仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
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二部作の一作めだけどきちんと中締めあり、梅安&彦さんコンビの超正統娯楽時代劇
原作や過去のドラマを見たことはないが、製作側の時代劇への本気を感じて興味を惹かれた。ビジュアルは、坊主のトヨエツがちょっと地味かなあと思ったが、それは杞憂だった。トータルで渋くかっこよく仕上がった作品の中で、トヨエツの梅安はパズルのピースのようにぴったりとはまっていた。
ちなみに本作は二部作であるため、話の途中でもやっとした終わり方をするのではと心配していたが、第一部だけできちんと話が一区切りつくように作ってあり、そのことも好感度を引き上げた。本作は江戸での物語で、次作は京に舞台を移す。
「起こり」や「蔓」といった聞き慣れない用語が出てくるが、序盤で巨大な漢字表記を出してきちんと説明してくれる。江戸と次作の京の2か所を舞台にするところは、東日本と西日本へのサービスのようでもある(違うか)。あるいは、監督のインタビューやエンドロールの英語併記を見るに世界への発信も見据えているようだったので、海外受けを狙った面もあるのかも知れない(原作を知らないので、適当な想像です)。
設定の周知に関してはとにかく親切で、折々に彦次郎の声で説明を入れてくれるので、原作を知らなくてもよく理解できた。
室内や夜などの陰影にリアリティがある画面。現代に寄せ過ぎていない、整った言葉遣いが耳に心地いい。
悪人は見るからに、どこまでも悪人らしい(オープニングでいきなりグヘヘ……の石丸謙二郎、分かりやすい!)。天海祐希演じるおみのの、悪女として振り切ったかっこよさ。短い場面でもインパクトがすごくて、でもほっとさせる役回りの高畑淳子。池波作品の料理本まで出している「分とく山」野崎総料理長が作った、簡素だが美味しそうな料理の数々(公式サイトでレシピも見られる)。
そして何といっても梅安と彦次郎の、緊張感と気安さと、ほんの少しほっこりする雰囲気が同居するバディ感がたまらない。どこを取っても完成度が高い。
梅安がワイヤーアクションで塀を駆け登るシーンがあって、これはありなのか……と思っていたら、原作でもそんな場面があるらしい。
吹いただけで爪楊枝がそんなに飛んで刺さるか?とも思うが、これはケレン味というものでしょう。
過剰な愁嘆場がないのもいい。妹との再会と、自分が兄であることをおみのに伝えないまま、仕事を全うしたことによる永遠の別れ。幼い頃彼女をかわいがり、理不尽に引き離された梅安の胸中はいかばかりだっただろう。その思いを激情的に見せることはないが、彦次郎が眠った後、ひとり夜空を眺めるそのまなざしに全てが滲んでいた。このように抑えた表現は、今時ではかえって新鮮だ。
エンドロールの後に、けっこうがっつり次作の予告映像がある(見落としても次回丁寧に説明してくれそうではあるが)。キャストに椎名桔平の名前があったけど見かけなかったなと思ったら、このおまけ映像にだけ出てきた。今回の鑑賞前に見た予告の中で佐藤浩市がやたら目立っていたが、今回は出番なし。
きちんと作られた、質のよい娯楽時代劇を見たという感じ。次作も見ます。
これぞキングオブマスタ-時代劇!これを観ないで何を語る~
今日は 下町のキネマの見世物小屋でちょいと早めの
「仕掛人・藤枝梅安」を サクっと見てきましたぜぃ
へぃダンナ・・・
この映画何ですがね、前もって宣伝チラシを持って
いたんでやんすが、
