仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
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彦次郎が恨みをはらす相手は、案外あっさりと死にましたね。
最初は、正体を隠して恨みを晴らす話かと思いましたが、自ら裁きを下す力がありながらも、法や倫理の壁に阻まれ、仕掛人という裏稼業に身を投じる彦次郎の姿が印象的でした。
確かに、彦次郎は剣の腕も確かで、一瞬の隙を見逃さずに相手を仕留める冷徹さを持っています。しかし、その冷徹さの裏には、深い絶望と葛藤が渦巻いている様子が伝わってきました。
ターゲットとなる人物たちも、単なる悪人として描かれるのではなく、それぞれの人生や苦悩を抱えた人間として丁寧に描写されています。そのため、彼らの死が単なる勧善懲悪ではなく、人間の業の深さを浮き彫りにする効果を持っています。
ストーリー展開はテンポ良く、読みやすいのですが、もう少し緊迫感や緊張感があっても良かったかもしれません。また、彦次郎の葛藤やターゲットの人物像をさらに掘り下げることで、より深みのある作品になったと感じました。
直感を信じてよかった
池波正太郎ファンでもなければ時代劇ファンでもない、ただ漠然と必殺仕事人シリーズは人生のどこかで観ておきたいな〜程度の興味レベルでしたが、たまたま目に付いたポスターがかっこよくて、それに釣られて観に行きました。
結論めちゃめちゃおもしろかったです。
描写内容的に万人へ薦めるのはちょっと難しいなと感じた部分がありますが、それを加味しても余りある説得力に殴られました。
梅安さんのトヨエツの声がカッコよすぎて沁みる。
彦さんのお茶目な人柄との対比もたまらない。
ごはんがあまりにも美味そう。
画面構成がかっこよすぎる。
若手の多い作品ではなかなか味わえない渋さと深みが堪りませんでした。
プロモーションでよく「新感覚時代劇」と言われてましたが、まさにです。時代劇に興味がなかった私に見事刺さりました。
キャラクター性も良いし、もっと若い子が観に来ててもおかしくないのに!!と思うんですが、如何せん上映時間帯が年配向けでもったいない…!
興味を持てた人にはぜひ少し頑張って早起きしてでも観に行ってみてほしいところです。
今度2も観にゆきますが、とても楽しみです。
どうして人を殺してはいけないのか?
幼い子供が大人にそんな疑問を投げかけたとしたら・・・・なんて答えればいいのだろうか。神様や世の中のルールなど引き合いにだしたところで納得させられないだろう???
今までの仕掛け人の話は"仕置き人"だった。法律で裁き切れない悪人を天に代わって成敗する、いや、恨みを晴らすことに重点を置いていて観ている者のストレスを解消させてくれたりもしていた。しかし、悦司梅安は少々違う。依頼人からの殺人に対しては疑問を持たず、
当然のように世の為になる殺人であると理解し実行している。それがこの映画の流れなの
だ。過去と現在の仕事が密接に絡んでいることに気づき始める。恨みを晴らすのではなく、利害がらみの依頼殺人であることを知ってしまう。さて、どうするのだろう・・・と観続けた僕は少々辛くなったりもした。しかし、梅安は苦しみに耐えながら自分の意思を打ち立ててしまう。
殺される方にも殺す方にもそれなりの理由がある。そのほとんどが憎しみだといっていい。
かつて人間は怒りではなく高潔さをもって苦難を乗り越えてきた。
そんな言葉が頭に浮かんだ。先日読んだ本の帯の宣伝文句だ。
人を殺してはいけない・・・その答えはこれなのだ。
そんなことをこの映画は示唆していた。
豪華俳優陣に心奪われ、料理に胃袋を鷲掴み
親しい方から鑑賞券を頂き、感謝の気持ちと共にスクリーンへ。
うーん、豊川悦司さんの声と喋り方が色気たっぷりなんだなぁ。
菅野美穂さんとの濃厚な口づけも素晴らしいし、梅安の大写しされる表情が怒りにも悲しさにも、そして微笑みにも、どのようにも受け止められるようで流石だなぁと。
そして池波正太郎作品だからでしょうか?料理とそれを喰らうシーンが随所に散りばめられていて、まあその鮮やかなこと!
