秘密の森の、その向こうのレビュー・感想・評価
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秘密の森の秘密基地
8才って、意外に大人びたところあるかもしれない。大人になったって、こどもっぽい部分があるし、何歳になれば大人だなんて、法律以外に分ける尺度はない。非日常の経験の最中では、感性が鋭くなり、こどもも大人もなくなるのではないだろうか。
予想はしてたけど、見事に音楽が付かない。なので、本当に静か。季節は秋のようで、落ち葉が降り積もる道を、音を立てて歩くネリー。青いセーターに黄色い葉の色、森で出会ったマリオンは赤いセーター。色彩が美しい。
さよならを言えなかった…その哀しみが引き寄せた小さなお母さん。短いながらキュッと締まった物語。絵本みたい。
いいですねこれ
上映時間の短さといい、クレジットといい、フロントのみのステレオ音声といい
これはアチラのTVムービーなのでしょうか?
それはともかく
冒頭の数分でハートをわしづかみにされました。
あー・・・いい演出する監督だなあ・・・これはきっと当たりだなあ・・・
この気持ちよさが最後まで持続しました。
嬉しい。
8歳の女の子が、お母さんの実家近くの森で、同じ8歳の頃のお母さんに出会うという不思議なお話がデリケートなタッチで淡々と語られます。
謎やその答えの提示の仕方がアメリカ映画や日本映画でよく見る手法ではありませんしドラマチックな盛り上がりも殆どありません。
子役の絶叫も泣きもありません。
日本映画で監督がこんな風に撮って行ったらプロデューサーからクソミソにダメ出しを食らうことでしょう。
「ここはもっと盛り上げんかい!」「誕生日の場面は泣かせどころやろ!こんなんで泣けるか!〇〇〇〇の主題歌流せ!」とかね。
ヨーロッパの映画に馴染んでいる観客には心地よく受け入れられる作風ではないでしょうか。
もっと上映時間が長くてもよかったかなあ。ずーっと観ていたかったですねえ。
何度も観たくなりそうだから円盤出たら買いますか。
いい映画でした。
抽象的な表現が好きな人向け?
決して難解ではないけど、説明もセリフも少なくて、あ、という感じで終わってしまう。7歳の子どもなら、森で出会った女の子の自宅が自分のおばあちゃんの家と同じなら、その時にそれを言うと思うんだけど、黙っている。 3世代の女性、と宣伝されているが、祖母とのコミュニケーションは殆どなくて(恐らく「オーヴォワール」と言えた、ということ)予告編を見ている者にはそこで説明されている感じがした。要は子ども目線で繊細な心情を描いた作品。
祖母の死により森の中の実家の片付けに行くが、途中で31歳の母親は身勝手にも出て行ってしまう。父親と2人になった主人公は、ボールを探しに行った森で母親と同じ名前の自分と瓜二つの同い年の女の子と会う。その子の家は祖母の実家の昔の状態の家で、祖母と同じく足の悪い母親と暮らしていた。女の子は3日後に足の手術をすると言う。自分の家にも連れてきて父親(将来の結婚相手)と3人で過ごしたりして、手術まで2人は出来るだけ遊ぶことにする。
子どもは親の行動を静かに見て感じ取っている、ということ。
素敵。静か。
祖母が亡くなった少女が、片付けるために祖母の家を父母と訪れて、不思議な数日を過ごす話。母と同じ名前の少女と友達になり、森の中で小屋を一緒に作る。その小屋は、母が、よく話してくれた昔作った小屋によく似ていた。
ネタバレが話題になるような映画ではないと思った。素敵なファンタジーというか、多くの人(女性かな?)の心の中にある願望…じゃないだろうな、興味かな。こんなことがあったら素敵なんだけどな、という思いを実際に絵にしてみてくれた映画なんじゃないかな。