ずっと、演劇の紹介宣伝だとあっしは勘違いしておりやんした。
何で?演劇チラシがあるんかいなと~。
最近集合キネマ見世物小屋でも
中継歌広場とか見世物演劇あるんで
てっきりそれかと思っていたんでさぁ、なななんと
宣伝キネマ動画が有って
それでキネマじゃ御座いませんかと
分かった次第なんですぁ~。
原作:池波正太郎先生の 生誕100年記念だそうで
1923年(大正12年)1月25日生まれなんですね。
オメデトウでございまする。
2部作公開で、
第一部:2023年2月3日公開
第二部:2023年4月7日公開
なんですぜぃ・・
出ている役者陣:
藤枝梅安:豊川悦司さん
彦次郎:片岡愛之助さん
おもん:菅野美穂さん
おせき:高畑淳子さん
津山悦堂:小林薫さん
与助:小野了さん
石川友五郎:早乙女太一さん
羽沢の嘉兵衛:柳葉敏郎さん
おみの:天海祐希さん
などなど~挙げたらきりがないっったらこの事だよぉ~
豪華豪華の顔ぶれだぁー。
わたしゃ好きだね~こんな映画。良くぞ撮って下さいました。
最近の若け~者は、キネマの味ってものを知らないから
困ったもんだよねぇ。味だよ味。
この映画には往年にして培われたそれが
随所に込められている味があるんだよぉぉ。
※書いてて疲れたわ。 (;^ω^)
まあ、見てて愛之助さんがやっぱ声が通ってて
流石な演技(あったりめ~よね)と再認識したね。
豊川さんもイイねんけど、声の通りは現代劇役者向きかな。
時代劇版のミッションインポッシブルってとこでしょうか。
※全く違うけどなw
・特に私的にめっちゃ褒めたいのは
照明の当て方、そして撮りね。
素晴らしいっす。
障子の明かり、ロウソクの明かり、日の下。
とっても丁寧な撮影が伺えます。
役者の顔色が 思ってた通りの色合いで
バチっと合ってると感じるねんな。
確かにちょっと暗めに感じるかもやけど
この時代の当時を表すのには これ位の
明かりが丁度と思う。
これ以上強く明かりを当てちゃうと
変な反射出来て 時代劇には沿わんかと
思うのよね。
・人の人情って奴を醸し出している作品。
池波先生の神髄を感じる設定。
鬼平犯科帳、剣客商売、真田太平記
などなどあるけども・・・
そしてグルメな所も魅せていて
本当に旨そうに食べてる絵がたまらん。
”土を喰らう十二ヵ月”をも 彷彿させる場面が
イイねぇ。これ時代劇なのに 庶民の味がここに在って
つい こっちにも”頂戴と” 言いそうになるわ。
・仕掛人という 刀をメインの武器とせず
隠密行動で相手を必殺するという 技。
これが また面の割れた忍者的で魅了するねんな。
昼間は鍼医者、影では暗殺稼業~ コレね。
遠山の金さんとか
身分を隠して 人の為に何かをして
悪を懲らしめる。
こう言う展開が 時代劇の王道よね。
今作のクライマックス。
最後、梅安がおみのを抱きながら
殺める所。あの表情・・・天海さん最高ですね。
何処がええねん って 若い奴はほざくかもだが
人の情(心)って奴をうまく出せててなんぼの役者やねん。
それが最高域に達してて 初めて涙が ホロリとするねんな。
ここ 凄いく良かったよね。
めっちゃ惜しかったのは、
ここの おみのが梅安の 離ればなれに成った
妹である繋がりが 目の瞳の中で
回想を走馬灯の様にさせるんやけど、
その表現はあかんかった。
あの 旧ビデオ再生ノイズの雰囲気で
昔を表現したつもりなんやろうけど
あれは 頂けないと思ったぜぃ。
時代劇なんやし あれは考え直さないといかんなぁ。
でも 他は全部良かったし おもしれぃ~。
次の 第二部も めっちゃ期待しておりまする。
好きなお人は 是非とも
お近くの 藤枝梅安キネマ劇場へどうぞ!
