「遅れてきた濱口ファンの感想」偶然と想像 masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
遅れてきた濱口ファンの感想
♩出会いはいつでも偶然の風の中
きらめく君 僕の前にゆるやかに 立ち止まる
懐かし風景に再び めぐり逢えた
そんな気がする 君の胸に はるかな故郷の風
はい。ようこそ、ようこそ 私の馬鹿レビューに。いきなり、さだまさしの「天までとどけ」でございます。なんかこの映画に合っている気がします。
さてこの映画ですがタイトルが「偶然と想像」なんか難しそうですね。普通ならスルーです。普通なら。
当初は単館で小規模公開だったらしいのですが今は普通にシネコンにかかっています。
恐らく、いや絶対にあの映画の影響です。
ドライブ・マイ・カー
アメリカの本家本元のアカデミー賞の作品賞にノミネートされました。枠が広がったのも有りますが、前代未聞の快挙。
私も遅いのは承知で観たんですね。面白かった。良かった。感動した。
それでまず重要なモチーフの「ワーニャ伯父さん」を探す所がスタートですよ。ただね・・・近隣の書店で見つからず、図書館は貸し出し中。地下鉄で神保町まで行って購入。そして原作の村上春樹の短編集「女のいない男たち」を購入。
そして考えた。たくさん考えた。パンフも熟読した。
ある方から指摘されました。私は言いたい事がありすぎると・・・大正解。私のレビューは基本長文なんですが書く時に心掛けているんですよ。短く・・・そして短く。それでも長くなってしまいます。
「ドライブ・マイ・カー」のレビューも割と長いんですが、その後鬼のような追記。字数制限に掛かりました。しかしながらコメント欄で追記。多分ですがまだ続きます・・・
言っておきますが、皆さん読まないでいいですよ。まず長い。延々長蛇。しかも妄想。でもね・・・
こんな長文を書かせる作品の力って凄い。
さて以上の様な経過で私は濱口監督の大ファンになりました。にわかですけど・・・
さてある理由でマクラのおふざけは全カットしました。
オムニバス映画です。この映画は。世にも奇妙な物語と言う人もいます。コント集と言う人もいます。最近は少ないですね。好きなんですよ。オムニバス映画。
洋画だと、ロメロ監督の「クリープ・ショー」
邦画だと。和田誠監督の「怖がる人々」
3話からなるオムニバスまずは第1話
第1話 魔法(より もっと不確か)
タクシーの中で、会話する女子二人。芽衣子(古川琴音)と つぐみ(玄理)
つぐみは新しい男性の出会いがありました。喜色満面で芽衣子に一部始終を語ります。芽衣子は聞き上手です。相当に地頭が優秀。
相槌、間の取り方、ツッコミ、パーフェクト。観ていて飽きません。心理学で言うミラーリングを知ってそうです。
やがてつぐみは先にタクシーを降ります。芽衣子の自宅に近づきます。うかない顔の芽衣子。
運転手さん、今きた道を戻って下さい。
まじっすか! この先は言えません。
いやはっきりした、古川琴音って天才!
第2話 扉は開けたままで
奈緒(森郁月 もりかつき)は主婦で子供もいます。思い立って大学に入ります。欠点は性欲が強い事と理性に欠ける事。またはその両方です。
若い燕の佐々木(甲斐翔馬)の口車に乗り大学教授の瀬川(渋川清彦).にハニートラップまたは美人局を仕掛けるお話です。ところがなんと・・・瀬川は警戒心が強く・・ 思わぬ方向に話は転がり・・・不思議なエンディングに・・・
奈緒と瀬川の会話劇なんです。セクシーな単語が飛び交います。が、隠微じゃない。濱口監督の例の棒読みですね。でも棒読みだが棒読みじゃないんですね。テキストが頭の中に充満するんですよ。これがまた。
第3話 もう一度
夏子(占部房子)は東京在住ですが、クラス会の為に仙台に行きます。18年ぶりです。
あれ?あれあれ?馴染めない。当時も浮いていたし、しょうがないか・・・
ところがなんと?仙台駅のエスカレーターで見知った顔。あーー久しぶりーー
エスカレーターってドラマチック。柔道家の古賀稔彦さんの話しです。
ある日エスカレーターに乗っていた時、なんか舞台に向かう気持ちになりました。そして当時、はやっていた歌を歌うんです。「千の風になって」
♩ わたしの〜 お墓の前で 泣かないで下さい〜
下りのエスカレーターからある人物。さっしがつきましたね。秋川雅史さんです。
すれ違う二人。秋川さんは二度見、三度見。まっそりゃそうだ。古賀さんは柔道界のレジェンド。なんで俺の歌を歌ってるんだ?
偶然と想像ですよ。
閑話休題(なにわともあれ) 妙齢の女性の会話劇になります。このテキストどんだけあんだ?
そして面白くもあり、せつなくもあり、希望に満ちたエンディングに・・・
音響効果は少ないです。シューマンのピアノ曲のみです。楽しい、面白い、・・・少し違う。
記憶に残る映画です。
今更ながら濱口監督の大ファンですよ。合わない人の気持ちもわかりますが・・・
舞い上がれ 二人の明日 風船の憧れのように
二人の愛 天までとどけ
アメリカの映画賞ですが、天までとどけ‼️
こんな長文にお付き合い頂き有難うございました。
masamiさん
コメントへの返信有難うございます。
「寝ても覚めても」、巧いっ✨
masamiさんたら。
プーチンの蛮行を報道で見ていると、スパイ映画のように回避とはいかず、現実の厳しさを見せつけられますね。
masamiさん
濱口監督推しなんですね 🎥
力のある作品がノミネートされている中で、その一つに入るなんて、正に快挙 ✨ ですよね‼︎
1話目の「魔法( よりもっと不確か )」、つぐみと芽衣子の会話をずっと聞いていたいと思いながら観ていました 😌