「ジョージアからやって来た面白い映画。行き先もルートも分かっているつもりの列車に乗って窓の外の風景を見ていたら、あちこち寄り道した挙げ句目的地に着くと、どうでもよくなっていた…みたいな映画。」ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョージアからやって来た面白い映画。行き先もルートも分かっているつもりの列車に乗って窓の外の風景を見ていたら、あちこち寄り道した挙げ句目的地に着くと、どうでもよくなっていた…みたいな映画。
①邦題から連想されるようなロマンチックな恋愛もの…では全く無かった。
原題はジョージア語を英語に訳すと“What Do We See When We Look at the Sky?”
⚽が見えます。
②物語の核に姿が変わってしまった恋人たちを据えたのは「真実を掴まえるのは映画」ということのメタファーか。
③でも、彼らが画面に登場するのは全体の何分の一かだけ。最後どうなったかなんて突き放されちゃうし…
④リザの部屋にあった草履(あれ、絶対草履だよな)(ジョージアでは、上がり框は無いけど靴は履き替えるんだ)、ビワ、ワールドカップを観る犬
⑤人が横切る画面が多い、しかもその後人のいないなった画面がしばらく続く。小津安二郎の映画みたく。
⑥恋人になる二人よりも、子供たちを映したシーンが多い。
冒頭の学校前の子供たちの集まりとざわめき。
途中のサッカーに興じる子供たちを延々と映すシーン。
ラストも裸の背中に「MESSI」と書いた子供たちのショットで終わる。
まるでジョージアのクタシイの子供たちを撮るのが主眼かとも思わせるように…
⑦サイレント映画のような趣もある。一応ナレーションがどんな物語か語っていくけれども、違う物語のナレーションになっても成立するような映像。
⑧最後、「この話、ちょっとおかしいでしょ、でも世の中こんなもんよ」みたいな脱力するようなナレーションで終わる。ちょっと西加奈子の「サラバ」みたく。
⑨という訳で、ちょっと面白い文法の映画です。
⑩途中、2箇所くらい眠たくなったので⭐一つだけ減点。
冒頭での天の声「音が鳴ったら目を瞑って」という演出までは良かった…あとはずっとウトウトしてました。ギオルギは特徴的なので明らかでしたがリザの役者が変わってたの最後まで気づきませんでした。