藤枝梅安初鑑賞
2023年映画館鑑賞12作品目
3月14日(火)イオンシネマ新利府
6ミタ0円
原作未読
テレビドラマ版未鑑賞
映画も萬屋錦之介版未鑑賞
原作は『鬼平犯科帳』の池波正太郎
河毛俊作映画作品初鑑賞
河毛監督はフジテレビの演出家で『君の瞳をタイホする』『沙粧妙子-最後の事件-』『きらきらひかる』など人気ドラマに携わった人物
脚本は『お墓がない!』『昭和歌謡大全集』『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』『寝ずの番』『悪夢ちゃん The 夢ovie』『悼む人』の大森寿美男
大金で雇われた殺し屋がターゲットを殺す江戸を舞台にした時代劇
依頼されてないけど悪党なら殺す殺し屋
鍼で殺すわけだが医者が検死してもわからないものなのね
おみのは子供のころに別れた梅安の妹
妹まで殺すとは思わなかった
冒頭いきなり褌
トヨエツって昔からどちらかというと無表情
相棒はいい意味で漫画チックな歌舞伎顔
わりといいコンビ
元は忍者か鼠小僧か梅安なぞの跳躍力
みうらじゅんの名言じゃないけど「これ絶対入っているよね」って芝居を表情のみで演じている菅野中村高橋が良い
エロ動画よりよっぽどエロい
時代劇の良いところはマスクしないところ
情報を得るために女と肉体関係になる手口はゴルゴ13とよく似ている
そういえばゴルゴもトヨエツもほぼ無表情
新たにゴルゴ13やるならトヨエツがいいな
早乙女太一の殺陣と石丸謙二郎の悪党顔が良かった
時代劇は男尊女卑だから嫌いという意見をネットで見たことがある
だからといってコメディータッチならともかくシリアスな正統派時代劇の設定を現代風にアレンジする必要ないと思う
言葉遣いはわかりやすいように十分に現代風に寄せているしこれはこれで良かった
全体的にシリアスだが高畑淳子がコメディーリリーフとして少し和らげている
絶妙な芝居
さすがベテラン
エンドロールのあとに次回への伏線のようなちょっと長めのおまけ動画あり
夜は仕掛人を請け合い日中は鍼医者を営む藤枝梅安に豊川悦司
梅安の親友で楊枝職人を装う吹き矢飛ばしの仕掛人の彦次郎に片岡愛之助
薬研堀の料理屋「万七」の女中おもんに菅野美穂
梅安の紹介でおもんが転職することなる浅草の料亭「井筒」の主人の与助に小野了
梅安の女中おせきに高畑淳子
梅安の針医者の師匠で故人の津山悦堂に小林薫
嶋田家家来ながら大学を裏切り監禁されたお千恵を救い出した剣の達人の石川友五郎に早乙女太一
梅安に仕掛人の仕事を依頼する香具師の元締・羽沢の嘉兵衛に柳葉敏郎
万七の女将おみのに天海祐希
嶋田家用人の娘のお千絵に井上小百合
万七の女中のお美代に朝倉ふゆな
万七の女中のお里に吉田美佳子
お千絵の両親の仇でお千絵にまで乱暴した旗本の嶋田大学に板尾創路
久留米藩江戸藩邸御用取次の伊藤彦八郎に石丸謙二郎
久留米藩士の妻のお香に中村ゆり
以前梅安に仕掛人の仕事を依頼していた人入り稼業の元締で万七おみののお得意さん田中屋久兵衛に大鷹明良
盗賊の一味だった大工の万吉に六角精児
彦次郎に殺された盗賊頭・御座松の孫八に趙珉和
梅安の少年時代に田中奏生
梅安の妹のお吉の幼女時代に田中乃愛
梅安の妹のお吉の少女時代に凛美
梅安の患者・下駄屋の金蔵にでんでん
金蔵の妻おだいに鷲尾真知子
万七の主人でおみのの夫の善四郎に田山涼成
手負のお千絵を匿った常在寺の善達和尚に若林豪
暴漢に手込めされ自決した彦次郎の妻おひろに高橋真悠
大和国の侍に椎名桔平
The時代劇
いきなり番宣で見たシーンから始まった。
トヨエツのサービスショット
ありがたい。(՞߹ - ߹՞)
2部構成だから見ないと…笑
ギリギリで観る事ができました
悪い侍…権力振りかざす(定番)
金で人を操る悪人
嘘をつく人、弱者を虐げる人
そしてその悪人を
いとも簡単に成敗する主人公
60歳なのに簡単に
塀を飛びこえる。すご
違和感しかない。
水戸黄門みたいに→タダの例えです
善悪しかない。
悪者は死ぬしかないのかな。
スッキリはしたけど。
時代劇はこんなんだったと
思いながら楽しみました。( ᷇ᢦ ᷆ )
弱者が理不尽オンパレードで若干引きました。
トヨエツや愛之助さんの演技がよかた。
小林薫さん久しぶりに見た。
高畑淳子さんもコミカルな演技で
ホッコリしました。
最後に仕掛けが...
