劇場公開日 2021年6月25日

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「いい?生きることの対極にあるのは死ではないのよ。生きることの中に死がある。」Arc アーク 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いい?生きることの対極にあるのは死ではないのよ。生きることの中に死がある。

2021年7月1日
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鑑賞方法:映画館

不老不死。遠くは始皇帝も固執した、永遠の命。弘法大師だって望んだことだ。その技術が、科学的に可能となった世界の話。ただし、その数だか資格だかには制限がある。それでも全員が希望するわけでもなく、しない(そのまま老いて死んでいく)という選択もある。おやおや、ちょうど今のワクチン接種の現状に似ていなくもない。

人類が永遠の命を手にした時、それが科学的にも宗教的にも受け入れられた時、それは人類にとって進化なのだろうか?
・プラスチック片に封入された昆虫標本の置物。
・万年生きるという亀の死と、亀を弔う、変わらぬ姿のまま生き続ける人間。
・見た目年齢が混乱している、母と兄と妹と兄嫁の四人の家族写真。
・モノクロの画面が、過去ではなく未来。
・薄っぺらくない、フミの「生まれ変わったら、私のこと見つけてね」というセリフ。
ほかにもいくつものアンチテーゼが潜んでいる。
たぶん人生の選択をしたリナの脳裏には、エマの「自由に行きなさい。罠にかからないように。」という言葉が浮かび上がったのではないだろうか。そして、自分の人生に確信を持てたからこそ、虚空を強く握りしめたのだろう。

そしてこれは自分の好みの問題なのだが、どうも芳根の演技が苦手だ。時に、セリフ回しが早口なること、時に、間を外すように大きく息継ぎをすること、何かに迎合するような卑屈そうな笑顔を見せること。このキャスティングで、減点0.5

栗太郎