「濱口竜介の世界観」偶然と想像 あささんの映画レビュー(感想・評価)
濱口竜介の世界観
あり得ないような偶然と想像をテーマに異なる3つの物語がオムニバスで紡がれる。全体的な評価は3.5だけどそれぞれ評価が異なるので以下3編をそれぞれ細かく書きました。
1.魔法 ★★★ 3
タクシーの後部座席での女の子二人の恋バナ。
カメラの長回し、膨大な台詞の量、哲学的な台詞…冒頭から濱口イズムがガンガン溢れてるよね。ドライブマイカーでも車の後部座席の会話が重要なシーンだった。別れた恋人が親友といい感じとか聞くと誰もがモヤモヤするよね。そのなんとも歯痒い気持ち、わかるよ。主人公の女の子古川琴音ちゃんの独特の空気と話し方、適役だわ。
2.扉は開けたままで★ 1.5
大学に通う、娘もいる主婦が同じ大学の男の子とセフレ関係にあり、その男の子に懇願されて大学の教授を陥れるハニートラップをするも、全く違う展開に…最後に重大なミスを侵して本人は離婚し、教授も大学を辞めるというストーリー.あの大学生の男が不幸になればいいのに。
申し訳ないけど、この設定が生理的に受け付けない。劇中の教授のセリフにあったように、不倫とかハニトラとか下ネタを中盤に挿入することにより程よいスパイスになるけど、私はどうも拒否反応がでちゃうんですよ。評価0だったんだけど、教授がいい人すぎて、あの録音のシーンとかなおと教授のやり取りが面白すぎてそこで点数アップです。教授、仙人か!
3.もう一度 ★★★★ 4
三章では舞台は変わって仙台に。中盤のどんでん返しに爆笑!うそ、こんなことってあるの?ってな偶然と、会いたかった人に相手を見立てて話をするという“想像”
彼女たちは40代、この年代に差し掛かると人や主婦には響くんじゃないかな。二人の思いがけない邂逅が胸にジーンとくる作品だ。
“時間に殺される”っていい表現、これ、現代人のほとんどがそうだよね。
「トライメライ」などをはじめとするクラシックピアノがいい。
あささん、ドライブマイカーへの返信コメントありがとうございました。
ついにアカデミー賞でも、ノミネートされましたね、すごい!!
濱口監督のこの作品では、「時間に殺される」のフレーズが、私もズンときました。
これからもゆるゆるとよろしくお願いします。
第二話のラストですが。
やっぱり気が変わった、というのは、これから結婚するとかほざいてる、いまだにふざけたこと抜かしてるお前を不幸にしてやるからな❗️
という宣戦布告だと、私は解釈しました。決して以前のような腐れ縁復活ではないと。