「必殺仕事人」を思い出して懐かしく思い、すんなりストーリーに馴染めました。
無駄なセリフが無いので、話も分かりやすいです。変な伏線回収もありません。ご安心を。
トヨエツを始めとする熟年俳優陣も燻し銀の磨きがかかり素晴らしい出来栄えです。
早乙女太一の殺陣も迫力がありました。
その中で笑えたのが
板尾創路と六角精児かな。クズの悪役を見事に演じていました。笑笑
天海祐希が圧巻の妖艶な演技を見せてくれたのですが、演技が凄すぎて終盤では妖怪に見えました笑笑
エンドロールで帰ろうと思ったら、最後に仕掛けがありました。危ない危ない笑笑
原作、過去作未視聴
・役者陣の演技が素晴らしい。端役の人も上手くて世界観の中で浮いてしまっている人がほぼいないので安心して見ていられる。
・特に天海祐希さんは素晴らしく、地獄のような過去から這い登り強かでかつ魅力的な女を演じられていた。最期の仕掛けられるシーンは美しくもあった。
・最初の仕掛けのシーン、真っ黒な川から上がってくる梅安がとてもかっこよくてワクワクした。
・おせきが明るくて梅安との絡みも面白くてドロドロした主人公の世界に全く関与していない感じが梅安にも救いがある感じで良かった。
・勿論針をピンポイントで刺したり、吹き矢を喉に命中させたり、元々人間離れしているのだが、まだ技を極めたら出来るのかもと思える。しかし、道具を片手に持ちながら塀をぴょんと登ったり、万七の前女将の仕掛けで黒い衣装を着るだけで誰からも感知されなくなるのは流石に超人過ぎて、所詮ファンタジーかと萎えてしまった。
・天海祐希の仕掛けシーン、フラッシュバックが確かに切なくなって心が揺さぶられたが時代劇で砂嵐加工はアリなのか。
・男と女が本作のテーマなのかもしれないが、姦通とか無理やりとかその復讐とかそういうのしかないのかな?
細かい粗探しをしてしまったけど、全体を通しては面白かったという感想。続きも見たいし、シリーズ化もして欲しいくらいにはクオリティ高いと思う。
TVとは違う地に足のついて藤枝梅安
TVドラマ「必殺」シリーズの元となる仕掛人・藤枝梅安を丁寧に描いてる。
TVドラマの様に恨みを晴らすシーンを主体として描くのではなく、しっかりと地に足をつけ生きてる人々の喜びと哀しみをうまく調和させてる。
その中で主人公が人との繋がりを断つ姿が哀しく、業を背負い佇む姿が哀愁を醸し出す。そんな平穏からかけ離れた彼らが鍋を囲み除夜の鐘を聴きつつ飲む酒がその哀しみを増大させ観てる私の心にも沁みた。
湯豆腐
時間帯の兼ね合いにより急遽鑑賞。時代劇は普段触れないジャンルなので、どうなるんだろうと思って観ましたが、最高に面白かったです。
表の顔は針医者、裏の顔は現代で言う殺し屋である仕掛人という二つの顔を使い分ける男の物語です。時代劇やそれらの小説は読む機会があまり無いので、一つ一つ物語と一緒に知識を深めていきました。変に説明くさいとは思わず、勉強になるなーと思いながら観れたのは良かったです。
基本的には梅安の殺しのスタイルや、それらにまつわるエピソードを周りの人物と共に進んでいきますが、テンポがとても良いので飽きる事なく観ることができます。殺し方がスマートでカッコいいですし、周りの人物たちの行動がユニークかつ迅速なのもまた良いです。殺される人物はしっかりと分かっているのに、そのシーンも見応え抜群。大胆に殺すのではなく一刺しで決めるクールさ。時代にマッチしたものではなく、その時代を活かす殺しに痺れました。
役者陣は文句なしの素晴らしさ。特に天海祐希さんの存在感は美しく、気高く、圧倒的でした。板尾さんのいやらしい感じは最高で、舌舐めなんてゾッとしました。
なんと言っても今作の魅力は食事のシーンでした。原作から製作陣まで、食事のシーンを大切にしているからこそ食べるシーンも作るシーンも映えていました。よだれが垂れてしまいそうなくらい美味しそうな和食が魅力的でした。一瞬でしたが卵焼きのツヤッツヤな感じが最高です。自分が映画を観ての評価のファクターの一つに食を大切にしているかが含まれているので加点しまくりです。
4月に仕掛人・藤枝梅安2もあるので楽しみに待ちたいと思います。
鑑賞日 2/15
鑑賞時間 14:20〜:16:55
座席 B-4
素晴らしかった
演技も配役も美術も演出も何から何まで素晴らしくて、大傑作ではないだろうか。見た直後で興奮しているため、落ち着いてじっくり考えなければならない。物語の世界が狭すぎて、偶然と過去の因縁が繋がり過ぎで、出来すぎではないかというきらいはある。
老人たちの淫欲がすごい。羨ましいくらいなのだけど、元気すぎて問題を起こす。
