「テーマが難解で深い」Arc アーク 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
テーマが難解で深い
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ポーランドで映画作りを学んだ不思議な魅力がある石川慶監督作品。最新作を楽しみにしていました。
バディを組む撮影監督ピオトル氏の個性が作品を創り上げているのかもしれません。
蜜蜂と遠雷の映像を思い起こすようなちょっと不思議な映像体験ができました。
SF作家ケン・リュウの短編小説は未読。近々読みたい。
芳根京子さん主演で映画化ということで定評のある演技力が見られます。
プラス 芳根ちゃんが神々しく美しい!
遠くない未来の話…リナという女性の数奇な運命が描かれる本作。
私だったらどちらを望むのだろう?と問いかけられた。
リナが出会った姉弟それぞれの死生観。
姉は最愛の人を亡くして遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する「ボディワークス」を確立。
弟は美しいまま生きる不老不死の研究を進める天才科学者。
そして30歳になったリナが選んだのは不老不死の処置。
人類史上初の永遠の命を得た女性となるけれど…やっぱり来たきた予想外の展開が。
できるなら、ずっと若くて綺麗なままいたい。
でもニナみたいに愛する人たち…自分の息子や親友が自分より先に老いて先に亡くなったら?と考えると不老不死ってやはり虚無感ありますね。
何百年もローンを払い続けるのも嫌だし。
なんか自然の摂理に反する行為とも思う。
不老不死が当たり前となった世界は人類を二分化して混乱と変化をもたらしていく。
死ぬ人がいなくなれば人口が増えて食糧難に陥る。
リナが選んだ結末は私には正解に思えた。
エマ役寺島しのぶさん、天音役の岡田将生さん、倍賞千恵子、風吹ジュンさん、小林薫さん、清水くるみさん…俳優陣が素晴らしかった。
私は楽しめました。
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