「淡々と良質な作品」偶然と想像 soleilヾ(´ε`○)さんの映画レビュー(感想・評価)
淡々と良質な作品
3話のオムニバス。
1話目、最初は、え?何を見せられてるの…?って感じの女子トーク。
琴音ちゃんの独特の世界観が素直でひねくれた性格の女子を好演してた。中島歩さんのオフィスに響くエエ声と相まって、舞台上映観てる感覚。
若い時は掴みきれない魅力的な子とのアドレナリンを選びがちだけど、大人になるとどストレートに性格イイ子とのセロトニンの方が必要ってことがわかるよねー。
最後のカフェのシーンで、両手で顔を覆うと時間が戻る演出、ああそうくるかー結局振り切らなかったのね、って思ったけど、どっちが現実なのかは受け手のお好きな方を…って感じなのかな。
2話目、これも、アドレナリンだよね。
専業主婦兼大学生には家族がいて、若いセフレがいて抑揚はないし女子にハブられてるけど穏やかな日々。セフレの復讐の手伝いすることで教授を誘惑して計画通り乗ってきたらアタシのアドレナリンドバドバじゃん…やろう!!ってなったのに(いや、この心理状態は想像だけど)全然教授は乗ってこないし、なんなら最後は教授に絆されてしまうっていう流れがいい。
最後は大学の事務に会話データを誤送して、先生が辞職して自分も離婚、ってなるけど、もう2人共大人だし「誤解しないで聞いて欲しい」とか「嵌めようと思ってやってました」とか話しているし、肉体関係があったわけでもないから第三者が聞いたとしても、そこまで問題にならないと思うんだけどなー。ここも納得感あるともっと好きなのになー。
ラストは、2つ上の同僚に捕まって結婚する、っていうナメた発言に静かにキレて「やってやんぞ!!」っていうキスをするの、よかったなー。やったれやったれ!!
しかし、KEEだった頃もやんちゃでカッコよかったけど渋オジになったなー、かっこよ!
鑑賞後3日目の朝、ふと気づいたけど
最後バスの中でキスしたのって、持つ者と持たざる者の立場が逆転する合図だったな。
セックス中は絶対キスさせなかったし、情が生まれるからキスはしないのが不倫の嗜みだけど、体の相性がよくてキスしちゃったら絶対情が生まれる。それを育んでからズタボロに捨てる未来を想像させられた…!爆笑。
3話目、随所随所に違和感はあったけど、えーーー!まさかの別人やん!でもなんか同い年くらいの東京と仙台で全く違う他人の人生も気になるし、家に入れてもまだ気づかなかったくらい波長が合うなら、もうちょっと話そうぜ、っていうのは女性の特徴かも。
本人を目の前にしたら言いたくても言えなかったかもしれないこともちゃんと言葉にして後悔を成仏させられたかもしれないし、大人になると新しい友達作るの難しいけど偶然友達(もしかしたら親友)を見つけることができたのかもしれない。いろんな示唆を含めた話だったな。
私の顔が河合青葉さんに似ててなんかすごい親近感もあったな。
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3話ともこれだけ淡々と進み、抑揚がないトーンでまとめられてるのに、ランチ直後の13:30からの2時間全然眠たくならなかった。
クスクス笑いも随所に散りばめられてて良質な作品だったなー!誕生日に観られて満足!