「「原題」の意味を調べてはいけない、という特異な映画…。」秘密の森の、その向こう yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
「原題」の意味を調べてはいけない、という特異な映画…。
今年283本目(合計558本目/今月(2022年9月度)26本目)。
どうしても70分クラスの映画なので、ひねる範囲にも限界があり、かなりわかりにくい展開になること自体は事実です。ただし、登場人物は子供2人(と、取り巻く大人)というわかりやすいもので、余計な人は一切出てこないので「この人誰?」というようなことは起きにくいです。
日本での公開タイトルはこの通り、「秘密の森の、その向こう」ですが、原題は全然違います。そして「原題(フランス語)を機械翻訳などかけるとネタバレになる」というあまり見たことがない類型(換言すれば、日本ではフランス語は義務教育でも高校でも習わない、ということからできること)になります。
原題を翻訳してしまうと「行くまでもなく最初から落ちがわかる」映画になるし、調べないと(元が短いという事情もあって)「そんなのわからないよ…」という「だまし討ち」みたいな論点があって、どうにも評価が難しいです。しかも70分と短いので語るところもないですし…。この「ネタバレ」になる「真の事実」は最後の10分くらいまでしか明かされず(原題を翻訳した人は別)、もとが短いのに「残りの10分でいきなり変なことを言い始める」という、理解を混乱させてくるパターンではあります。「虚言癖」とまでは言わないにせよ「そりゃないだろう」というパターンです。
ただ、フランスの森の中のシーンがきれいだった点、自然に関する描写やフランス文化(フランスでも、すごろく(人生ゲームっぽい)が遊ばれている点など)に触れられている点は評価しました。
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(減点0.3) 結局上記につきる点があり、「70分の準短編ものでは最後までトリックを見抜くのが難しい」「一方で原題を翻訳ないし、仏検なり一定の級(実は準2級の私でもわかるんですよね…。2単語に過ぎないので)を知っていると「あぁなるほどね」になるので、評価が両極端になりやすいのでは…というところです。
ただ結局これは最終最後は「フランス語自体が日本では(学習環境という観点で)メジャーではないのでできるトリック」だともいえるし、他に不愉快にさせる表現(性質上、森にいる動物を虐待するなどetc)は一切存在しないので、引いてもこの程度でしょう。
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