「時代劇らしい風格と情念の世界を楽しめる」仕掛人・藤枝梅安 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
時代劇らしい風格と情念の世界を楽しめる
梅安と仕掛人仲間とターゲットの女将が、過去に関係のある者同士だったというご都合主義には目をつぶるとして、時代劇らしい因縁と情念の世界が、陰影に富んだ深みのある映像によってうまく描き出されている。
梅安が、女将との関係にどう決着を付けるのかと思って見ていたが、やはり、そうするのが彼女のためでもあるだろうと、梅安の選択に納得することができた。仮に、彼女がターゲットでなくても、彼女との関係を知った梅安は、おそらく同じことをしたのではないだろうか・・・
プロの殺し屋であれば、悪党から、善人を殺すように依頼される場合もある訳で、当然、殺し屋は葛藤に苦しむことになるのだが、ここでは、そうしたところにもしっかりとケリを付けているのが良い。
誰かを殺したいのであれば、それを依頼する者も、殺しの元締めとなる者も、それが「正義」なのかどうかを自らに問い、命を懸けなければならないのである。
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