若い侍が板尾の殿様の軍に囲まれる場面は、『タクティクスオウガバトルリボーン』をしているため、槍の兵はルーンフェンサー、侍はソードマスターだと思って見て、すると片岡愛之助が吹き矢で参戦し、忍者までいると変な興奮をした。殺陣もリアルで無残でかっこいい。また、梅安はクレリックに見える。
仕掛人の二人がやたらと仲がよく、食事ばかりしている。年をとると友達がなかなかできないので羨ましい。
シリーズ化してずぅっと続けてください
工藤栄一ばりの光と影の映像、終始クールな豊川梅安、カッコいいんだけど、殺す相手がワインスタインみたいな無抵抗のスケベじじいばっかり。悪い奴らには違いないんだけどなんだかなぁって思ってたら、クライマックス哀切の「お前の生命は俺が預かる」の場面に涙。
涙が出かけたところでフラッシュバック、、要らないよー。わかってるよー。観客信じてくれよー。
あそこは余韻を持たせて終わって欲しかった。
梅安さんはどうしても緒形拳さんのイメージだったので、今まで他の人はあんまりだったけど、トヨエツ良かった。緒形拳さんとは別物。
年に数回の特番でいいからテレビでシリーズ化してほしい。(テレビの必殺もの残念なことになってるからね、言っちゃダメか)
世界観が素晴らしい
豊川悦司は
ここにきてグッと渋みが増した気がします。
演技もとても素晴らしく
そして僕は途方に暮れるでみせた
いい加減な親父から
一転
隙のない人物を見事に演じてる気がしました。
時折出る
江戸時代の食事が
いい感じにお腹を空かせます。
最後に
この映画は日本から
世界への挑戦です。
黒澤明監督のような斬新さはないですが
江戸時代の日本が知れる
日本代表みたいな映画だと
感じました。
梅×彦の○○モノとしても、、、
池波正太郎の時代劇。最近、鬼平犯科帳はアニメにもなっていますし、今回トヨエツが梅安とのことで、劇場へ。
ストーリーは原作の「おんなごろし」をアレンジしていると思います。梅安と彦次郎の二人の仕掛人に、別々の蔓(殺しの元締め)から依頼された事案が、複雑に絡み合うサスペンスになっています。
女優陣はヒロインの「おみの」の天海祐希は色っぽいのですが、所作が力強いので好き嫌いが分かれそう。菅野美穂は可愛い年増を、という感じなのだろうが、、、もう少し「したたか」な部分を出すか、甘々感を出すか、梅安が側に置いておこうと感じる何かが欲しい。
文句なしは、通いの飯炊ババアの高畑淳子。シリアスなシーンの連続のなかでの、良い「抜き」になっています。
男優は秀逸でした。トヨエツは相変わらずの色気がたまらん。脇も良い。板尾の悪代官役はどハマりですね。まあ若い頃はリアルにヤバかった人ですが、こういう役どころは見事。
何よりも、彦次郎の愛之助。これもコッテリの艶っぽさ。
冒頭から梅安と彦次郎がイチャイチャしていて、途中から梅・彦のBL設定で楽しんでいました。炬燵で寝る彦様に上着をそっとかける梅様!む〜尊い!料理対決も良かったね〜、鰹節だけの素朴なお粥を彦次郎が振舞えば、梅安はお師匠直伝の鍋。
で、ラストは二人で東海道をお伊勢参りですと!なんと、弥次喜多in deepオチかよ〜、椅子からズリ落ちそうになりました。。。。
紙一重の善悪
"仕掛人・藤枝梅安" 二部作第1部。
池波正太郎生誕100年企画作品。
時代劇専門チャンネル開局25周年記念作品。
原作シリーズは未読、
過去の映像作品はいくつか視聴済みです。
映画らしい重厚な映像と多彩な演技陣によって、「仕掛人・藤枝梅安」の世界観が令和に新生。因果を巡る人間ドラマと華麗な仕掛けの技に魅せられ、匂い立つ様に発散される色気に酔いしれる、極上のハードボイルド時代劇でした。
藤枝梅安と云えば、男の色気と仕掛けの身のこなしが魅力的ですが、本作で梅安を演じる豊川悦司はそれらを十二分に体現し、歴代の梅安役に負けず劣らず、素晴らしい演技でした。
仕掛人の掟と善悪の紙一重な境界に想いを巡らせながら、許せぬ悪を始末するべく動く梅安と相棒の彦次郎。因果は巡る糸車、残酷な運命の結末に胸がぎゅっと締めつけられました。
第2部へのブリッジもお見事。
[余談]
天海祐希の悪女演技が素晴らしい。死の刹那、全てを悟った表情になんとも言えない悲哀があり、印象に残りました。
[追記(2023/02/10)]
池波作品の魅力のひとつとして、食の描写があります。本作もそれをしっかり描いていて、どれもみんな美味しそう。
「こりゃうめぇや」と舌鼓を打つ彦次郎の表情と口調は最高の食リポ。観ていてめちゃくちゃお腹が空きました。
素朴だけど、シンプルがいちばん美味いんだよなぁ…
[以降の鑑賞記録]
2023/09/24:Lemino(期間限定無料配信)
梅安さん、こいつぁうめぇや!