この映画での直接の願望は「母と暮らしていたあの頃に戻りたい」なのだろうが、間接的には「娘と同い年になって話してみたい」があるんじゃないだろうか。それとも、「行ってしまう母を娘が引き止める話なのかな。作者の意図はわからないが、自分は前者のような気がします。
ここにいたくないという感じのこともあったよ、と言ってたものね。「私がそういう感じを示すのは(あなたのせいじゃない)私のせい」と話したかったんだと思う。大人と子供だと、ストレートに話せない感じのことって、あるじゃん。
って、観てない人には何の価値もないレビュー書いちゃってごめんなさい。よかったら、観てください。
効果音や音楽を極力使わず、ここというところだけ使う点も含めて、全体の雰囲気は、自分が好きな映画でした。
おばあちゃんに「さよなら」と言えて、よかったね。
不思議な森がドラマチックだが、あとは特に何も起きない。娘・母・祖母のやさしい物語。
予告編が面白かったので鑑賞。「燃ゆる女の肖像」未見
こころ暖まるファンタジーで不思議な森の設定。マリオンの家がおばあちゃんの家だった時、さすがにネリーも一瞬立ち止まる。あとは別に何のドラマも起きない。娘・母・祖母 3世代をつなぐ優しい物語。8才って子供だけど色んなことがほとんど分かってる。
ふたりの少女に「オマエらただ遊んでるだけだろう」と言いたくなるような、まるでメイキング映像みたいな場面が微笑ましい。秋の森が美しく、子供の頃、雑木林で遊んだことを思い出した。
普段あまり映画を見ない人にはおすすめしないが、土日は必ず映画を見る人は、それ以外にも今作も見たらと思う。73分。私は気に入ったので2度見たが2回ともウトウトした。評論家の評価は高いかもみたいな作品。
2022/9/25(日) ☀️ city1
. 9/27(火) ☀️ 〃
あの娘がいる森
ママに後部座席からお菓子やジュースを口に入れてあげる
パパのお髭を昔の道具で剃ってあげる
そしておばあちゃんとのお別れ
ジブリの森の中にありそうな『おばあちゃん家』から始まる8歳のネリーの物語
そこで出会った自分と瓜二つのマリオン
ママが帰ってくるのか不安なネリーと
数日後に手術を控えたマリオン
クレープをこがしながら楽しく焼いたり
不味いスープを吐き出したり
クオリティが高過ぎる😁ごっこ遊びをしたり
まる2人が互いを励ましているかの様に見えた
もしかしたらその昔、秘密の森の向こう側で
8歳だったネリーママも8歳のネリーお婆ちゃんと時を共にしていたのかもしれないなぁ⭐️なんて…いろんな妄想や空想が膨らみましたね!
喪失から癒し、再生へ…その静かで穏やかな流れに自分も一緒に浮遊している様な73分でした
スクリーンから女児力が迸る。
自分がチョイスする作品次第なんだろうけど、
昨今は世相を反映してか、恐怖や残酷なシーンがこれまで以上に多く、かつ深刻になっている潮流の中で、揶揄もすると物足りないと感じるほど、穏やかで微笑ましい作品。
とにかく、子供の頃の母と一緒に時間を過ごす、と言ったアイディアがとてもハッピー。
母の歴史に触れ、母との繋がりを想う気持ちがとてもチャーミングに表現されている。
お気に入りのシーンは2つ。
1つは、冒頭病院から帰る車中で、運転する母にお菓子を食べさせてあげるシーン。自分が助手席に座って見ているような視点で、運転する母親の横顔に向けてカメラをフィックスする映像は、とても微笑ましい。
もう一つは、ドラマの転換点にもなる、母の誕生日にもかかわらず家に帰らない決心をして、パパに「今日じゃなきゃダメ」と伝えるシーン。この願いを振り切ることができるオトナは、なかなかいないかと。
カワイイから許す
森のなかの鏡
微動だにせず
Petite maman
こうも美しく引き込まれる世界観とは
ストーリーに関することは、2度目を観たい、そう想った。
ただ、この作品の映像はとても美しい。