料理監修に分とく山さんの名前がありましたから納得ですが胃袋持っていかれました。
普段時代物は敬遠しがちですが、食わず嫌いでしたね。
2作目の京都編も楽しみになりました!券を贈ってくれた方に感謝感謝です。
スタイリッシュな映像。川井憲次の音楽が合ってる
梅安さんに魅せられて
普段時代劇を見ない人でも楽しめます
時代劇は普段見ないジャンルなので、まったくの門外漢なのですが・・・
そんな私でも面白かったな、と思えたので、普段時代劇見ないわという方でも楽しめると思います。
人間の業の深さよ・・・・。
豪華な俳優陣だけあって、世界観に違和感なく演者が溶け込んでいます。
ただ、菅野美穂さんの喋り方だけがちょっと気になりました。あんまり時代劇っぽい喋り方じゃないというか・・・
年を重ねてもお可愛らしい風貌は役柄に合ってはいるんですけどね。
そういう映画ではないのでアクション要素は全く期待せずに行ったんですが、殺陣シーンは結構見ごたえがあって、思わず「おっ!」と前のめりになりました。嬉しいサプライズでしたね。
そして高畑淳子さん扮する飯炊きおばさんが最高でしたwいいキャラしてるわ~。
これの為だけに観に行ってもいいくらいです(笑)。次も出てくるのかな?場所が変わるからないかな・・・。
1ヶ月以上前に鑑賞した作品なので今更なレビューになってしまいましたが・・・
まもなく続編も公開されるので、まだ上映している映画館があればぜひ観に行ってみてください。
藤枝梅安初鑑賞
2023年映画館鑑賞12作品目
3月14日(火)イオンシネマ新利府
6ミタ0円
原作未読
テレビドラマ版未鑑賞
映画も萬屋錦之介版未鑑賞
原作は『鬼平犯科帳』の池波正太郎
河毛俊作映画作品初鑑賞
河毛監督はフジテレビの演出家で『君の瞳をタイホする』『沙粧妙子-最後の事件-』『きらきらひかる』など人気ドラマに携わった人物
脚本は『お墓がない!』『昭和歌謡大全集』『花田少年史 幽霊と秘密のトンネル』『寝ずの番』『悪夢ちゃん The 夢ovie』『悼む人』の大森寿美男
大金で雇われた殺し屋がターゲットを殺す江戸を舞台にした時代劇
依頼されてないけど悪党なら殺す殺し屋
鍼で殺すわけだが医者が検死してもわからないものなのね
おみのは子供のころに別れた梅安の妹
妹まで殺すとは思わなかった
冒頭いきなり褌
トヨエツって昔からどちらかというと無表情
相棒はいい意味で漫画チックな歌舞伎顔
わりといいコンビ
元は忍者か鼠小僧か梅安なぞの跳躍力
みうらじゅんの名言じゃないけど「これ絶対入っているよね」って芝居を表情のみで演じている菅野中村高橋が良い
エロ動画よりよっぽどエロい
時代劇の良いところはマスクしないところ
情報を得るために女と肉体関係になる手口はゴルゴ13とよく似ている
そういえばゴルゴもトヨエツもほぼ無表情
新たにゴルゴ13やるならトヨエツがいいな
早乙女太一の殺陣と石丸謙二郎の悪党顔が良かった
時代劇は男尊女卑だから嫌いという意見をネットで見たことがある
だからといってコメディータッチならともかくシリアスな正統派時代劇の設定を現代風にアレンジする必要ないと思う
言葉遣いはわかりやすいように十分に現代風に寄せているしこれはこれで良かった
全体的にシリアスだが高畑淳子がコメディーリリーフとして少し和らげている
絶妙な芝居
さすがベテラン
エンドロールのあとに次回への伏線のようなちょっと長めのおまけ動画あり
夜は仕掛人を請け合い日中は鍼医者を営む藤枝梅安に豊川悦司
梅安の親友で楊枝職人を装う吹き矢飛ばしの仕掛人の彦次郎に片岡愛之助
薬研堀の料理屋「万七」の女中おもんに菅野美穂
梅安の紹介でおもんが転職することなる浅草の料亭「井筒」の主人の与助に小野了
梅安の女中おせきに高畑淳子
梅安の針医者の師匠で故人の津山悦堂に小林薫
嶋田家家来ながら大学を裏切り監禁されたお千恵を救い出した剣の達人の石川友五郎に早乙女太一
梅安に仕掛人の仕事を依頼する香具師の元締・羽沢の嘉兵衛に柳葉敏郎
万七の女将おみのに天海祐希
嶋田家用人の娘のお千絵に井上小百合
万七の女中のお美代に朝倉ふゆな
万七の女中のお里に吉田美佳子
お千絵の両親の仇でお千絵にまで乱暴した旗本の嶋田大学に板尾創路
久留米藩江戸藩邸御用取次の伊藤彦八郎に石丸謙二郎
久留米藩士の妻のお香に中村ゆり
以前梅安に仕掛人の仕事を依頼していた人入り稼業の元締で万七おみののお得意さん田中屋久兵衛に大鷹明良
盗賊の一味だった大工の万吉に六角精児