池波正太郎(1923-1990)
戦後日本を代表する時代・歴史作家
劇作家から小説家として身を立て
1960年には直木賞を受賞
「鬼平犯科帳」
「剣客商売」
「仕掛人藤枝梅安」
などの代表作を発表
忠実な歴史考証よりも
「造語」を中心にした
妙にリアリティのある表現の
独特の世界観でどんどん
読者を引き込む作風が
人気を博した
料理も精通しており
作中には詳細な調理法などが
記されドラマ化の際にも
撮影には一流料理人によって
調理された料理が並ぶ
徹底ぶりを現場に申しつけ
異様な高クオリティを実現
登場した料理のムックまで刊行
されたほどである
自分も死んだ父が鬼平の
大ファンだったこともあり
藤枝梅安も渡辺謙版が強く
記憶にありますが
でどうだったか
旧来の池波ファンもきっと
満足するクオリティで
大スクリーンで映える出来で
大変満足しました
逆に言えばこれほどの
作品はもう地上波で放送
されることがないのかという
寂しさすら感じるほど
時代劇そのものがレアな
時代になってしまいました
二部作一つ目のストーリーは
藤枝梅安の定番エピソード
「おんなごろし」
依頼人「起こし」の依頼を
元締「蔓(つる)」が吟味し
暗殺者「仕掛人」に前金で依頼
完了後に後金を支払う
という造語を含めた
池波ワールドが
いきなり展開します
配下の嫁に手を出した
エロ侍の仕掛を完了した
藤枝梅安が盟友の仕掛人
彦次郎の家に立ち寄り
ネギと醤油に粗削りの
鰹節をかけた
うまそうなお粥を馳走になる
というつかみはおkの冒頭
そんな裏稼業では凄腕の
仕掛人の梅安も表向きは
品川の評判の鍼医者
そこへ蔓の嘉兵衛が後金を
渡す用事でもう一つ依頼をします
その標的は高級料亭万七の女将
「おみの」
数年前に万七の旦那善四郎の後妻で
前妻は急死だったのですが実は
梅安の仕掛によるものだったのです
その依頼は嘉兵衛ではなく
田中屋久兵衛という
そう付き合いのない
元締によるもの
自分の仕掛が誰かを救いに
なっていればという願いも
空しく女殺しの因果かと
梅安は前金を受け取ります
早速万七へ足を運ぶ梅安
万七は評判の料亭だった
ものの女将が変わってからは
料理の質も落ち騒がしい店に
なったことを女中のおもんから
聞き出し身の上を案じつつ
標的の素性を探ると
そんな時に彦次郎が
よもや久兵衛から
元盗賊という噂のある
大工「為吉」の
仕掛を依頼されます
為吉を調べると彦次郎は
盗賊で間違いないと
確信します
なぜなら「元同僚」だったから
彦次郎は元盗賊だった
もののやり方に嫌気がさし
御座松の孫八を殺害して
金を奪って逃げた過去を
梅安との食事の際に
打ち明けます
為吉はその通りで
おみのとも旧知の中であり
万七襲撃を持ち掛け
ウザがらみするところを
梅安が締め上げて
追っ払いますが
そこで間近で見たのと
おみのも恐らく孫八の娘だと
彦次郎に告げられ
梅安もおみのが生き別れの
妹であることを確信します
この異様なほどの世間の狭さ
こそ池波作品!