どのシーンをとっても切り取っても、見惚れてしまう。田舎の森は深い緑ではなく、ちょっと秋めいたオレンジや黄色味の暖かい世界。青いネリーと赤いマリオン。この世界をつくる色と少し淡い彩度が澄み渡ったフランスの田舎を表現してる。
作中に音楽はワンシーンを除いてほとんどない。会話には無駄がなく、その間を埋めるのは余白。沈黙ではない。虫の音、風の音、車の音。その世界の音だ。
そんな美しい映像に見惚れてしまう。
最初にお母さんとドライブしてるシーン、後ろから娘が、お菓子、お菓子、次に飲み物、最後にギューってて腕を伸ばすとこや、子供2人でめたゃくちゃにクレープを作るシーンはなんとも心くすぐられる。
やびひもう一度体験したい。
#73 原題が思いっきりネタバレ
邦題だと秘密たっぷりな感じがするのに冒頭に出てくる原題のせいですっかり秘密がわかっちゃったじゃ〜ん。
時空を越えるわけでもなにかカラクリがあるわけでもないのに、死んだおばあちゃん家と森を挟んだ反対側に小さいママと若いおばあちゃんが住んでるお話。
8歳なのにこの衝撃的な出来事を受け入れてママと仲良くなっていく主人公ネリー。
今まで話してくれなかったママの歴史(ストーリー)を色々知っていくネリー。
何故過去のママやおばあちゃんに会えたかと言うと、きっとおばあちゃんと過ごした時間が足りなかったのね。
フランスが時空もの映画を作るとこうなることがわかった。
母親は何故、突然いなくなったのか
利発で心根の優しさを一見して感じさせるネリー(徐々にお転婆な面もふんだんに)は、大好きだった祖母の遺品整理のため両親とともに母の実家へ。ある日、森の奥へ導かれるようにたどり着いた目線の先には、自分と同じくらいの少女。そして、二人はすぐに意気投合します。
どうも悪い癖になっているようで、この手の展開をついつい「マルチバース」と頭によぎるのをなんとか振り切り、出来る限り「少女の想い」を想像し寄り添おうとするのですが、さすがに50オーバーのおじさんに全ては理解しきれていないと自覚しています。
それでも、女系3世代の人となりや、お互いに対する思いやり、そして当然のことながら「似た者親子」感は傍から見てても幸せを感じる絆があります。
ネリーのわだかまりが解消される終盤の展開、「悔いの残っていた祖母との別れの挨拶」、そして「途中退場する母と再会」が、観ている(50オーバーの)おじさんだってグッときて涙腺を刺激されるのです。胸キュンですw
スタイリッシュさとメッセージは分かるものの…退屈を塗り替えない映画
オンライン試写にて。うーん、コンパクトで観やすいとはいえ、そのスタイリッシュさが刺さらなかった。感動作と言うほど引き込まれず、ファンタジーの一編に感じた。
引っ越す家。亡くなった祖母。消えた母。心の隙間を表すように閑散とした部屋が彼女の心を表すよう。そこで出会った同い年の女の子は母と同じ名前。凄くファンタジックであるものの、普遍性を色濃く感じさせるセンス・オブ・ワンダーが特長。少女たちの冒険のようにも感じるし、人生の短さを隠喩しているよう。よく言えば優しい映画だし、悪く言えば退屈を塗り替えない映画だ。
このコンパクトさには緻密な計算と余韻を生むマジックがかかっているのだろうが、『燃ゆる女の肖像』と同様、さり気ないアクセントに気づけなければハマれない。拍車をかける様な展開が少なく、段々と咀嚼していくことで景色が広がっていくため、やはり人を選ぶ印象を受ける。分かりやすいことが正解とは思わないが、回収できなかった部分のわだかまりが残ったまま進んでいくのは何とも歯がゆくなる。
優しい物語ではあると思う。ただ、奥底に眠る部分に触れられるかは分からない。自分のセンスが起因する気がして、ちょっとモヤモヤ。
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