初の映画館鑑賞作品。

日曜劇場のドラマからの映画化。観ようか迷っていたが、年末からずっと再放送が流れていて、ついつい映画館へ…。まんまと製作者側の罠にはまって鑑賞した一人。同じような人もたくさんいたようで、映画館も満席。お正月のおめでたい時期には、コメディーもあり、謎解きもありということで、そこそこ楽しめました。

ストーリーとしては、15年前の毒入りワイン殺人事件で、犯人として逮捕され、獄中で亡くなった死刑を宣告された男の冤罪を晴らしていく内容。すでに犯人死亡で、決着がついている事件を、犯人の娘の名誉を守る為にと、再度、調査を始める法律事務所の弁護士達。

そのキャストは、深山役の松本潤をはじめとして、香川照之、杉咲花、片桐仁、マギーのいつも面々。ミステリーの謎解きの面白さというよりは、間違いなくアドリブであろうと思われる、一癖も二癖もあるキャラのメンバーと松潤とのいじり合戦の面白さの方が勝っている。そして、ギャグ度満載の登場人物やシチュエーション等、物語の半分は、クスクス笑ってしまうコメディー・シーン。

その中で、西島秀俊だけが、その雰囲気には合わず、いつものクールな役柄で、一人浮いた存在になっていた。しかし、そんなキャラのギャップが、逆にアクセントとなって、弁護士事務所の面々とのやりとりによって、相乗効果を生んでいた。

ミステリーとしての真犯人捜しは、二転三転してミスリードしようとするが、配役から考えて、途中の回想シーンが伏線となるのは見え見えで、何となく先が見えてしまった。結果としては、かなり複雑な心境に陥る真実となって判明したが、そこはお正月作品。あまり深刻にはならず、深山弁護士としては、「僕が知りたいのは真実だけ」という信念だけは叶えて、穏やかな中にエンドロールを迎えた。

ミステリーというよりは、コメディー色が強く、あまり細かなことは考えずに、製作者の笑いの突っ込みどころに、ニヤニヤしながら楽しんで欲しい作品。

bunmei21