梅安はその名の通り
静岡は藤枝の出で父が死ぬと
母は妹を連れて男と失踪
その男が孫八だったのです
梅安は妹が標的になった事に
驚きを隠せないものの
無事に生きていたこと自体を
喜ぶかのような笑みで寝転がる
シーンは印象的でした
さて
為吉の始末を終えた彦次郎
のところへ今度は久兵衛は
ある剣士の始末を依頼してきます
旗本島田大学の元から
女をさらってかくまう
ふてえ野郎だとの事
目星をつけ調べていくと
行きついた寺で梅安と
ばったり会ってしまいます
梅安は寺から往診を頼まれ
ありえないケガをした
女性を介抱していました
その道すがら以前
会ったことがある
凄腕の剣士につけられますが
逆につけ返して
事情を聞きます
その剣士は名を
石川友五郎と言い
島田大学の元で
仕えていたが
大学は万七のお得意で
女遊びが過ぎて
配下の妻に手を出し
自刃した両親の娘にまで
手を出したところで
我慢が出来ず
連れて逃げ出したとの事
その剣士の始末を
彦次郎が久兵衛から受けた
ことで田中屋と万七
おみのらとの繋がりが
ハッキリしたところで
まず梅安はさして
悪人でなかった万七の前妻
のいらぬ仕掛をさせた
久兵衛を始末
彦次郎は田中屋に顔を
出させてアリバイ作り
大学はその後寺へ急襲を
かけますがメチャクチャ
強い友五郎が立ちはだかり
彦次郎も加勢します
その間に梅安は
万七で寝ている大学を始末
その後おみのが出てきた
ところを最後の最後に
自分の正体を打ち明け始末
梅安の正体に
全く気づいておらず
善四郎を殺してくれたら
私を抱いてもいい
といった妹おみのの
最後の願いを聞くように
その後旦那も始末・・
たとえ妹であっても
蔓が見極めた前提の仕掛を貫く
後戻りできない修羅道
ただおみの始末の依頼を
吟味したのは嘉兵衛
その嘉兵衛の真意とは?
彦次郎がいつも「こいつぁうめぇや」
と感嘆するほどの食事に
梅安がこだわるのは
それが最後の食事になっても
いいように…
ハードボイルドな世界が
むんむん
ガキっぽいヒーローたちの
運動会にウンザリしていた
自分には刺さりました
これは海外の人にも見てほしい
と思います
スタッフロールが英字表記も
あったんで意識してる
んでしょうね
次作も楽しみ
世界に日本の時代劇を
豊川悦司演じる藤枝梅安と
片岡愛之助演じる彦次郎
2人の眼光鋭く悪人を仕掛ける姿と
「彦さん」「梅安さん」と呼び合い
「今日は泊まって行きなよ。」とか
「炬燵の熱はちょうどいいかい。」なんて
トヨエツの色気は女だけに
向けられるものではないね😍
.
.
脇も錚々たるメンツで、
その場をパッと明るくさせる高畑淳子の
おせきには何度も頬を緩まされたし
早乙女太一の殺陣のシーンは
「あぁこれこそ時代劇の殺陣」と惚れ惚れした。
石丸謙二郎と板尾創路の下衆さは、まさに顔芸🤣
餌食となる女中の手の甲をデロンと舐めた
あれは鳥肌ものよ👅笑
そして、なんと言っても天海祐希の
悪女っぷりが小気味いい。
ドスのきいた声と貫禄と大人の色気はさすが👏
.
.