彦次郎に殺された盗賊頭・御座松の孫八に趙珉和
梅安の少年時代に田中奏生
梅安の妹のお吉の幼女時代に田中乃愛
梅安の妹のお吉の少女時代に凛美
梅安の患者・下駄屋の金蔵にでんでん
金蔵の妻おだいに鷲尾真知子
万七の主人でおみのの夫の善四郎に田山涼成
手負のお千絵を匿った常在寺の善達和尚に若林豪
暴漢に手込めされ自決した彦次郎の妻おひろに高橋真悠
大和国の侍に椎名桔平
純日本映画
けっこう普通
ワイヤーをツボに刺すことで跳躍力を飛躍的に向上させることができる
美術と照明の技量
本格時代劇、その緊迫した空気感と映像の隅々にまで張り巡らされた様式美は、冒頭から最後まで満喫でき陶酔することが出来ました。
但し本作は仕掛人=殺し屋が主人公のピカレスクロマン時代劇であり、見事に悪党ばかりの映画であって正義の善人は一人もいません。主人公の梅安と相棒の彦次郎に殺された者たちは、悪人中の悪の極みということでしょうが、寧ろ悪党に徹し切れたか否かで生死の境目を分かれさせていました。
寄せアップは多いですが、全て正面から明瞭には映しません。顔の半分以上は常に影が覆い、極めて陰影の強い映像を意図的に作っています。
被写体の人物の構図も特徴的です。東映時代劇の対局で、即ち主人公を画面の中心に置くことは稀で、上手と下手にほぼ非対称に配置し、センターにはただ空間を配するという、嘗ての大映時代劇のような構図が殆どでした。これは将に1970-80年代に一世を風靡したテレビ番組「必殺」シリーズの映像を再現しています。
そもそもが夜、又は室内の薄暗いシーンが殆どであり、仄かに見える建屋の設えの出来と薄暗い中にはっきりと被写体を映し出す照明の技量が試される映像ですが、確かな腕前でした。さすが京都で腰を据えて製作した作品です。
昼間のシーンも、銀落しをしているような濃淡のコントラストの強い、乾いて刺々しい映像であり、作品のトーンをそのままに暗鬱な緊迫感が常にスクリーンに漂います。
更に暗い画面をややローアングル気味で捉えるカットが多く、観客に無言の圧力を感じさせ、自ずと緊張感を高めさせます。
手持ちカメラは、ラスト近くの大立ち回りシーンのみであり、この映画の暗鬱な緊迫感と鋭利な緊張感を、画面が揺れて変に乱されることがなく、座席にしっかり身を据えて見定めさせます。
陰影を画面の過半に配し、十分にタメをもたせた様式美に満ちた時空を情感豊かに見せてくれました。
ただ半面、物語のテンポが決定的に緩いのは難点です。回想シーンが多過ぎるのもその所以ですが、つまり今の状況を説明する伏線描写が長く多過ぎるのであり、もっと凝縮した、或いは端折ったシナリオ構成にすべきでしょう。叙情的な描写とその背景をロジカルに見せようとするあまり、過去のエピソードに拘り過ぎた結果、時制が行ったり来たりして鈍いテンポになったのだと思います。
一方カメラは、ナレーター役でもある、副主人公で建端の低い彦次郎目線で捉えているため、当然ながら豊川悦司扮する主人公・藤枝梅安を仰角気味に捉えるカットが多くなります。そのため梅安の無気味で武骨な威圧感が一層増幅されているように思います。
更に梅安の目、ほぼ終始無表情であり、普段は節穴のような輝きのない木偶の目なのが、人を殺める時には眼光鋭い野獣の如き無常の目に、見事に変貌していました。それでも梅安は常に無表情で人を殺めており、それだけで彼が卓越した凄腕であるとの印象を高めています。
尚、池波作品の映画化らしく、頻繁に食事のシーンが出て来ます。描かれる料理は決して豪華ではない地味で質素な煮物が多かったのですが、どれも無性に懐かしく、思わず食欲をそそられる、豊かで贅沢な匂いが観客席にまで漂ってきていました。びじゅ
絵のつくりは好き
最高
1回目は一人で。
2回目は80歳の叔父さん夫婦と(面白かったから叔父さん夫婦にも観せたかったから)。
親切な作り。
まず、誰が観てもわかりやすいように説明の台詞やシーンが盛り込まれているので安心して観ることができた。
冒頭。灯籠の明かりが水面にも映るシーンや、赤い月。一つ一つが浮世絵みたいに陰影で美しくて引き込まれる。ご新造さんの薄ら笑みも。
光と影、ではなくて、光に光が重なり、影にさらに影が映る画面は美しかった。
豪華キャストも目を離せなくて、役者さんが投じするたびにワクワクした(六角精児さんのクズっぷり、最高!)。
俳優さんたちはもちろんだけど、スタッフさんたちも「いい映画を創ってやろう」という気持ちが伝わってきた作品でした。
仕掛人と仕事人の違いって…?
