「どうして人を殺してはいけないのか?」仕掛人・藤枝梅安 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
どうして人を殺してはいけないのか?
幼い子供が大人にそんな疑問を投げかけたとしたら・・・・なんて答えればいいのだろうか。神様や世の中のルールなど引き合いにだしたところで納得させられないだろう???
今までの仕掛け人の話は"仕置き人"だった。法律で裁き切れない悪人を天に代わって成敗する、いや、恨みを晴らすことに重点を置いていて観ている者のストレスを解消させてくれたりもしていた。しかし、悦司梅安は少々違う。依頼人からの殺人に対しては疑問を持たず、
当然のように世の為になる殺人であると理解し実行している。それがこの映画の流れなの
だ。過去と現在の仕事が密接に絡んでいることに気づき始める。恨みを晴らすのではなく、利害がらみの依頼殺人であることを知ってしまう。さて、どうするのだろう・・・と観続けた僕は少々辛くなったりもした。しかし、梅安は苦しみに耐えながら自分の意思を打ち立ててしまう。
殺される方にも殺す方にもそれなりの理由がある。そのほとんどが憎しみだといっていい。
かつて人間は怒りではなく高潔さをもって苦難を乗り越えてきた。
そんな言葉が頭に浮かんだ。先日読んだ本の帯の宣伝文句だ。
人を殺してはいけない・・・その答えはこれなのだ。
そんなことをこの映画は示唆していた。
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