おみのと梅安のラストの刹那
梅安の心中と雪が舞う空
ひとり縁側で見上げながら🍶を飲む梅安
美しい日本の風景と哀愁とが見事に調和🇯🇵
エンドロール後、4月公開の第2部に
繋がるシーンもあり途中退席はお控えください✋
いい塩梅の梅安
「起こり」とは仕掛人との仲介役である蔓に直接仕掛を依頼する人。「蔓」とはいわゆる元締であり、人物を見極めた上で仕掛人に依頼する。知らなかった。これだけの専門用語を用いること自体、以前のTVシリーズや劇場版よりも原作に近いのだろうと思わせてくれる。
とにかくシビアな時代劇。デジタル技術の発達によってTVでは味わえないほど行燈の光だけで浮き出す陰影が渋みを増している。まるで白黒映画のような印象さえ残るほど。思わずトヨエツの顔のシミがいくつあるのか数えてしまいそうになった。
ストーリーとしては劇場版一作目『必殺仕掛人』(1973)と被っているが、メインとなるのは仕掛の相手が梅安の妹だったというところ。プロローグの次に依頼されたのが、料亭の女将おみの(天海祐希)。女に縁があるなぁと因縁のようなものを感じる梅安だったが、3年前に仕掛けた女も同じ料亭の女将だった・・・偶然にしちゃ出木杉。一方、同業の仕掛人・毒爪楊枝の彦次郎(片岡愛之助)は別の蔓から侍の仕掛を依頼されるが、その浪人は寺に女を匿ってる様子。そこで梅安とばったり出会って仕掛を中止するのだった。
今後も登場するであろう梅安と心身ともに通じ合った井筒屋の女中おもん(菅野美穂)との馴れ初めエピソードもあるし、鍼の師匠でもある津山悦堂(小林薫)の映像もあったりして、ファンサービスとしても満点。鍼治療のシーンもリアルだった。
二本の仕掛が絶妙に絡み合う内容ではあるものの、ご法度である「起こり」について質問や「蔓」の信憑性などに疑問を持ち、結局はその元締め久兵衛がおみのと通じ合っていたことで彼を殺してしまうという意外な展開。半金は貰っているが金蔓を失った形だ。そして共に許せない相手・嶋田大学(板尾創路)に狙いを定める・・・
劇場版(1973)では殺してしまったのが妹だったのかもしれないという思いだけで、3作目『春雪仕掛針』(1974)でははっきり梅安が「実妹を殺したこともある」と語っていた。ややこしい。しかし、今作ではフラッシュバック映像によって実妹「おきち」であることが確定。「おきち」と囁かれたおみの本人だけが知らないまま、実兄によって殺されていくシーンは最高潮。おみのは走馬灯のように巡る幼少期を思い出したのだろうか、涙を誘うシーンでもあった。
エンドクレジットに椎名桔平!?どこに出てたんだと思っていたらクレジット後に登場。次の敵確定か?その手は桑名の焼き蛤・・・まぁ、次作が依頼によらない復讐劇だとしたら、また違った面白味も出てくるんですけどね・・・
悪人退治
江戸の品川に住む藤枝梅安は、腕の良い鍼医者という表の顔と、生かしておいてはならない者たちを闇に葬る仕掛人という裏の顔があった。そんな梅安がある日、料理屋を訪ね、仕掛の標的であるおかみの顔を見た瞬間驚いた。それは、梅安自身の暗い過去を思い出させるものだった。さてどうなる、という話。
仕掛人、今でも居てくれたら良いのに、って思う。まずプーチンを仕掛けてもらって・・・なんて思った。
妹を殺すのか、迷ったんじゃないかと思うが、悪い奴は成敗しないといけないので、そこは仕方ない。
梅安役の豊川悦司と彦次郎役の片岡愛之助とのコンビは良かった。特に2人で酒を飲み、料理を食べるシーンは美味しそうだった。
菅野美穂の濡れ場は色っぽかったし、天海祐希、高畑淳子、小林薫、柳葉敏郎、早乙女太一らもさすがだった。
エンドロールが終わってから次回作の予告シーンが有るので、明るくなるまで席を立たないようにしましょう。
また違う切り口の切ない話
てっきり必殺仕事人の別バージョンのスカッとするお話しかな~と思っていたら、
想像以上に切ない兄妹のお話しでした。。
鬼滅の刃も遊郭編では妓夫太郎と堕姫の切ない兄妹が出てきますが、
また違う切り口の切ない人間模様で。。
梅安先生の家で働くおせき役、高畑淳子さんが一服の清涼剤になってて良かったーー。彼女のちょっとしたコミカルさがあって助かりました。やっぱり上手い。
そして板尾創路さんはまーーーーあ悪役が上手い!
ちゃんとめちゃめちゃ嫌な奴に見えました◎
六角精児さんも片岡愛之助さんもなかなかに良き。
浪人となった石川氏と助けたお嬢さん、無事に静かに穏やかに暮らしてほしいと願いました。
それにしても梅安先生も妹も切ない人生だったとしみじみしました。。
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