テレビのスペシャルドラマで年に1回か2回か放送されてる東山さん主演の仕事人(今だに藤田まことさんの主水が印象強いけど…)と藤枝梅安の仕掛人って どう違うんだろう??
まぁググれば分かるのだろうけど、敢えてググらずにおこう!
ってなぐらいの認識の私でも かなり楽しめ、更に134分の上映時間は もしや長く感じるかも…と思っていたが以外にアッと言う間に感じる作品であった
他の方の口コミにあった通り 確かに悪役陣の配役には多少の物足りなさはあったものの 全体の顔ぶれとしてはナカナカの豪華さだったと思う
色々と書こうとすると長くなるけど、豊川さんの梅安や天海さん演じる"おみの"菅野さんの"おもん"などなど…
皆さんが其々に適役だったと思うけど、私的には片岡愛之助さん演じる"彦さん"が特に良かった!
たまにドラマに歌舞伎役者さんが出られると なんかヤッパリ歌舞伎調だな~と感じる事もあって
でも愛之助さんは『半沢直樹』の時の黒崎役も なかなかだったけど、今回の彦さんも本当に良かった!!
わが街熊本では1ヶ月余りの上映期間で間もなく4館中3館が上映終了となってしまうけど…もし観ようかどうしようか悩んでいる人には是非とも観てほしい!です
4月からの続編(?)を観るためにも。
※この作品は、エンドロールで席を立ってはいけませんヨ
久々の時代劇&当たり前だが…
(自分も含めて)皆,歳食ったなぁ〜!なんて今更ながら、最初に思っちゃったのが第一印象だったんだよねぇ〜⁈
毎回の様に勝手な事を語ります。 私個人の勝手に,女ったらしでスレンダーのイメージだったトヨエツは、かなりに肥えて貫禄が付きつつ,だが相変わらず女ったらし役は健在だった。 全然知らなかっただけに興味を抱き、色々と過去を調べ直してみると,このシリーズはかなりの大御所が入れ替わり立ち替わりに何代モノの大御所がこの役を熟(コナ)してきたらしいデスねぇ〜
過去のものを殆ど知らないが為に,緒形拳やら岸谷五朗等が熟したシリーズもある様で、後からソレを知ったが為に余計に観てみたくなったのは言うまでも有りませんねぇ〜( ͡° ͜ʖ ͡°)。
もうひと頑張りなんだよ。
このTVシリーズは子供の頃見ていた。
停滞していたTV時代劇に風穴を開けた傑作だったと思う。
本作も役者達の良さもさることながら、撮影部、照明部、美術、合成、映像美に関してはまあまあ楽しめたが、過去作を超える程では、、いや足元にも及ばない。オリジナルの映像は今見てもぶっ飛んでる。さらに子供時代の回想が今ひとつの出来である事とエロいシーンがエロくなかった。
でも今作は役者達が活躍している。
豊悦と愛之助の関係が新鮮で素晴らしく、お互いの小さな心遣いが沁みる。あと天海祐希の生き残る悪女っぷりが抜群に美しく、悲壮で、力強くてカッコよかった。演じてて楽しかっただろうなぁ。
なんだかんだ言ってるけど後編も観ますよ。
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