「【”嘘で人は救えない”と、深山は言った。無実を証明する弁護側の難しさと、罪を言い渡す検察側の覚悟を、スベル駄洒落満載で描いた作品。事件現場の再検証シーンも面白く思った作品でもある。】」99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”嘘で人は救えない”と、深山は言った。無実を証明する弁護側の難しさと、罪を言い渡す検察側の覚悟を、スベル駄洒落満載で描いた作品。事件現場の再検証シーンも面白く思った作品でもある。】
ー 映画公開初日の初回に鑑賞。
理由は法廷劇且つ、弁護側と検察側との対峙が見れるかなと思ったからである。
もう一つは、公開初日の初回鑑賞は、勤め人は普段は無理なので、足を運んだのである。
私の居住区では滅多に見ないお客さんの多さに
”松本さんの人気はヤッパリ凄いんだなあ・・”と思いながら席に着いた。
映画館にとっても、良い事である。ー
◆感想
・最近、”劇場版”と銘打たれた映画が多数公開されているが、今作はドラマを見たことが無い者にとっては、イントロから優しいトーンで始まる。(主要人物について、サラッと語られる。)
懸念していただけに、嬉しい配慮である。
・物語は、事実を”現地現物”で確認する深山(松本潤)の姿を、東尋坊での事件でサラリと描いて、本論に移る。
- 深山の基本捜査姿勢には、好感が持てる。
が、駄洒落の多さは、ドラマの売りなのかもしれないが、やや飽きる。
(ファンの方、スイマセン・・。)-
・15年前に起きた天華村毒物ワイン事件が本編である。
- 何となく、”名張毒ぶどう酒事件”を想起させる。
あの事件も犯人とされた人物は最後まで無実を叫びながら、獄死した。
今作のモチーフになっているのだろうか。-
・犯人とされた男(渋川清彦)は、村に移住してワインづくりを始めたが、そのワインが賞を獲り、村の中で僻みもあり、孤立していたという。
そして、その男の弁護をした南雲(西島秀俊)は、彼を救えず死刑判決に。男の妻は病死。一人残された幼き娘エリ(蒔田彩珠)を我が子として育てて来た。
が、ピアノ奏者として賞を獲得したエリが”殺人者の娘である”とリークされて・・。
その事件の再捜査依頼が、深山達が所属する、班目法律事務所に来る。
- 深刻な展開と、佐田所長(香川照之)や新米弁護士の穂乃果(杉咲花)のコミカルな遣り取りの相反が、初めて見た者には、やや新鮮である。-
・捜査の過程で、村人の”ある人物”が犯人ではないかという情報がリークされるが・・。
- ここら辺の描き方を、もう少ししっかりとして欲しかったなあ・・。-
・窮地に陥った深山達は2度目の”事件再現”を仲間達の協力の元、行う。
そして、深山は”真相”に辿り着く。
- ”禁じられた遊び” そして、村ぐるみで行われた隠蔽工作。ここは、面白かったなあ。-
<15年経っても、”現地現物”で真実に近づいて行く、深山の基本姿勢にブレは無い。
一見、駄洒落を多用したコミカルさに引きずられるが、ナカナカに見応えがあった作品。
私の中では、トリックとしては”2回転半捻り”かな・・、と思った作品ではあるが・・。
(ちなみに、過去のレビューでは”4回転半捻り”が最高である・・。)
劇場に足を運び、大スクリーンで観る価値は十分にある映画だと思いました。
残虐なシーンは全くないので、お正月にご家族で鑑賞されたら、如何でしょうか・・。
(尚、私は映画関係者ではありません・・。)>